2017年3月12日日曜日

七味風 音のピント合わせ その2 '好みのカーヴを作る'

前回は左右の伝送特性の補正が終わったところまで。
次は好みのカーヴを作る、に移るワケですが、ここはもう実は好みの問題。
フラットに補正したカーヴを元にして「ピークは叩き、ディップはそのまま」を原則にカーヴを描いていく。ピークは叩くというよりは殺すくらいの勢いで(笑)。ディップは持ち上げ過ぎると歪みやすいので程々に。ほったらかすくらいが調度良いのだ。

好みのカーヴ、といってもそこは千差万別。人それぞれ。自分の理想とする音に少しでも近づけたい、近づきたい。七味の場合はホールの臨場感というよりは目の前に音が目一杯広がるような感じが好き。クラシック音楽中心だが、ジャズを聴くような音の傾向が好み。
もう一つ。まことに抽象的だが、無理なく鳴らしたい。何が無理なくなのか自分でもよく分からない(笑)が、耳が痛くならないような自然な鳴り方、身体が音楽に包まれて浮遊するような感覚が味わえないだろうかと思っている。「気持ちいいぃ~っ!」と叫びたくなるような音楽体験をしたい。

調整の方法と言っても、ここはもう自分のお気に入りのディスクを繰り返し繰り返し聴きながらのカット&トライあるのみ。
七味お気に入り&優秀録音のディスク数枚を調整に使っている。
ここ最近の頻度の高い順に幾つかご紹介。
  1. ヨーヨー・マ/シルクロード・アンサンブル 「エンチャントメント」(Sony Classical)
  2. ブーレーズ/CLE Orch. ペトルーシュカ・春の祭典(DG)
  3. Berlin Contemporaly Jazz Orch.(ECM)
  4. ヤッシャ・ハイフェッツ シベリウス バイオリン協奏曲(RCA)
  5. スター・ウォーズ エピソード3 サウンド・トラック (Sony Music Entertainment)
七味はクラシック音楽を中心に聴いているので、フラットに補正したカ―ヴを基本にしつつ、1000Hzを中心に低音域を持ち上げ、1000Hz以上はなだらかに落とすようなカーヴを描くようにしている。
よく、三つ山特性が良いと言われるが、七味の好みのカーヴはそうはならず。
七味はGEQ(グラフィックイコライザー)で基本的なカーヴを描く方法をとっている。PEQ(パラメトリックイコライザー)で全体的なカーヴを描くことも可能だが、七味の場合、部屋の伝送特性がガタガタなので全体をGEQで描き、PEQは共鳴・共振している周波数帯域を殺すのに使っている。
大事なのは左右差はそのままにしておくこと。あとはもう自由に、とはいってもあまり自由過ぎても出音はヒドイ事になる。ここで気を付けたいのは音の佇まいというか響きの自然さと、低~中~高音帯域のバランスと繋がりの良さ。ここをスムーズにしておかないと聴いていて違和感が強い。このあたりチャンデバと同じかも。

しかし、この調整がなかなか手ごわい。失敗も数知れず。ドツボに嵌ることが多い。
先日もなんだか低音がボン付くなぁ、と思ってEQを調整したが、よく見るとプリのラウドネスがオンに。
困るのはEQの調整中は音楽が耳に入らなくなること。あとはコレだ、という正解があって無いようなものだからキリがなく始末が悪い。
七味は基本、自分に自信の持てない子なので、EQの調整にも区切りというものがなかなか付けられないが、最近は少し割り切れるようになってきた。

ここで訂正。以前のその1に掲載したフラットに補正したカーヴは別の時期に測定・補正したものだった。2番目の画像のカーブが正しいものでした。
これまでのEQの調整はこの2番目の画像のカーヴをもとにしている。
それで出来たのが、一番下の画像のカーヴ。2番目の画像のカーヴを元に1000Hz以上は1番目を参考に作った。
この2つを比べると、同じフラットになるように測定・補正してもカーヴが違う。100Hz以下は左右で違いはあるが割かし似たカーヴとなっているが、1000Hz以上がかなり違う。5000Hz以上は似ている。もしかしたらスピーカーのセッティングが少し異なるのかも。
そう、測定といっても結構いい加減なのだ。アテになるのか?という疑問もあるが、大体のところは信用できると思っている。
で、結果はというとこれまでになく、かなりイイ線いっているように思う。

好みのカーヴが大体作れたら、次にPEQを使った、もう少し細かく共鳴・共振する周波数退治に移ります。


フラットに補正したカーヴ

フラットに補正したカーヴその2
1000Hz以上が上の画像のカーヴとは大きく異なる。

現在のGEQカーヴ
その2のカーヴを元に1000Hz以上を一番上のカーヴを参考に作ったもの








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