2018年11月25日日曜日

Karajan / BPh. AB4 (70s, EMI) アナログは楽し

連休最終日。久しぶりにレコードを聴く。
何にしようか?迷った末、カラヤン/ベルリン・フィルのブルックナーにした。
このLP、国内盤で7番との2枚組。カラヤンのブルックナーはDG盤の全集をCDで持っているが、70年の録音も聴いてみたくて中古のLPを買ったのは去年だったか。

買ってすぐに聴いてみたものの、あんまり上手く再生できなかった。レンジは広い感じだが何だかモヤモヤとした芯のない音で低域モリモリの高域がキツめの録音。音の傾向は後年のチャイコフスキーと似ている。
ホール(ここではイエス・キリスト教会)の響きを捉えた録音なのだろうが、そこが再生を難しくしている。
我が家のエース・カートリッジ、オルトフォンMC☆20wでも心地よく鳴ってくれない。
なにせ、プレーヤーも半年くらい動かしていないものだから仕方ないか、と思ったもののここから俄然やる気に火がついた。
プレーヤーの水平を確認。これは良し。
次いで針先の掃除。ハズキルーペ、だ~い好き!&ルーペで確認。わずかなホコリも見逃さない。
針を降ろしてみた。が、まだまだヒドイ音。

では、とカートリッジをデマグネタイズ。幾分チリつき感は減った。それでもまだまだっ!とばかりにもう一度入念に盤面をクリーニング。
これでようやく聴ける音になったか。それでもなんだか針が盤の上で滑るような座りの悪さが気になる。
針圧を0.2g印加し2.5gにしてみるとようやく落ち着いた音になった。トーンコントロールで少し低音を絞ってようやく何とか聴けるようになった。ここまで2時間半ほど。7番を聴く元気はもう無い。最後にDL-103で聴いてみると、何だかオルトフォンよりも相性好さげな音だった。年代的にも合うのかな?

それにしてもこのLPは盤質がよろしくないな。絶えずチリチリ、シュワシュワとノイズがある。
70年代初頭のEMI録音は全体にゴージャスでギャラントな傾向が強い。DGとの差別化というのもあるかもしれないが、当時のカラヤンの権勢をそのまま音にしたようで好きだ。ただちょっとやりすぎな感じは否めない。ブルックナーの音楽にしては乱暴に過ぎると思う。でもこんな音楽ができるのはカラヤンだけだ。
結論、こういった録音はCDで聴くのがよろしい。
とはいえ、レコードはちょっとしたことで出音が変わって来るのが楽しいし、イイね。面倒だけどネ。

さて連休も終わり。今週もがんばっていきましょう。

東芝EMI EAC-47059~60



2018年11月24日土曜日

ヒコックスと ヴァーノン・ハンドリー 今年で没後10年

numabeさんのブログに英国の指揮者リチャード・ヒコックスが逝って10年という記事があった。
そうか、もうそんなになるのか・・・と感慨深いものがある。
昨日、11月23日はヒコックスの命日であった。この年、9月11日には同じ英国の指揮者、ヴァーノン・ハンドリーも亡くなり、しばらくの間、深く深く悲しみに暮れ、その悲しみがようやく癒えてきたと思ったのもつかの間、今度はヒコックスの訃報。あの時はただただ悲しみの癒えるのを待つしかなかった。
あれからもう10年が経ったのか。
10年前、いや15年くらい、もっと前だろうか。あの頃は新潟にまだHMVの実店舗があって、七味もいそいそと出掛けてはあれこれとCDを買ったものだった。ネットでCDを買うようになるのはもう少し先の話。
スーパーやホームセンターのCDコーナーに置かれて、イマイチ怪しいCDレーベルと思われていたナクソスがクラシック音楽の愛好家にも認知されるようになって円高もあって輸入盤が随分買いやすかった。輸入盤にもランクがあって、フルプライスが2800円~2500円くらい?ミドルプライスが2200円前後、バジェットプライスが1500円~1200円くらいだったか?
その中でシャンドスはランクとしてはフルプライス。ちょっと手が出せなかった。

ヒコックスは90年代、そのシャンドスに多くのイギリス音楽を録音した。80年代看板だったブライデン・トムソン亡きあとイギリス音楽部門を文字通り背負って立つ存在であった。
初めて手にしたのはアーノルドの交響曲のCD。アーノルドの交響曲をまとまった形で聴ける喜び。演奏も大らかな中にしっかりシリアスさや諧謔味が両立し細部の彫琢も見事な演奏だった。
全集になるとばかり思っていたが、途中でどういう事情かは分からないがガンバ/BBCフィルに組み合わせが変わってしまいガッカリしたものだ。

ハンドリーを最初に聴いたのはRVWの交響曲第6番&第9番のCDだった。あの経験は今でもまざまざと記憶している。このディスクに出会っていなかったら・・・、そんなディスクの一つ。
あの時のぶちのめされようは今でも鮮明に覚えている。忘れられるわけがない。

2008年にはリーマンショックもあって、その後CDは売れなくなってしまった。旺盛なリリースを続けていたシャンドスも端から見る限り、じり貧なのは否めない。EMIに至ってはワーナーに吸収され事実上の消滅。
没後10年のこの二人。二人の死後、イギリス音楽のリリースも見る影もない。
何か新たな録音が見つかって発売されるとか、まとまったBOXセットが出される、なんてニュースがないのは、ファンにとって寂しい限りである。
忘れられてしまうにはまこと惜しい二人である。

CHANDOS CHAN 9290



2018年11月23日金曜日

電源タップと座布団、そしてガバガバ

木曜日は職場の部署を横断しての飲み会。うちの会社ではこういった飲み会は少ない。何だか楽しそうだったので参加してみたが、普段あんまり話す機会のない職員といろんな話が出来た。とは言っても子育てや健康のことばっかりだけど。それでもやっぱり楽しかった。
ただ、帰るのには苦労した。代行がつかまらず帰宅は11時過ぎ。今日は昼前まで布団から出られなかった。上越高田も霙が降った。寒い。

先週、これまで使っていたオヤイデの電源タップからCLASSIC PROの電源タップPDS8に変えた。
というのも、なんとなく高音域が歪っぽくヒリヒリする(特に右側SP)のが気になっていた。バークレイⅡが原因ではないかと気になり、左右のSPを入れ替えてみたが、やっぱり右側に置いた元左側のSPからもヒリヒリした感じの音が聴こえてくる。
接続をチェックしてみると、なんと、デジタルアンプ側の右チャンネルのRCAピンがガバガバに緩んでいるではないか。
コレクトチャック式なのに目一杯締め付けてもユルユル。スポっと抜けてしまう。ヒリヒリノイジーな原因はコレか?
カバーを外して周りのリングを少しペンチで潰して再接続。
するとしっかりとかみ合う。今度は引っ張っても抜けない。音もノイジーさは後退したような印象。
それでも前ほどではないにしてもまだヒリヒリするような感じがあるし、もしかしたら七味の耳の問題なのかもしれないワ。

電源タップはこれも少し静かになったかな?くらいの変化でしかない。交換した最初は何だか元気モリモリな音にビビったが、時間が経つにつれて落ち着いてきた。

もう一つ。SPケーブルに座布団の上に座っていただいた。軟い床ゆえ結構振動している我が家のリスニングルーム。
使っているVVFケーブルは銅の単線でケースも硬い。これが触ってみると結構な振動なんである。
床の振動を拾っている。そこで100均に売っていた卓袱台の足に敷く座布団のちっちゃいの(座卓用小座布団)を引きまわしてあるケーブルが立ち上がる場所に敷いた。
全体を浮かせられれば良いのだろうが、生活動線もあるしちょっと無理。少しでも振動を減衰できれば良いなあ、くらいの気持ちで置いてみた。
七味的にはコレが結構当たり。床からSPのターミナルに立ち上がっているケーブルを触ってみると、以前よりは確かに振動が少ない。
音も随分と細部が聴き取れるような変化が感じられる。もう少し振動を減衰できないものか?
よく生ものを買うとついてくる保冷剤が良さそうに思える。このお休みに試してみよう。

パーカッショニスト、辻コースケのソロアルバム”enda safari”
辻コースケはこの夏観た”GOMA & The Jungle Rythm Section”のメンバーでもある。
ダビングなしの一発録音。ジャンベとコンガ。強烈なビートとリズム。ゲストにGOMAとGONTITIを迎えたセッションは圧巻、なのだが連打音が何だか団子状態で楽しめなかった。
それが、いくつか対策したことで随分と細部まで見通し良く鳴るようになった。
まだまだ手を加えたいところ多々あれど、時間と先立つものがない。困った。

アンプは先日ようやく工房からメールが届き、ランプに関しては解決。音量の左右差についてはこれからのようだ。ここは気長に待ちたい。
それから今日、プリのパネルランプがすべて消えてしまった。マッキントッシュは顔が命、なところもあって、しかもフロントパネルの表示のほとんどがランプ。消灯は困ったがこれもいつか修理したい。自分でできれば良いがコレも無理だ。

basis record bss013





2018年11月18日日曜日

Beecham / RPO Grieg Peer Gynt etc.

11月も中旬になると、当地では冬モード。街の紅葉もすでに枯葉。
職場は暖房が効いているので半袖のユニフォームで過ごせるが我が家ではタートルネックが手放せない。ファンヒーターもつけているにはつけているが、やはり石油製品の値上がりに省エネモード。厚着で凌いでいる。それでも今日はやや暖かいか。
このところ、業務が多忙で疲労困憊の七味。オーディオも音楽もあまり気乗りせず、家に帰ってからもぼんやりと動画などを眺めている。
そんな中、moleさん紹介のクラシック・プロの電源タップを注文。翌日となる今朝には届き、早速取り付けてみた。感想はまた後ほど。

さて、ビーチャムのペール・ギュント他。先日の横浜買い出しで入手したもの。
去年あたりからグリーグの音楽を少し齧り始めた。これまでグリーグを聴いて来なかったのには訳がある。
というのも、小学生のころから高校生くらいまで使っていた目覚まし時計、その目覚ましの音(音楽)がペール・ギュントの”朝の歌”。もちろんチープな電子音で。目覚まし時計が故障するまで15年近く、この音楽で起こされ続けて食傷気味に。それ以来グリーグはちょっと苦手だった。

まだ聴いたことはないのだが、ペール・ギュント本命はバルビローリ/ハレ管のPYE盤。これを探しているのだが中々入手できずにいる。そうこうしているうちに数種類が集まった。
バルビローリのPYE盤、レ―ベルはPYE(NIXA)ながら録音はマーキュリー。過去にテイチクからチャイコのシンフォニーのフィルアップでCD化されていたが現在は廃盤。マーキュリーレーベルでもCD化はされなかったようだ。因みにマーキュリーの初発LPはモノラルらしく、PYEでようやくステレオリリースだったらしいのだが詳細は不明。なんとかPYE盤のLPで手に入れたいと願っているが、これもまた入手難。2度ほどショップのリストに挙がっていたので注文したが既に売約済みだった。結構な人気のようだ。
バルビローリには晩年、EMIに録音したものもあり、ちょっと紛らわしい。

話がそれたが、ビーチャムのペール・ギュントは聴かせてくれる演奏だ。
ロイヤル・フィルはビーチャムが莫大な私財を投じて腕っこきをスカウトして創設したオーケストラの一つ。それを自在に操ってみせる偉大なるアマチュア、ビーチャム翁が楽しそうに指揮している姿が目に浮かぶ。
録音の詳細なデータは記載されていないのだが、50年代後半アビーロードでのセッション録音。
この頃のEMIらしい、やや寒色系の音。混濁気味なのは年代を考えれば仕方ないか。それでもスタジオの深々とした響きをよく捉えているように思う。
ペール・ギュントも良かったが、初めて聴いた”4つの交響的舞曲 第2番”がなかなかの佳曲だった。

3週間ほど前に愛用の老眼鏡が壊れた。乱視もある七味。100均で売っているようなものではダメで随分と不便をかこっている。先日眼科を受診し処方箋を書いてもらい眼鏡屋さんへ。遠近両用の何だか合わない感じもするのでいっそのこと2本作ることにした。
合わない眼鏡のせいか、随分目が疲れる。

TOCE 11109


2018年11月10日土曜日

ボヘミア狂詩曲

昨日は映画「ボヘミアンラプソディー」の公開初日。随分と前からYouTubeなどでも予告編が流れていて、楽しみにしていた。
仕事帰りに最寄りの映画館で観てきた。
伝説のロックバンド”クィーン”のボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記的映画。随所にクィーンの名曲が散りばめられていて、観ながら思わず口ずさんでしまう。
フレディのアイデンティティに対する苦悩がよく描かれていたと思う。終盤のウェンブリーでのライブエイドのステージは圧巻、ただただ、滂沱。


フレディ役のラミ・マレックのみせる表情や仕草が時折ゾクっと来るぐらいフレディに似ていた。

ウェンブリーでのライブエイドはこちらの動画


さて、ラプソディは”狂詩曲”と訳されるが、クラシックにはラプソディが目白押し。
七味的にはエネスコのルーマニア狂詩曲第1番が一番好きかな。あとヤナーチェクの狂詩曲「タラス・ブーリバ」も。




2018年11月4日日曜日

Szell/CLE LvB Sym.1

今日は一日、休養に充てることにして、どこにも出掛けず昨日の疲れを癒すことにした。久しぶりに一日中音楽を聴いて過ごした。
買ってきたCDのチェックも兼ねてザックリ通して聴いている。まだ全部を聴いたわけではないがこれまでのところは不良もなく聴けている。

セルのベートーヴェンはバラでCDを集めていたが1番だけが欠けていた。ずぅーっと1番だけ無かったので、全集セットにも手を出さずに来ていたがコレでコンプリートと相成った。
コレが買えただけでも横浜に行って良かった。
こういうバラで集めているものはメモをしておかないと買い出しに出た時に持っていたかどうか怪しくなって重複を避けるため結局、買わず仕舞いに終わることが多い。
今回コンプリートを目指したカラヤン80’sのベト3(できれば初発盤)は入手できず。

セルのベト1、これが滅法良い演奏。録音も全集のなかでも良い部類と思う。
実に知情意のバランスが良い。
セル/CLEのディスクと云えば録音の悪さがよく言われるケド、そんなに悪いかね。その年代でこの録音の水準は十分だと思う。録音が残っただけ儲けものじゃない?
セルとクリーヴランドと云えば”鉄壁のアンサンブル”が代名詞だが、時折さらに次元高く突き抜けた弩級の演奏をすることがある。七味的にはこの1番もそんな演奏の一つ。
やっぱりセル/CLEは七味にとって永遠にマイ・ヒーローであり続ける。

SONY CLASSICAL CSCR 8187

ようやく5枚が揃いました

2018年11月3日土曜日

もうこりごり ヨコハマ(CD)買い出し日記 Szell/CLE GM4

今日は娘が東京の専門学校の学園祭に行きたいというので、一緒に東京までついていった。
ついていったtろいっても東京駅まで、七味は横浜へ娘は新宿・下北沢までそれぞれに用を足しに。帰りの新幹線を決めておいて新幹線のホームで待ち合わせすることにして七味は横浜まで。

今回は間もなく閉店するレコファン横浜西口店に。2月に行ったもののその時は出張の合間だったこともあってじっくりと品定め、というわけにはいかなかった。
また行ってみたいと思っていた矢先、閉店を知り残念に思っていた。
店内はかなり広く、オールジャンル揃っていてクラシックのディスクもCD・LPともに結構な品揃え。会計の時に店員さんに、この後どうするのか聞いてみたが、現在移転先を探している最中という事だった。閉店、といっても入っているダイエー西口店の閉鎖に伴うものなのだそう。ただ、この後これだけのフロアーを確保するのは難しいのではないかと思う。

閉店セールで380円以上(だったか?)の商品で200円引きだったので11タイトルほど購入した。2200円の値引きで7500円ほどだった。
アメリングのシューベルト歌曲集2000円が実質タダとなった?(かなり都合の良い解釈)
その足で新宿ユニオンへ。紀伊国屋書店の8階に移転していたとは知らなかった。
そこではマーキュリー録音を中心に5点ほど購入。
収獲はまずまず満足の行くもの。

今朝は行きの新幹線がメチャ混み。最寄りの上越妙高駅ですでに立ち。こんなことは初めて。結局終点の東京まで立つ羽目に。
そして帰りに事件が。
無事に新幹線のホームで娘と合流出来たが、娘は腹が痛いとホーム下のトイレに。だが待てど暮らせど帰ってこない。列車のドアが開く直前になってやってきた。
どうやら、戻る方向を間違えて自由席の方ではなく指定席の方向(要はホームの反対側)に行っていたらしい。さっきまでいた場所を忘れるとは・・・
再度合流し、列車に乗り込み無事発車。すると娘が今度は切符が無いと騒ぎだした。
鞄をひっくり返してみても見つからない。入場はできたのだから失くしたとしたら改札かホームか。
車掌さんに声を掛けようにも通路にまで乗客がいる混みようで乗務員室まで行くことができない。
高崎を過ぎ、ようやく空いてきたので乗務員室まで行って車掌さんに状況を説明すると、誠に親身で丁寧な対応をしていただいた。
東京駅にも問い合わせしてくれたようだが、届けられてはいないとのこと。
最後に「降りる上越妙高駅までにもう一度探してみてください」と言われたので、もう一度探してみた。すると出てきた!
切符を入れていたポーチの内ポケットが袋状になっていてその裏側にあって無事に事なきを得た。
先ほど、JR東日本にお礼のメールをさせて頂いた。
しかし娘よ、なんとボーッと生きていることか?
娘との旅行は当分遠慮したい気分だ。父は。

さて、今日ゲットしたCDから。
セル/CLEのマーラーの4番。ついつい買いそびれてきてしまったが、先日のテレビでパーヴォ・ヤルヴィがこの演奏に感銘を受けたと言っていたのが気になって購入した。
もともとロマンティックな曲だが、セルの指揮もなかなかにロマンティック。とはいえバーンスタインのように溺れるようなところは微塵もなく、一本ビシッと筋の通った端正な演奏はセルならでは。かと思う。録音も60年代にしてはかなり良いと思うのだが。

SBK 46535

以下は、今日購入したディスク。