2017年9月30日土曜日

心に秋風 PIT Ballet Music

今週は、仕事が息つく暇もないほど忙しくて完全にグロッキー状態。身体も心も音楽よりは睡眠を欲した一週間だった。
おまけにこの寒さで、慢性化している副鼻腔炎が悪化。頭痛が痛い。
天気が悪いせいか何だか気持も沈みがちで、気分も晴れない。心身ともに疲れのレンガだけが積みあがっていく、そんなカンジ。
それでも、布団の中でダラダラしていてはいけないと布団をあげ、撮り溜めた海外ドラマを観るもあっという間に轟沈。
午後は少し持ち直して音楽を聴いている。一時、未完成ばかり聴いていた反動なのか、特定の曲を聴くモチベーションがないこの頃。
比較的軽いチャイコのバレエ音楽を聴いた。

ロンドン響によるチャイコの3大バレエ曲の組曲抜粋盤。くるみ割り人形はドラティ、白鳥はモントゥー、眠りの森はフィストゥラーリの指揮である。フィリップスのA Touch of Classicsという廉価盤シリーズの1枚。寄せ集め盤なのだが結果的に3人の指揮者による豪華競演盤となっているところが、魅力ではある。三者ともあんまりねっとり歌いあげる感じではなくキレよくスッキリとした歌い口。
録音データにはマーキュリーによる録音と記載されているが、ドラティのくるみ割リ人形だけかもしれない。フィストゥラーリの眠りの森は低域が良く伸びていて迫力がある。録音の古さを感じるが3曲の中では眠りの森がオーディオ的には楽しめる。

こうして音の洪水に身を浸していると少しだけ気持ちが軽くなった感じ。身体の怠さも良さそう。
とはいえ、来週の仕事もこのペース。少しでも周りのスタッフに分配できるといいのだけれど・・・。

Philips 422 265-2

2017年9月24日日曜日

Gulda & Stein / WPh. LvB Piano Concerto No.1

秋晴れの一日。風が心地よい。
午前中に昼食のカレーを仕込んでいたら換気扇が突然、壊れた。20年ものの換気扇。碌に掃除もしていないので壊れるのは時間の問題だったが、急に動かなくなった。
お昼を食べてから、いつも水回りのことをお願いしているお店に行って話を聞いてきた。ついでに給湯器も一緒に買い替えることとなった。突然の出費、しかも結構なお金が飛んでいくことに。

お店から戻って、気を取り直してグルダのベートーヴェンを聴いている。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲は3番以降は比較的CD棚から取り出して聴くこともあるが、1番・2番となると、ほとんど聴かない(笑)。全集としてはこのグルダ盤の他、バレンボイムの旧盤、バックハウス盤にケンプ盤くらい。音楽を聴き始めた頃にはポリーニの旧盤を持っていたが、いつの間にか紛失してしまった。アバドとの新盤を買いなおしたがどうにも録音が宜しくなく手放した。その他、バラで数枚ある程度。
ソナタとともに収められているエロクァンスシリーズのライナーには記載がないが、録音は70年。ムジークフェラインザールでの録音か。
久しぶりに聴くグルダは音がキラキラとしていて粒立ち良く立体感のある演奏で非常にリリカルな印象。あまり耳にすることが無い感じのタッチ。こんなタッチはグルダならでは?調律師の方も調整が大変だったんじゃないか?
そして伴奏のホルスト・シュタインとウィーン・フィルもいいよね。シュタインはやっぱり歌の人だなぁ。呼吸が自然で、スーッと音楽が身体に入って来る感じが何とも幸せな気持ちにさせてくれますな。

ソナタはベーゼンドルファー、コンチェルトはスタインウェイらしいケド、どうなんだろう?途中で楽器のメーカーまで変えてしまうなんてことがあるんだろうか?

Decca Eloquence 476 8761

2017年9月23日土曜日

16回目の結婚記念日

今日9月23日は16回目の結婚記念日。
妻と二人でランチに出掛けた。上越市三和区にある”タコチェ”という10席ほどの小さなレストランだが、地元上越の野菜をふんだんに使った料理がおいしいという評判をネットでたまたま見つけて行ってみた。何ともこじんまりとした感じ。女性のシェフが一人で切り盛りしており、およそ2時間のコース、ゆっくりと美味しい料理を堪能することができた。
味はもちろんだが、見た目もとても綺麗で食欲をくすぐる。メインのパスタとピザはつい写真を撮り忘れてしまった。
ちょっと市街地からは外れているので、遠いが今度はディナーで行ってみたいお店だ。

その後、車検に出している愛車を取りに行くまでの2時間ほどを買い物やお茶して過ごした。
車検の間、代車をお借りしたが、最近のクルマに、どうにも馴染めなかった。というのもスマートアシスト機能やアイドリングストップといった機能、これがどうにもうるさく感じられるのだ。車線を少しでもはみ出したり、前方のクルマとの車間が狭まるとアラームが鳴りブレーキが掛かる。信号待ちでブレーキを踏むとエンジンが自動的に止まり、ブレーキペダルを離すとエンジンが掛かる。発進がどうしてもワンテンポ遅くなる。これがなんとも煩わしい。あと、最近のクルマ一般にそうなのかもしれない(妻のクルマもそうだ)が、ハンドルが驚くほど軽い。コレではクルマをドライブする楽しみが少ないではないか!?
車検の方は、ついに10万kmを超えたこともあって、いろいろ交換する部品が多く、費用も嵩んだ。

最近は音楽を聴く時間があんまり取れない。季節の変わり目のせいかあんまり良く眠れていないこともあって疲れも取れない感じ。弱った。

新生姜と空心菜のスープ
具だくさんの上、新生姜がピリリと効いた一皿

前菜
とてもカラフルかつボリューミーな一皿でした
このあとはあまりんぽ美味しさに写真を撮り忘れるという痛恨のミス

2017年9月18日月曜日

Toscanini / NBC SO. Saint-Saëns Sym.3 ”avec(Electric)Organ”

連休最終日。早いもんです。
今日も生憎の雨模様。そんな朝から”オルガン付き”です。

トスカニーニとNBC交響楽団の演奏。
というのも、この演奏のオルガンはカーネギーホールにオルガンがないので電子オルガンらしい。
こちらも”電子オルガン付き”というわけ。カラヤンやバレンボイムは教会でオルガンの部分を録音、あとで、オケの演奏と合わせる、という事をしていた。
もちろんモノラル録音。52年、カーネギーホール。オルガンはジョージ・クック。
モノラル録音の”オルガン付き”なんてと思う方もいらっしゃるかもですが、トスカニーニのコレはなかなかな聴きごたえ。モノラルといっても52年ですからほぼほぼ録音システムは完成されてる。オルガンは、ちと物足りんケドね。いずれにせよトスカニーニの録音の中ではかなり良好な部類でしょう。

演奏は文句の付けようがない凄い演奏。実演で聴いたら七味は多分、キュン死してしまうであろう。
オケのテクニックは云うに及ばず、トスカニーニ流のカンタービレが終始物を云っており、弱音から強奏まで注意が行き届いて弛緩するところがない。
トスカニーニ晩年の美質が全開といった演奏と言えるかもしれない。

七味所有のCDは、97年に出たトスカニーニ・ベストセレクション(全30タイトル)という1000円シリーズのなかの1枚。聴く分には全く不満ないです。翌98年にはエッセンシャルセレクションとして20タイトルが追加された。オリジナルジャケ仕様で1000円はかなり話題になったように記憶している。
ベトやブラは一通り揃えたものの、今、タイトルを見るとドビュッシーやワーグナーやヴェルディのオペラなど魅力的に思える。
あの当時、もう少し気合を入れて揃えれば良かったと後悔しきり。

今週末は車検。最近エンジンの掛かりが悪くなっていたけれど車検時までは大丈夫だろうとタカを括っていたが、今日出掛ける段になって、昇天。急ぎ妻のクルマとケーブルをつないで充電、GSへ直行。結構な出費に妻はオカンムリのご様子。まあ、車検で替えるか今替えるかの違いだけれども。
いま乗っているスバルもこの車検を通したら次回は乗り換えかな~。

BMG BVCC-9929







2017年9月17日日曜日

Duruflé, Prêtre / パリ音楽院O. Saint-Saëns Sym.3 avec orgue

今日は上越交響楽団の定期演奏会に行ってきた。
生憎の雨のせいか、お客さんは5割程度の入りぐらい。

メインはサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」。実演を聴くのは初めて。
オルガンは電子オルガンで代用。アマ・オケゆえレベル云々は言うまい。
電子オルガン付き(笑)はやっぱり量感が足りない。オケの音をかき消し、ホールを満たすくらいの音量、バランスが好み。綺麗な出音だったけれども。
サン=サーンスのオルガン付きは以前にもこちらで取り上げた。この曲の肝は華麗さと下品さの両立という持論は今も変わらない。実演に接してみて、この曲ってホント、華麗に響くように書かれているなあと思った次第。

で、帰宅して早速に復習。デュリュフレのオルガン、プレートル/パリ音楽院管弦楽団による演奏。
63年、EMI。
この録音はデュリュフレがオルガニストを務めていたサンテティエンヌ=デュ=モン教会で行われている。
潤いのない音のせいかザラリとした肌触りが際立つ演奏。アンサンブルも粗く雑な感じがしないでもないが、華麗というよりは剛毅。ちょっと毛色の変わったオルガン付き、として偶に取り出して聴くことが多い。

EMI TOCE-55445

持って帰って下さい。

台風が来ていますが、予報を見ると新潟県は不思議と雨が降らないことになっている。それでも朝から風が強い。今日は町内の運動会。去年まで子供会と町内会の役員という事で出ずっぱりだったが今年はお役御免。この風では、屋外での開催は無理かも。

台風の思い出を一つ。
以前、出張で大分の別府に行った時のこと。先方の都合(すっぽかされた!)で会合が流れてしまい、そのことを上司に報告すると、高い出張費が掛かっているのだから何とか先方とコンタクトを取ってこい、とのこと。仕方無くそのまま別府に一泊。何とか翌日の午前中に電話で先方と連絡が取れた。先方担当者の身内が急な手術でお休みを頂いたらしい。上司は七味のアポイントメントのミス(要は日時の間違いですな)を疑っていたフシがある。
と、ここまではまあ、良いのだが、それからが大変。
台風が九州に上陸、北上しているという。慌てて駅に向かったものの、特急は遅延と間引き運転。駅は大混雑。かろうじて乗れた特急も乗車率がハンパない。通路にもギュウギュウで全く身動きが取れない状況で、気分の悪くなる人まで出る始末。徐行運転なので時間も倍ほどかかって小倉に到着。それでも自分が乗った特急の後は結局運休になったようなのでラッキーだったのかも。
そうそう、小倉の駅では美川憲一のそっくりさんを目撃。多分、別府でのショーが中止になって戻ってきたのだろう。ぐったりした乗客の中でひときわ異彩を放っていたっけ。

先日、秘密のケンミンショーを見ていたら、海なし県の方がインタビューで、「海の砂はそこいらの砂と違うので、持って帰る。」と言っていた。
そんなことの前に、ゴミをちゃんと持って帰って欲しいものだ、と思った。

今日は午後からアマチュア・オケの演奏会に行ってくる。
メインはサン・サーンスの3番。会場のホールにオルガンはないので、電子オルガンでやるのだろう。
楽しみ。

2017年9月10日日曜日

Bolero etc. Ozawa / BSO.

小澤/ボストンSO.のダフニス全曲が思いのほか良い演奏だったので、ラヴェルの他の管弦楽曲を是非とも聴いてみたかった。少し前に、たまたま寄ったBOで安く手に入れることが出来た。
買ったのは国内廉価盤シリーズの1枚。ボレロ、道化師、ラ・ヴァルスにスペイン狂詩曲。あと亡き王女と高雅にして感傷的なワルツは収録されている。

ただ、これがちょっと物足りない感じで期待はずれ。
ダフニスがこの曲が持つ高揚感と小澤の思い切りの良さが上手く相互に作用してトリハダものの素晴らしい演奏だったので期待していたのに。
全体的にもう一歩踏み込めていない。枠の中で音楽を整えているだけの大人しい演奏に終始している。合わせてリズム全般が軽い。呼吸が浅いといってもいいかもしれない。なのでテンポは速めだが、速いというよりはセカセカしている印象。若さゆえの過ちなのか?
もしかしたら録音によるのか。マルチマイクによる録音は録りかたによっては個々の楽器は明瞭だけれども、時にマスの響きが平板に聴こえることがあるがそれなのか?

良ければLPも買って聴いてみようと思ってただけに残念。

今日は山麓線沿いに新しく出来たTUTAYA書店に行ってきた。タリーズの上越初出店もさることながら、書籍や文房具に音楽ソフト、ゲーム。それに画材も。さらには中古LPにレコードプレーヤーの取り扱いも。あと、美容家電(!)まで。昨今の書店は書籍や音楽ソフトだけではやっていけないのだろう。書籍(雑誌)とそれに関連する商品も合わせて売ろう、ということなのだろう。それにしても売り場が広すぎるのと取り扱い商品が多いこともあって、店内で迷ってしまうな。

あと、今盛んにCMが流れているディアゴのビートルズのLP。TUTAYAでもION AUDIOのプレーヤーで回されていた。見るとでっかいキズが入っていて途中からリピート。お客がぶつかってしまうのだろう。LP、ちょっと気になるところではある。でもやっぱり買わんか!

DG UCCG-5037

2017年9月9日土曜日

RVW Violin Sonata    NFL開幕!

9月に入って、秋の気配どころかすっかり秋の様相。涼しいを通り越して朝晩は寒いくらい。
例年であればまだまだ残暑の厳しい頃だろうに。もう、なんか夏、終わっちゃったな・・・。

仕事はといえば、なかなか成果が上がらない夏であった。夏になる前の忙しさがウソのよう。それでもこなさなければならない業務、例えば部署間の調整のような働いても収益に直結しない仕事で心身ともに消耗。ヘトヘト。

この夏、2枚のRVWの室内楽のCDを買った。yosさんがブログでRVWの幻想的五重奏曲を紹介されていて俄然聴いてみたくなった。RVW好きを自認する七味であるが、普段聴くのは交響曲や声楽を含む曲ばかり。室内楽は眼中になかった。
RVW、室内楽もやっぱりイイ。
HMVのRVWの詳細作品リストで検索すると室内楽は17曲あるらしい。合唱曲が122、声楽曲が96と声ものが圧倒的に多いRVWである。

室内楽は成立年代がおよそ大きく2つに分かれるようで、ざっくりと初期(1900年前後~12年)と後期(1940年以降)に分けられそうだ。幻想的五重奏曲は初期の後半、1912年に成立したようだ。
初期の室内楽は聴いた限りではイギリス各地の民謡に題材をとっているようで、懐かしい感じ。とても、とは言えないまでも聴きやすい。それでも初期の後半、1910年を過ぎると交響曲では2番が成立する手前くらいで、作曲技法もRVWらしさ全開。シンコペーションを多用したモダンなスタイルが聴かれる。
なかでも、バイオリン・ソナタが良かった。
冒頭の主題からグイッと襟首をつかまれるように引き込まれる。
54年にBBCで作曲者の82歳の誕生日に放送されたのが初演のよう。その後、55年にアメリカでシゲティによって演奏会で初演がなされた、とライナーには書いてあるようだ。音源があればちょっと聴いてみたい。ちょうど交響曲第8番と同じ時期の作曲でもあり、全体に瞑想的、思索的な内容となっている。終楽章の変奏は聴きごたえ十分。
演奏はヒュー・ビーンのバイオリン、ディヴィッド・パークハウスのピアノ。73年の録音。

さて、いよいよNFL開幕、である。
昨シーズンはAFCのニューイングランドが奇跡的大逆転でSBを制覇した。
今シーズンはどこがSBに進出するのだろうか?NFCはやっぱりシアトル希望。AFCはオークランドか?しかしニューイングランドに今年も死角はなさそうで、連覇もありうる?
いずれにしてもまたまた寝不足必至ではある。

EMI CDM 5 65100 2

EMI CDM 5 65100 2

NAXOS 8.573191




2017年9月3日日曜日

富山にて Weber,Hindemith,Zemlinsky

今日、七味はうな君のお誘いを受けて富山へ。
桐朋アカデミー・オーケストラの特別演奏会に行ってきた。オーバード・ホール初見参であった。
指揮はクリスティアン・アルミンク。他、コンマスに白井圭、チェロにNYPの工藤すみれ、フルートに新日本フィルの白尾彰、ティンパニに同じく近藤高顯が講師陣として参加。

プログラムは、ウェーバーの劇付随音楽「トゥーランドット」より序曲、ヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容。メインはツェムリンスキーの交響詩「人魚姫」というかなり意欲的なプログラム。まさか、人魚姫がナマで聴ける日が来ようとは思わなかった。
ウェーバーからヒンデミットはトゥーランドット繋がりで、ヒンデミットとツェムリンスキーはアメリカ亡命、退廃音楽繋がりということのよう。また、独墺圏外の戯曲や物語をテーマにした音楽でもあるな。
ウェーバーは全くの初聴きだったので、youtubeで前夜に予習した。ヒンデミットとツェムリンスキーは前にCDでかなり聴き込んではいたが、ここ数年はほとんど聴く機会ナシ。

1時に会場に着くと、すでに並んでいる人が。自分たちが並んだあとに続々とお客さんが列をなしていった。最終的にはホールはほぼ満員に。

太鼓に乗ってエキゾチックなピッコロの音が響き、しばし後、弦楽器の加わる。
アレ?驚くほど音が前に出てこない。どうしたことか?
ウェーバーが終わって、うな君に聴くといつもこんな感じだとのこと。中央前から12,3列の左端でこの音はちょっと残念。ステージ上に音が塊となっていて、前方に飛んでこないんではお話にならない気がする。他の席はどうなのだろう?

ツェムリンスキーは15年振りくらいに聴いた感じだが、リヒャルト・シュトラウスっぽいなぁ~、と。
まあ、仕方あるまい。以前にシマノフスキやリャードフを聴いたときにもリヒャルトの影響、というかオーケストレーションそのまんまだったし。やっぱり影響大きかったのね。
Wikiで調べるとマーラーの10歳ほど年下。年上だとばかり思ってた。アメリカに亡命・移住していたとは知らなかった。

オケ、指揮者ともに大健闘、と思う。ヒンデミットは特にトゥーランドット・スケルツォなんかはちょっとしたオケコンだし、かなり難易度高い曲とみているが、崩れも見せず。普段聴いているCDと比べてはいけない。十分に楽しめた。
人魚姫も複雑難解な曲をよく纏めていたと思う。
残念だったのは、曲が静かに終わるやいなや拍手が起きたこと。指揮者のアルミンクもあまりのことに驚き、笑っていた。いや笑って誤魔化すしかあるまい。顔は笑っていても心中穏やかではあるまい。なんせ、音楽ブチ壊しだもん。
ある程度は曲の感じから拍手のタイミングくらいは察せられるように思うのだがどうしたのか?
あと、袋のシャカシャカ音が何故か決まって弱音部になると聞こえた(笑)。咳や赤ちゃんの泣き声なんかは生理現象なので一向構わないが、シャカシャカ音はさせないようにすることはできるハズ。ホント止めて欲しい。

うな君には駅までのお迎えからとてもお世話になった。北海道の土産(ホントはジンギスカンが良かった(笑))まで頂いて、この場を借りて感謝。


2017年9月2日土曜日

W.Furtwängler WPh. "Unfinished" (Rec.1950)

何気に、ベートーヴェンの交響曲を聴こうと思って、箱を漁っていると、フルトヴェングラーの”運命”54年盤が出てきた。カップリングは”未完成”。すっかり忘れてた。フルトヴェングラーの”未完成”は持っていないとばかり思ってたもんで、めっけもん。アレ、こんなのがあったんだ~、と思いながらCDPのトレイに載せた。
出てきた音はもちろんモノラルで、ノイズも多め。ゴーストも聴かれる。テープの保存状態はあまりよくない様子。でもとっても良い。
”未完成”という曲に形があるなら、正にピッタリと一分の隙もなく嵌っている、そんな感じ。ここぞというところでのタメが効果絶大なれど全体には抑制の効いた演奏で結構おとなしい。それでもクールというわけではなく、熱を持ちながらもそれをグッと抑えている。
幾つか残されているフルトヴェングラーの”未完成”の中で、唯一のスタジオ録音らしい。
そんなこともあって、あんまり評判は宜しくないようだ。七味はコレしか持ってないのでコメントのしようもないが、これはコレで良いように感じる。
ライブでは燃えて、スタジオでは燃えなかったとよく言われるが、燃える燃えないというハナシではなくて歴史に残す(残る)ように、演奏したかどうか?ではないかとチョット思った。
そんなわけで、フルトヴェングラーの個性よりは”未完成”の曲の美しさが勝った演奏、と思う。

普段、フルトヴェングラーの演奏を聴くことはほとんどない七味。
多分、このブログでフルトヴェングラーのディスクを取り上げるのは初だと思う。
この54年の”運命”と50年の”未完成”のCDも買ったとき聴いたっきりですっかり忘れている始末。
同曲異演が多く残されているのは構わないのだが、さらにその上の異演のリマスタリング違いなぞは、すべてをコンプリートするほどの経済的余裕も興味もない。
何年の何処何処のリマスタリングが至高、なんて文言をネットの掲示板などで見かけるが、いくつもの同曲異演盤のマスタリング違いを聴いてその違いが判って、さらに優劣をつけられることに素直に感心してしまう。
七味なんぞはそこまで違いが判らないから、ただただ音源が残っていることに感謝して聴くばかりである。

さて、ここまで紹介していないものも含めて10数種類の”未完成”を聴いてきた。コレがベスト!と言えるほどには今だこの曲がわからないけれど、曲のスタイル、音の数が少ないこともあって、古い録音の方が七味にはしっくりくることが多かった。細部まで露わにするような最近の録音では響きが生々し過ぎるように感じた。響きをマスで捉える傾向の録音の方がこの曲には合っているように思った次第。

EMI TOCE14034