今週は粉瘤の切除の手術を受けたりしたものだから、あんまり体調も万全とは言えず。7針を縫う手術というか処置はどの程度のものかよくわからないが、結構しんどい。
手術を受けた翌日は大事を取って休み、水曜日には出勤してみたものの、木曜の朝には結構な出血があり、傷口が開いてしまったようなので、この日もお休みした。
今週5日間のうち、結局フルで仕事に行ったのは水曜と金曜のみという体たらく。
痛みの方は抗生剤と塗り薬と痛み止めでなんとか凌いでいる、といったところ。抜糸は来週の水曜日になるか、ダメなら土曜の予定。
そんな今週、ツイッターでは13日がマゼールとC・クライバーの命日、16日がカラヤンの命日ということで、盛り上がっていた。あんまり演奏家や音楽家の命日や誕生日に合わせて音楽を聴くことはしない方だが、七味も少し乗っかってみたりして。
マゼールとクライバーの命日には二人のベートーヴェンの7番を聴き比べ。
まずはマゼール/CLEの演奏。こちらは動的なエネルギーに注力しない演奏。リズムも重いが、内声部も丁寧に演奏していて第2楽章などは流石と思わせる。クライバーは今更、何を言う事もないのだけれど。全く自在に音楽を動かすなあ、と思った次第。
マゼールの方は音楽が流れていかない分、ちょっと引っかかりというか躓きというか気持ちがすんなりとは音楽に乗っていかないが、クライバーはもう、自動運転のクルマのように乗せられて、連れていかれる感じで快適。
興が乗って、MTTのベートーヴェンも続けて聴いた。7番ではなく3番。
コレがすこぶる良い演奏でびっくり。MTTのベートーヴェンは小編成の室内オケによる演奏のはしりと思うが、ピリオドアプローチは採らず、従来の演奏に依っている。録音も小編成オケを意識したもではないようなマルチマイクでオン気味。現在からみると世に出るのが早すぎてすべてにおいて中途半端な感じが否めない。が!
聴いていて、かなり良いんじゃないか?聴き進むうちにマイベスト3に入るくらいに素晴らしいと思えてくる。大編成向きの録音で小編成の演奏。刈り込まれた弦と管楽器のバランスも良く、適度な軽さ。キビキビと小気味よい音楽のドライヴ感は聴いていて爽快なもの。やるなMTT。MTT、その後もベートーヴェン全集は再録音しておらず、自信のほどが窺えるということか。
16日はカラヤンの命日。何気なくDGに録音したシベリウスを手に取ってみた。DGには4番から7番までの4曲しか録音していないが、EMIにはモノラル期にフィルハーモニアO.と、それにデジタル期に入ってBPh.とも録音しているが、音楽は峻厳さと同時にオケのクリスタルのような硬質な響きが60年代のカラヤン/BPh.らしい録音と思えて好きだ。
またまた、興が乗って続けて今度は渡邊暁雄/日本PO.の全集を取り出して聴いた。
コレがまた素晴らしい演奏。カラヤンのゴージャスとは言わないがクリスタルを思わせる美音を奢った音楽と比べると、一層素朴な、真摯な音楽に頭が自然と下がってくる。
この全集、渡邊暁雄が亡くなった時に発売されたもの。初めて買ったシベリウスの全集だった。
随分と長い間聴かないでいたが、こんなに素晴らしかったとは。反省。
今回はちょっと聴いた音楽が多すぎた。まとまりに欠ける内容はいつもの通り。
名曲はどんな解釈にもその魅力を失わない、ということ。裏を返せばどんな解釈にも耐えうるのが名曲。もう一つは聴いて合わない、イケてないと思っても時間をおいて聴くとその印象もまた、ガラリと変わる、という結論でした。
そうそう、youtubeでを見つけて、テンション爆アゲ。芥川也寸志の遺作。外山雄三/東京交響楽団による追悼演奏会のライヴ録音。昔エアチェックしてテープを持っていたのを処分してしまい、もう一度聴きたいと思っていたモノ。これもまた素晴らしいものでした。もう最後のCで号泣で御座います。