2014年9月28日日曜日

C.Wiliams / Fanfare and Alegro それから100本目

探していたLPを入手。マーキュリー原盤のクリフトン・ウィリアムズ、ファンファーレとアレグロ(SRI75094) 。ほかにモートン・グールド「ウェスト・ポイント交響曲」、パーシケッティの「吹奏楽のための交響曲」など。演奏はフレデリック・フェネル指揮イーストマン・ウィンド・アンサンブル(EWE)です。CDはすでに持っておったがリンカンシャーの花束が収められているLPを聴いて、音の良さに感心し、是非ともこの曲もLPで聴いてみたいと常々思っていた。よく買い物をする仙台レコードライブラリー(勝手に仙レコと呼んでいる)の通販リストにそれを見つけて早速注文。先日届いた。
フィリップスのゴールデン・インポートシリーズの一枚でマーキュリーがフィリップスに買収されてからのもの。フィリップスのドラティの録音はほとんどがマーキュリーの録音になる。オリジナルはマーキュリーのSRシリーズ(SR-90220)だけれど現在2万円ほどで流通していて、手が出せない。幸い、このシリーズ、それなりに音が良い。場合によってはCDよりも好ましい音で鳴ってくれる。
さて、そろりと針を落としてみる。やっぱり違う!LPの方が少しだけ音に膨らみと広がりがでるようだ。空気感というか空間性の表現はLPの方が勝っている。CDのほうがタイトでキツイ印象。LPがユルイのではなくCDがキツイのだと思う。何度聴いてもトリハダが止まらない。

この前、長野市の中古レコード店Goodtimesの店長さんと話していて、そこは買取りもしているのだけれどお客様には現物を見て、手に取って買ってほしいので店頭販売に力を入れているのだと言っていた。隣県の大型書店にも商品を置いてくれているのはそういう理由からだとか。実際、サテライトへの商品の搬入だとか入れ替えにはコストと物理的な労力が掛かるだろう。ネットでの通販のほうがはるかに楽だろう。やはり正直なところ経営はキツイともおっしゃっていた。お客からすれば、こういう良心的なお店は安心である。でもこういうお店が淘汰されてしまう今の世の中、何か間違っていないかい。

昨日はKazuさんとうな君が我が家に来た。遠いところありがとうございました。音の調整はまだ途中でしたが、音の方は概ね好評だったようでちょっとホッとした。自分としてはもう少しマイルドにならないかなと思案しているところ。限られた時間ではあったが楽しんでいただけただろうか?そこはチョッと心配である。心配といえば御嶽山の噴火だ。規模は小さいとの発表だけれど突然の噴火。ちょうど紅葉の季節。登山者も多かったようで安否が心配だ。

さて、この記事で100本目となった。思っていることを文章にするのは非常に難しいことだと痛感。労力もいる。基本、面倒臭がりなので、データを省いたり、良く調べもせずに適当に済ませてしまいがち。怖いのは以前書いたことと全く反対のことを書いていないかということ。これだけはホント怖い。これからもよろしくお願いいたします。

             Fennell, Eastman Wind Ensemble - Gould: West Point Symphony etc.


2014年9月21日日曜日

夏の名残り Sir John Barbirolli / Delius Orch. Works

今週末は良い天気に恵まれた。昨日は念願の布団も干せたし、今日の午前中は町内の運動会でした。ちょっとメンドクサイ気もするが、大事な地域交流。これも無事終了。お昼は食事に出がてら、近くのぶどう園へ。子供の頃は秋になると父の友人がやっているぶどう園によく行ったものだ。お弁当を持ち込んで、ちょっとお手軽なピクニックのようだった。そういえば子供の頃の我が家の庭には2羽ニワトリ、はいなくて、小さいながらも葡萄棚があって、数房の巨峰が採れた。粒も小さく、たくさんついてはいなかったし、あまり甘く無かったことを思い出す。酸っぱい葡萄、ってなんかなかったかしら?今も葡萄狩り(といっても、ちょっと試食して何キロかの葡萄を買い込むだけ)は我が家の夏の終わりから秋の初めにかけての恒例の行事になっている。箱詰めを待っているあいだ、試食の葡萄を摘まみながら葡萄棚越しに見える、抜けるような青空を渡る心地よい風を受けていると、「夏の名残り」という言葉とともにディーリアスの音楽のイメージが浮かんだ。
デーリアスのような音楽は閉め切った部屋ではなくて、是非とも屋外で聴きたいなあ。日差しと気持ちいい風、それに鳥の囀りがきっと合うことだろう。

ディスクはちょっと前に紹介したバルビローリ(EMI CMS 5 651192)を。BritishComporsers シリーズの1枚。以前のブログ(こちら)でも書いたビーチャムの演奏が好きな自分だけれど、このバルビローリ盤も好きになった。歌い回しが絶妙でとってもチャーミング。録音も当時のEMIのちょっとフォーカスの甘い寒色系の音色がディ―リアスにマッチして、より一層、郷愁を誘う。




2014年9月20日土曜日

ぼんくらキター!

宮部みゆきの時代ミステリー小説「ぼんくら」。そのドラマがNHKで10月から放映決定!
現在、NHKでは「おそろし」というドラマを放映中。こちらも宮部みゆきの小説が原作となっている。宮部みゆきのミステリーは現代物も良いけれど、個人的には時代物の方が好きだ。最近、宮部みゆき原作の連続ドラマが多い気がする。TBS系列では「誰かSomebody」「名もなき毒」に続いて「ペテロの葬列」がこの前まで放映されていたし、NHKでもちょっと前に「小暮写真館」がドラマ化された。どれも良く売れている本だし、話もしっかりと作りこまれているのである意味映像化しやすいのだろうか?視聴率もある程度取れる見込みがつくのかもしれない。
どれも数回のシリーズになっていて、原作に忠実と思われる。原作のディテールを壊すような設定はないので、原作を知っていて、結末がわかっていてもドラマに入り込みやすい。そうだったそうだったと原作をなぞるように観ることができる。

さて「ぼんくら」、ドラマが始まる前にもう一度読み返してみようかな。


2014年9月13日土曜日

BCJO

BCJO。それはBerlin Contemporary Jazz Orchestraの略。1996年に来日。柏崎での公演を聴いた。その時の強烈なリズムと不協和音、フリーインプロビゼーションにとても興奮した。この公演以来ジャズを嗜むようになった。ライブ盤を除くとリリースされたCDは下の1枚のみ。3曲収録されている。なかでも1曲目のAna(Kenny Wheeler:ケニー・ウィーラー)がお気に入り。神秘的なピアノの音に導かれ、ベース、管楽器が重なりドラムの刻みをバックにトロンボーン、トランペット、ピアノ、バリトンサックス、ついで4ビートにのってテナーサックス、アルトサックスのソロが現れ、興奮が最高潮に達した後、冒頭の主題が現れて静かに終わる。圧倒的なドライブ感。そこにエクスタシーを催すのだろう。

画像は上からBerlin Contemporary Jazz Orchestra(ECM1409)のジャケット。BCJOを主宰する指揮者、ピアニストのアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ、来日公演ライブ盤のバックジャケット。




EQの調整は続くよどこまでも

ヒーッ!やっとこさの週末。長かったな今週は。疲労困憊? 3連休が有難い。
週初めの秋祭りには子供会役員として参加。コレが結構大変であったな。打ち上げでは飲まないわけにもいかず、というか積極的に飲んだのだけれど。まあこれで子供会の行事も大方終わったことになる。
よって今週は落ち着いて音楽が聴けなかった。昨日、久しぶりに音を出してみた。
まずは、軽めな音楽、ということでデュトワのフレンチ・コンサートを、ついでLvBの2番。こちらはマッケラス/RLPO(ロイヤル・リヴァプール・フィルの演奏で。
我が家のシステムは以前に比べて、活き活きと鳴るようになった。7月にEQの神様が降りてきたこちら。が、ここまではほんの下書き、大まかな輪郭が描けたに過ぎない。細かな調整が必要で、音楽を聴きつつ、お気に入りのCDの気になる部分、例えば大きく膨らんで聴こえるような周波数帯域はEQのボタンを上げ下げしながら調節。これが気の遠くなる作業なんだな。途中で嫌になったり、煮詰まってしまうこともしばしば。けれども少しづつ少しづつ、思い描く理想の響きに近づいていくのが楽しい作業ではある。そんな地道な作業の結果、最近になって、嬉しいことに音が少しだけスピーカーの後ろにも広がるようになった。これまでは奥行きに乏しく平板な感じでベターッとペンキを塗りたくったような感じがしたものだが、当初より低音域を下げたことで中~高音域が浮かび上がるようになったと思う。それにあわせて音が耳の高さより上の方に広がるようになった。目下のところ目標の7割8割ほどといったところ。今後はもう少し潤いのある響きを目指したいなあ。

タイトルは♪線路は続くよどこまでも~ から。北陸新幹線の開業を半年後に控え、ザワザワしている上越市。上越妙高駅の周辺も開発が進んで、昔の面影はなくなってしまった様子。新幹線、嬉しいのですよ。嬉しいんだけれど、あの高架だけは・・・。なんだか風景が断ち切られてしまった感じがして、妙に切ない。

画像は以前のEQカーヴと現在のもの。30~200Hz、2500Hz付近のレベルを下げている。実際は併せてパラメトリックEQでピークを叩いている。ディップは基本、いじらずそのままにしている。






2014年9月7日日曜日

NFL & F.Fennell/EWE. Holst Suite No.1&2,RVW Forksong Suite &Toccata Marziale

いよいよこの季節がやってきました。
そう、NFL開幕。とは言えそれほど熱心なファンではなく、テレビ中継での観戦ぐらいですがそれでもやはり開幕は気合が入ります。なんといっても今シーズンの開幕戦は我がシアトル(シーホークス)とグリーンベイ(パッカーズ)。昨シーズン、スーパーボウルを制覇したシアトル。今シーズン、連覇なるかというのが大きなポイント。攻撃陣はビースト、RBリンチ初め昨季と大きな変わりはなく今年も期待が持てる。これなら大丈夫、かな。

さて、先日の長野行ではマーキュリー録音のホルストの(吹奏楽のための)組曲第1番、第2番とRVWのイギリス民謡組曲、トッカータ・マルツィアーレがカップリングされたLPを買った。この4曲を含むCD、LPはこれで4組目。国内盤CDとLP、それに海外盤CD、LP。55年の録音なのでもともとはモノラル録音なのだが、国内盤はCDはモノラル(モノラルの表示だが疑似ステレオくさい)、LPは疑似ステレオで、海外盤はモノラルのまま。国内盤LPは疑似ステの効果はそれなりにあって、広がりが出たことで音が軽く聴きやすくもあるが、マーキュリーの持ち味である音の生々しさ、音の存在感は少し失われてしまった感じがする。録音された55年ともなるとモノラル録音でもレンジも比較的広く混濁も少なくなって随分と聴きやすい。とくにLPはMono針のカートリッジでトレースしてあげるとバックグラウンドノイズが減り音がスーッと浮かび上がり、グっと締まった感じになる。
4曲すべてが名曲なんだが、ことにホルストの第1組曲はやはり良い。何十回、いや何百回と聴いてきたが今だに飽きることがない。 このフェネル/イーストマン・ウィンド・アンサンブル盤は自分は永遠のスタンダード。無人島へ持っていく1枚かな。フェネルはデジタル期に入って、テラークに再録音している。録音も良いし、落ち着いた演奏でこちらも名盤なのだが、マーキュリー盤はEWE創設当時のフェネルの意気込みがアンサンブルに勢いや一体感を持たせているようで熱い。

最初に買ったのは国内盤CDで、音にも満足していたけれど、プロデューサー、ウィルマ・コザート・ファインが監修した音(国内盤よりはるかに音が良い)で聴いてみたくて、海外盤CDを買った。次いで国内盤LPを購入した。疑似ステレオで音の傾向は似ているがLPのほうがクッキリとした印象。海外盤CDは3枚のなかではやはり一番マーキュリーらしい音がするが、わずかに音が硬いのが惜しい。カップリングがO.リードやメニンというのもうれしい。
今回買ったLP、もちろんマーキュリーのオリジナルではない。レコード番号をみるとMRL2001となっている。マーキュリーのオリジナルはMG40015。MRL盤はPYEレコード傘下のニクサ・レーベルから発売されたイギリス盤かと思う。ネットで調べると、どうもPYE(ニクサ)は当時、マーキュリーと提携していたようだ。詳細は不明ながらレーベルにはメイド・イン・イングランドとプリントされておりイギリス・プレス。ジャケットはペラペラで盤は重く、硬いのでリリースはかなり前ではないかと思う。盤質はそれなりでノイズも目立つがこれは仕方ない。念入りにクリーニングしても取れないノイズはあきらめよう。イギリス盤にありがちなビニール焼けが無いだけマシである。音のほうはオリジナルには及ばないのだろうが、カッチリとした音で重いパンチのようにずっしりとボディーに効くかのような重心の低いもの。それこそノックアウトされてしまったのであります。

画像は上から今回買った海外盤LPと所有している国内盤LP、海外盤CD、国内盤CD。







2014年9月2日火曜日

Sir John Barbirolli/Elger Sym.1

先日の長野行ではバルビローリのCDを4タイトル購入した。エルガーの交響曲とエニグマ変奏曲、それにディーリアス。すべてブリティッシュ・コンポーザー・シリーズ。このシリーズのなかなかに落ち着いたジャケットのデザインが気に入っている。赤地に白文字のEMIのロゴもいまとなっては懐かしい。エンジェル・マークからEMIロゴに変わったときも違和感はあったが、今のあれはいけない。ワーナーのマーク、なんだか寂しくないかい?今のところ自分は買う気にならないな。あれは。

エルガーの1番です。一聴しての感想は、これこそ耳福というもの、という一言に尽きるのであります。まず、何といっても63年の録音としては驚異的に音が良い。見れば、ビクター・オロフの名前がプロデューサーとしてクレジットされている。キングズウェイ・ホールとオロフの組み合わせ、これはもう鉄板でしょう。そしてバルビローリの演奏は何も文句のつけようがない。もうパーフェクトなんだな。これをパーフェクトと言わずして何とする。第1楽章のしみじみとした冒頭の歌い出し。第4楽章のうらぶれつつも何か内に秘めた熱い決意。情緒過多の傾向のあるバルビローリだがここでは知情意のバランスがよく、崩れをみせない。これまでバルビローリのディスクをいくつも聴いて来たし良いと思ってきたけれど、ここまで気持ちが揺さぶられ、心踊り、心奪われる体験はシベリウスの5番以来無かったように思う。
ああ、こんな素晴らしい演奏があったなんて!という喜びと、どうして今までこれを聴かなかったの?という落胆のフーガ。
エルガーについて、自分はそれほど良い聴き手ではないけれど、こんな演奏なら好きにならずにいられようか?
こんなワクワク、ドキドキを期待してディスクを買うんだった、ということをしみじみと思い出した。やめられるわけがないですよね。ホント。