手持ちの”未完成”を片っ端から聴こうとすると、探すのに苦労する。それでも探してみると出てくる出てくる。実は結構な種類の”未完成”を持っていることが判明。ほとんどが”未完成”がメインではないのですっかり忘れている。
昔、LPの頃は”未完成”は”運命”とカップリングされることが多かった。CD期になって、この組み合わせは少ない。ウチにある”未完成”の入ったCDで”運命”との組み合わせはブリュッヘン/18世紀O.のものだけ。それも”運命”だけでなくエグモントも入っている。
しかし、依然として”未完成”は何かと一緒に収録されることがほとんど。
同じシューベルトの交響曲とのカップリングであれば分類・収納にも都合が良いが、そうもいかないのが現状。
バーンスタインのDG盤はシューマンの”ライン”と。モントゥーのフィリップス盤は”英雄”と一緒だし、ベーム盤は”新世界より”と一緒だ。コリン・ディヴィスのヘンスラ―盤はブラ3と一緒、といった具合。なので、知らず知らずのうちに溜まってしまう。
さて、タイトルにあるようにコンセルトヘボウの演奏による”未完成”、メンゲルベルクにモントゥーそしてバーンスタインと3種持っているところに、最近アーノンクール盤が加わった。
最近、買ったディスクを含めて”未完成”は18種。その内、もっとも多いのはウィーンPO.で7種。次いで多いのがコンセルトへボウの4種となる。ウィーンPO.の演奏が多いのは、まあ当たり前か。
コンセルトへボウの”未完成”は5種あって、持っていないのはハイティンクだけ。別にコンセルトへボウの”未完成”のコンプリートを目指しているわけではないが、どんな演奏かチョットだけ興味の湧くところではある。
第1楽章
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第2楽章
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Total
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メンゲルベルク(40)
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11分00秒(NR)
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11分33秒
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22分33秒
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モントゥー(63)
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12分53秒 (R)
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12分07秒
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25分00秒
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バーンスタイン(87)
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13分43秒 (R)
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12分53秒
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26分36秒
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アーノンクール(92)
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14分56秒(R)
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11分27秒
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26分23秒
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ワルター/NYP(58)
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10分59秒 (NR)
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13分57秒
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24分56秒
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R:リピートあり NR:リピートなし
メンゲルベルクについてはこの前触れたが、調べてみると演奏所用時間が滅法短い。表にあるとおり、提示部をリピートしていないためである。参考までにワルター盤のデータを載せておく。この表はあくまでライナーノートの時間表記に依っているので実際の演奏時間と多少の誤差があることをお断りしておく。
モントゥーはリピートありで第1楽章12分台。これはもしかしたら最速かも?
冒頭、序奏を聴くと速いと思うが、曲が進むにつれて自分のイメージする音楽の運びとテンポの折り合いがついて落ち着いてくる感じがある。フレーズの終わり、音の終わりがスッと断ち切られるように響き、素っ気ない感じもあるにはあるが繰り返し聴くうちに何だか切ない気持ち(笑)になってくる。
バーンスタインは逆に濃いめの表情付けがピタリと決まっている。たっぷり歌う系だが、第1楽章の所用時間はリピートありで13分台、と15分台の演奏も多いなかで比較的速めの演奏。録音の良さもあって、結構好きな演奏ではある。
以前のブログにも少し書いたが、コンセルトへボウの魅力とは何か?
マーラーも指揮したというオケ。伝統も十分。世界のトップクラスに指折られるモダン・オケとして、いち早くピリオド・アプローチを取り入れ、アーノンクールとともに商業録音するあたりは、オランダという国の先進性が反映しているように思う。
バーンスタインのマーラーではアンサンブルの崩壊一歩手前のかなり踏み込んだ演奏もする。
よく地味といわれることもあるが、独墺系のオケにはない軽味ともいうようなしなやかさ、柔軟さ。そしてやっぱりホールの響き。そこから生まれる華やかな響き。
この辺りにヒントがありそう、ではある。が、いまひとつふたつ纏まりきらないあたりちょっと歯痒いな。
Philips PHCP-2032 |
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