2018年11月24日土曜日

ヒコックスと ヴァーノン・ハンドリー 今年で没後10年

numabeさんのブログに英国の指揮者リチャード・ヒコックスが逝って10年という記事があった。
そうか、もうそんなになるのか・・・と感慨深いものがある。
昨日、11月23日はヒコックスの命日であった。この年、9月11日には同じ英国の指揮者、ヴァーノン・ハンドリーも亡くなり、しばらくの間、深く深く悲しみに暮れ、その悲しみがようやく癒えてきたと思ったのもつかの間、今度はヒコックスの訃報。あの時はただただ悲しみの癒えるのを待つしかなかった。
あれからもう10年が経ったのか。
10年前、いや15年くらい、もっと前だろうか。あの頃は新潟にまだHMVの実店舗があって、七味もいそいそと出掛けてはあれこれとCDを買ったものだった。ネットでCDを買うようになるのはもう少し先の話。
スーパーやホームセンターのCDコーナーに置かれて、イマイチ怪しいCDレーベルと思われていたナクソスがクラシック音楽の愛好家にも認知されるようになって円高もあって輸入盤が随分買いやすかった。輸入盤にもランクがあって、フルプライスが2800円~2500円くらい?ミドルプライスが2200円前後、バジェットプライスが1500円~1200円くらいだったか?
その中でシャンドスはランクとしてはフルプライス。ちょっと手が出せなかった。

ヒコックスは90年代、そのシャンドスに多くのイギリス音楽を録音した。80年代看板だったブライデン・トムソン亡きあとイギリス音楽部門を文字通り背負って立つ存在であった。
初めて手にしたのはアーノルドの交響曲のCD。アーノルドの交響曲をまとまった形で聴ける喜び。演奏も大らかな中にしっかりシリアスさや諧謔味が両立し細部の彫琢も見事な演奏だった。
全集になるとばかり思っていたが、途中でどういう事情かは分からないがガンバ/BBCフィルに組み合わせが変わってしまいガッカリしたものだ。

ハンドリーを最初に聴いたのはRVWの交響曲第6番&第9番のCDだった。あの経験は今でもまざまざと記憶している。このディスクに出会っていなかったら・・・、そんなディスクの一つ。
あの時のぶちのめされようは今でも鮮明に覚えている。忘れられるわけがない。

2008年にはリーマンショックもあって、その後CDは売れなくなってしまった。旺盛なリリースを続けていたシャンドスも端から見る限り、じり貧なのは否めない。EMIに至ってはワーナーに吸収され事実上の消滅。
没後10年のこの二人。二人の死後、イギリス音楽のリリースも見る影もない。
何か新たな録音が見つかって発売されるとか、まとまったBOXセットが出される、なんてニュースがないのは、ファンにとって寂しい限りである。
忘れられてしまうにはまこと惜しい二人である。

CHANDOS CHAN 9290



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