2016年6月30日木曜日

こってり

ファンの方には申し訳ない話。読み飛ばしてください。聞き捨てならぬ、という方は是非コメントを(笑)

毎朝の通勤時、クルマの中ではFMを聴いていることが多い。通勤時間帯にはNHKFMではクラシック・カフェの再放送をやっている。今日はちょうどバレンボイム指揮のベートーヴェン交響曲第1番が流れた。正直、聴いていて閉口した。

かなりクドイ演奏。フレーズの一つ一つに細かに表情を付けているのだが、その意味が分からなかった。何を言いたいのだろう?
FMで、しかも運転しながらだし、あいにくの雨が屋根を叩く音がうるさかったんで良くは聴いていないところがあるにしても、大雑把で乱暴。低弦とティンパ二がやたらとうるさい。なんだかバカにされているようで不快だ。
朝からベト1を聴いて腹がくちくなる(満腹の意)経験は初めて。朝から大トロを食わされたような気分。

バレンボイム、やっぱり好きになれない。やっぱりフルトヴェングラーの模倣にしか聴こえない。バレンボイムでなければできない、という音楽ではないでしょう、コレは。

ちな、HMVのユーザーレヴューでSKBとのベートーヴェン全集は総レヴュー数19件のうち星3つ以下が6件で31%になる。なるほどね~。

2016年6月29日水曜日

K.Böhm / VPO AB4

相変わらず梅雨らしくない天気。かと思えば九州地方は連日の大雨。土砂災害まで起きている。

今日は比較的早く帰宅できた。昼間、娘の友人が遊びに来て、お土産に各種かまぼこを揚げた「すり身揚げ」というものを持ってきてくれた。とてもシブいお土産のチョイスでナイス。早速おいしく頂いた。というのもその友人、市内の有名かまぼこ店のお嬢さんだから。良い友達を持ったなあ、娘よ。

で、ベームのブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」である。これは説明などいらない名盤中の名盤であるからして何も書くことなぞないのだが、意外に再生が難しい部類のディスクに入るんじゃないだろうか。皆さんところではどうなのでしょうね。
やや円背のベーム翁が左人差し指を口元に当てている横顔のジャケット。バックはぼやけているがムジークフェラインザールだろうか。いや、違うか? でも、様になってるなぁ。73年の録音だから発売は74年か75年頃か。このジャケットはその後のベーム人気の大きな要因になったのではないかと推察する。ベーム人気をリアルでは知らない世代の七味もコロッといかされたクチ。
我が家ではこの盤は結構手強い。デッカのソフィエンザール録音特有のフォーカスされた楽器の音と豊かなホールトーンのバランスをとるのが難しいと感じている。
思ったほど低音域が伸びていないのも要因かと思うし、逆に中音域が厚いのかもしれない。各楽器の音があんまり混じらずにそれぞれが鳴っていて、特にホルンが突出してちょっと浮いた感じに。なんというのだろう?ブレンド感がない音なのだ。決して優秀録音ではないとも感じるがベーム、ウィーン、デッカと3拍子揃ってしまっているが故、スルーできずにいるのも事実。聴いていてもなんだか一味が決定的に足りない思いがするのだ。今回も完敗である。

盤によっても違うのだろうか?あんまり盤の所為にするのは好きではないけれど、自分が所有するCDは国内セカンドかサード盤だろうかと思う。ロンドン・ベスト100の1枚。初期の西ドイツ盤なんかよさそうな気もするのだが。LP(国内盤)ではもう少しまともな音がするのだが。

LONDON F00L-23067

2016年6月26日日曜日

A.Grumiaux JSB Violin Sonatas

この週末は天気が良く蒸しもせず、心地よい風が吹いている。涼しいを通り越してちょっと寒いくらい。おかげでゆっくり過ごせている。昨日は音楽を聴きながらすっかり眠ってしまった。結構疲れていたみたい。

このところ、先週届いたグリュミオーのバッハのバイオリン・ソナタを繰り返し繰り返し聴いている。
バッハのバイオリン・ソナタは無伴奏ばかり聴いてきた。といってもそれほどディスクを持っているわけではない。グリュミオーとシェリングの2組。チェンバロ(ハープシコード)とのソナタはスターンのBOXにBVW1016,1020,1023の3曲があって、これはチェンバロではなくピアノとなのだが折に触れて聴いていた。BVW1020はカール・フィリップ・エマニュエルの作となっているのだけれど、七味には詳細が不明。そのときはあまりピンと来なかったが、moleさんのブログに触発されて今回の購入と相成った次第。
皆さんのブログを見ていて思うのは、まだまだ知らない曲がいっぱい、というもの。このところ、皆さんのブログで紹介された曲を買う、ということが多い。
moleさんのコレもそうだし、ヨシツグカさんのモーツァルトのセレナーデもそう。見聞が広がっておりますですよ。多謝!。

何を求めようかと思案するも予備知識もない七味。moleさん愛聴のシュナイダーハン盤、ラレード盤、スーク盤のいずれかを、とも思ったが、ここは2組の無伴奏のなかでも日頃よく聴いているグリュミオーなら耳に馴染みもあるし良いか、と思ってグリュミオー盤を買うこととした。
で、聴いた。もう、なんと云ってみようもない。ヒャー!!、美しすぎる~。美しすぎます。やられました。あんぐり、です。曲も美しいのでしょうがこの零れんばかりの美音。凛とした佇まい。やっぱりグリュミオーは凄い。アナログ録音最後期のフィリップス録音(78年と80年)ということもあってなんとも艶っぽい音です。

皆それぞれ美しい曲ではあるが、なかでもBWV1016の第3楽章に心とらえられてグッときた。終止がふんわり宙に漂い終わるあたり、トリハダ~。
あとは、続くBWV1017の第1楽章ラルゴ。シチリアーナ形式。しみじみ。マタイ受難曲のアリア「神よ 憐みたまえ」を想い起こさせる。
このディスクにはバイオリンと通奏低音のためのソナタBWV1023も収録されている。この曲はすでに持っていたバッハのコンピレーションアルバムにも収められていて、バロックバイオリンの枯れた味わいの音とオルガンの織り成す響きが良かったが、このグリュミオー盤はしなやかで艶やか。テンポも速いようで、一聴、全く別の曲かと勘違いするほど。こうしたアプローチはフツーなんだろうか?これもアリ、なんだろうけど今のところコレはちょっと馴染めていない。6つのソナタもバロックバイオリン盤を聴いてみたくなった。
スターン盤の3曲も改めて聴くといいなぁ~と思う。モノラル録音だけれどこれはまた音が凝集する感じがあってね。

こうしてバッハも聴くように(聴けるように)なった七味。マーラーをはじめとする近現代曲ばっかりを飽きもせず聴いていた20代の頃には考えられない。あの頃はバッハのバの字も知らなかった。まさかバッハが好きになるとはねぇ~。
タイムマシンがあればそのころの七味に「安心しろ。お前はちゃんとバッハを聴くように(聴けるように)なるから」と言ってあげたい(笑)。


DECCA 454 011-2









2016年6月24日金曜日

B&Bが待っている!

ようやくの週末。今日は月に1回の内科受診。採血に採尿、それに体重測定。何と体重が先月に比べて2.7kgの減!。夏バテはするけど夏ヤセもしていた七味。HbA1cも0.3ポイント下がっており、先生に褒められた。

今日は何っ処もよらずに真っすぐ帰宅。なんせB&Bが家で待っているからだ。決して「紅葉饅頭~!」ではない。イギリス名物のベッド&ブレックファストでもない。Beer&Bachである。今日はちょっと奮発してヱビスの#126デュアルスムースを買った。このところ我が家ではビールはお小遣いで買うことになっている。財布には苦しいが、おいしいビールを選べるから文句はない。内科受診を前にお酒を3日も控えていた七味には正に「干天の慈雨」。#126は苦みが少なく、うまみがより感じられた。沁みるーっっ!

さて、もう一つのBはバッハのB。昨日届いたグリュミオーのバイオリン・ソナタ全曲。DUOシリーズの1組。昨日から聴いておりますが、もうグリュミオーの力強い美音に完全にノックアウト状態。やられました。さすが。録音も78年・80年とアナログ最後期で完成度は高そう。全く文句のつけようがない気がする。初めて聴く曲ばかりではあるが、とっても良く歌っているのだろうと思う。
それにしても艶やか。髪の毛で云えばキューティクルが見えるような音。

イギリスのEU離脱は衝撃的だった。EUにいたほうが欧州での発言力は保てそうな気もするが、移民の問題などを考えるとそうもいかないのか。どうなる?

2016年6月23日木曜日

熱中しやすい七味と豚汁

いや~、ようやく梅雨らしい雨模様。梅雨はこうでなくては!
しかし、今日の職場はかなりキツかった。我が職場ではすでにエアコンの冷房への切り替えを済ませてあり天気を見ながらだが冷房が入る。今日は雨模様で窓が開けられないので冷房ONだったが、外気温のほうが冷房の設定温度を下回っていたため冷房が全く機能しなかった。もちろん窓は閉めてある。室内は異様な蒸し暑さに。尋常でない汗かき(多分、皆さんが想像するよりはるかに汗をかくのです)の七味。始業1時間でハンカチ2枚目に突入。髪の毛もびっちょり。汗をかいても蒸散しない。汗はべったりとかいたまま。気分が悪くなり、呼吸も苦しい。もうこれはちょっとした熱中症。慌てて身体の汗をぬぐい、保冷材で身体を冷やし着替えた。これで随分と楽にはなったが、疲労困憊、体力消耗。以前、真夏の善光寺でも同じようなことがあった。汗の蒸散がされないと熱中症になりやすいようだということが判明。
午後は雨も止んで窓を開けた。風が心地よかった。

そんなわけでかなり体力を消耗した七味。食欲もない感じ。こんなとき、我が地方では鯨汁を作って飲む。鯨のどの部分なんだろうか。多分、外皮だと思うが、ゴムシートのような黒い部分と脂の塩漬けを使う。これはそのままではかなり塩が強いので茹でて塩抜きして使う。あとは我が家では茄子とミョウガに玉ねぎを加えて味噌仕立てでアツアツのところを汗をかきかき頂く。鯨のちょっとクセのあるギトギトの脂が旨い!のだが、ちょっと臭い。妻と娘はこの匂いと脂が苦手。
で、タイトルにもあるように豚汁で代用となった次第。普段は豚細を使うが、今日は脂がメインなので三枚肉を多めに使って作った。あとは姫タケノコ(根曲がり筍)にツキコンを入れてさっぱりと仕上げた。これをどんぶりで。いや~、堪能しました。ちょっと元気回復。あと一日頑張れるな。

注文していたバッハのバイオリン曲2枚が到着。問い合わせメールの翌日、早速HMVから返事が。出荷作業に遅延が生じているんだとか。迅速な返信に恐れ入った。

断わっておくが七味の汗が豚汁、という話ではない。念のため。

2016年6月22日水曜日

夏バテはしても・・・ Reich Music for 18 Musicians 再び

九州の大雨の被害には心からお見舞い申し上げます。
しかし、梅雨入りしたというのに雨が降らない。もう暑くて暑くて。家に帰っても部屋は蒸し風呂状態。仕方なくエアコン解禁とした。特に今週はなんでか目が回るほど仕事が忙しい。もうヘトヘトのヘロヘロ。気が付けばもう水曜日。あと2日がキツイ。すっかり夏バテ状態。液体チックなものしか喉を通らない、は言い過ぎにしても食欲が湧かない。でも体重は減らない。夏バテはしても夏ヤセはしない、ということか。

そんなわけで、聴く音楽も軽くて涼し気で耳通りの良いものばかり。なかでも今週のパワープレイはスティーヴ・ライヒの18人の音楽家のための音楽。ECM。78年録音。
このディスクはなかなか再生が難しい。中~高音域にエネルギーが集中していて、それがほぼ全曲50分以上にわたって続く。そのため、帯域のバランスが悪いと耳が痛くなってしまう。好録音ではないけれど、各楽器の重なりをうまく表現できればとっても気持ちよくなるんではないかと思って再生にチャレンジしている。これまでも調整しては挑戦してきた。最初のころに比べれば随分マシになったが、なかなか気持ちよく聴けるまでには至らなかった。打楽器、特にマリンバにシロフォンの響きと声、クラリネットが重なると聴いていて耳の奥がくすぐったくなるのだが、不思議と気持ちよい感じに聴けている。多分、調整がうまくいっているのだろう。


              

2016年6月21日火曜日

雨の慕情ではないが・・・ 小ネタ集

梅雨入りしたというのに、雨がほとんど降らない。雨が降った時に合わせてブラームスのバイオリン・ソナタ「雨の歌」のネタを用意しているがボツ!

「雨、雨、降れ降れ、もっと降れ~~」とは八代亜紀の雨の慕情だが、こうも降らないとやっぱり不安だ。

先週、HMVに注文したグリュミオーのバッハのバイオリンソナタとイザベル・ファウストの同じくバッハの無伴奏のCD。ファウストの無伴奏が入荷に時間がかかるということに、注文してから気が付いた。出荷目安が8月中旬という表示。トホホ・・・。
と思っていたら、入荷したようで、出荷準備中の表示に変わった、のが6月の19日。今日21日の夜になってもその表示は変わらず、出荷される気配が一向にない。記憶ではこんなことは今までなかったのに、のに、のに。
勘ぐっちゃうと、ファウスト入荷してないんじゃないの~。キャンセルされないように(出荷準備中になるとキャンセルを受け付けない)出荷準備中って表示なんじゃないの~。どうなのよ~、と思いHMVにメールで問い合わせてみた最中。で、返事待ち。

宇野功芳の死去について、平林直哉は何か追悼の言葉を寄せているのかと思って、青弓社のHPを覗いてみた。HMVのHPにも載っている「盤鬼のつぶやき」は青弓社のHPが元ネタ。どうだろうと思ったが全然載ってなかった。しかし、「つぶやき」以外にも「バイオリニスト100」という新しい連載が始まっていた。何を今更~という方もいるかもしれない。名前すら聞いたことのないバイオリニストばかりだが、興味のある方は是非。
青弓社のHPはこちらをクリック。

以上、小ネタでした。

2016年6月18日土曜日

CDPが、実は欲しい。

梅雨入りしたというのにほとんど降雨無し。農業用水は94年以来の「番水」、とのこと。各地区への用水の振り分けを順番に行うのだとか。順番で、番水なのか。

実はCDプレーヤーが気になっている最近の七味。
現在使っているのはエソテリックのSA-10という代物。一応SACDプレーヤー。エソテリックのアニバーサリーモデル。かれこれ10年になろうか。購入当時は福島県の郡山に住んでいた七味。福島といえばコバケン。コバケンの演奏をSACDで聴きたくて、というのが大きな動機だったのだが、エクストンはじめ、SACDは尻すぼみ。今ではCDに比べて若干、音は良いかな?という感じでそれほど音質面の優位性はないと判断。ここ何年もSACDは買っていない。
最近は新マスタリング!とかSACD化とか全く関心がない。マスタリングを新たに行ったから、SACDになったからといって音が良くなる訳ではないと最近強く思う。丁寧に作ってあれば別なのだろうと思う。だけれどこのご時世コストも掛けれまい。
正直、HMVの一般レヴュアーの方でリマスタリングで音が良くなったというのは信じられない。聴きやすくなった、ならあり得るかも、だ。
Kazuさんと話をしていて、DSDにはDSD特有の音のヌケ(?)の良さや広がり、上への伸びがあるし、PCMのグッと重心の低い安定感やクッキリとした音の輪郭も良いねと意見が一致した。DSDの方が音が良いとは単純には言えないのではないか。PCMにもそれなりの良さがあるハズ。

さて、なぜにCDPか。SA-10、音質的には今だ満足している。何が不満かというとディスプレイが非常に見えにくい。黒をバックに青い文字。しかも細いし文字も暗い。ほとんど見えない。あとは動作音が大きい。つまりディスプレイの視認性を良くしようと思ってリスニングポイント近くに機器を置くと、メカノイズがうるさく、離すと視認性が落ちる。老眼となった七味には困った事態。
もう一つ。最新のCDPが欲しい訳ではない。90年代後半、デジタルディスク再生のノウハウが熟した頃のそれなり、まあ20万円クラスのCDPが欲しい。SA-10の前は同じくティアックのVRDS-25という機械を使っていた。その前はマランツのCD-17をちょっと挟んで、ソニーのCDP-X77ESという1bitDACな機械。これは音には全く文句はなかった。派手さはなく、しっとりと目の積んだ音が、当時はしていた。再生中にプツプツとノイズが入るようになって修理に2度ほど出したものの改善せず、結局売り払ってしまった。
スピーカーを変えて、あんまりレンジを欲張らない方向に音の好みが変わって、今のアンプとスピーカーを、あの頃使っていたCDPで鳴らしてみたい、鳴らしたらどんなだろうと思うようになった。
なかなか良い出物に出会えない。ハイファイ堂にもあるようだが価格的にちょっと手が出せず、思案中。

七味がCDプレーヤーを使いだしたのは福井で学生をしていた頃。高校時代の友人がオーディオショップに就職が決まったのを期にCDプレーヤーを買い替える(もちろん社員割引なのだろう)のだとかでロハで譲ってもらった。確かパイオニアのPD-6030だったか。譲ってもらった時に既にトレイが開かないことがあるとのこと。時折そんな症状が出たような気がする。音質はもう全く覚えがない。お次はケンウッドのDP-8010。これは学生時代にバイト代を貯めて買ったもの。これは良かった。いくつか聞き比べをしたが、いわゆるデジタル臭い音がしなかった。このケンウッドには随分とお世話になった。就職して学生の頃よりCDが買えるようになったこともあって、このプレーヤーは大活躍したものだ。でもあの頃はシステムが貧弱であった。あの時のCDP。今、現行のシステムではどんな音がするのか?興味が尽きない。

物欲のマグマ溜り膨張中である。

ESOTERIC SA-10 Super Audio CD/CD Player


 
CDP-X77ESの画像

VRDS-25の画像

追悼 宇野功芳 その2 B.Walter / WAM Sym.25

ようやくの週末である。にしても今週は暑かった。職場ではユニフォームを着ているが、これが暑い。さすがに長袖から半袖にチェンジしたが、それでもかく汗の量は変わらず。仕事の途中着替えなければならなかった。もうヘトヘトのヘロヘロであった。
最近はモーツァルトの交響曲第25番を聴いている。なかでも25番はワルター盤を愛聴している。この曲にはまた特別の思い入れ、というか記憶があって、それはいつか書きたいと準備しているところ。

宇野功芳が亡くなってから、氏の著作を折々読み返しながら、ワルターのモーツァルトを聴いているところだ。宇野功芳といえばワルターの手紙、だろう。自分のワルター好きも、父所有の「田園」のLPだけでなく、氏の評論の影響が大きかったのだ、と思う。
氏の労作「名指揮者ワルターの名盤駄盤」「フルトヴェングラーの全名演名盤」(ともに講談社+α文庫)はこの2人の大指揮者のディスク購入、鑑賞の参考にと手に取ることが多い。もう一人、クナッパーツブッシュについても同様の内容で季刊クラシックプレス誌上において連載されていたが、クラシックプレスが休刊となってしまい完結しなかった。もし完成していたらタイトルは何であっただろう?
「ワルターの駄盤」とは言い過ぎかとも思うが、何せワルターと文通していた人ですから、何も申せませんな。
文通といえば七味は高校生から学生の頃にかけて、海外文通なるものをしていた。お相手はイタリアのサラちゃんという女の子であった。もうどこかにいって無くしてしまったが写真をもらった。とっても可愛かった。今どうしているだろう?

この「ワルターの名盤駄盤」によればワルターのモーツァルトの25番は3種録音があって、3種すべてがモノラル録音のよう。コロンビアSO.とのスタジオ録音にVPOとのザルツブルグでのライヴ録音、それにNYPとのライヴ録音。この中で宇野はNYPとのライヴ盤を僅差ながらベスト、としている。七味は残念ながらこのNYP盤は持っていない。最近になって6枚組のソニークラシカルマスターBOXを手に入れてからは、コロンビアSO.盤も愛聴することが多くなった。引退した晩年のステレオ録音期の穏健な好々爺然とした印象の強いワルターだが、コロンビアSO.とVPOの2種の25番ではどちらも踏み込みの強い、求心力のある演奏を聴かせて、甲乙つけがたい。ちなみにこのコロンビアSO.の正体はNYPらしい。もしも晩年に25番をステレオ録音していたらどうだったであろうか?宇野功芳はハフナーやジュピターは残して欲しくなかったと書いている。確かにそんな風にも思えるところもあるし、やっぱりワルターらしさもあるしコロンビアSO.と録れたモーツァルトはワルターの代表盤とも云えるし・・・。
まあ、この充実したモノラル盤があれば十分、かな?。
こうしたモノラル期のワルターを聴くようになったのも宇野功芳氏の影響大といえよう。

今日は、Kazuさんが来てくださった。ロリンズやフュージョンのCDを持参されたのが超意外!
ハーベスで聴くジャズ、ちょっと気になった。
Kazuさんとする音楽のおしゃべりはやっぱり楽しい。前回はとても聴き苦しい音をお聴かせしてしまったので、かなり緊張したが、お世辞とは思うが褒めていただくことができ、ちょっとホッとした。自分の目指す音の方向性は間違っていないようだ。




2016年6月12日日曜日

K.Tennstedt / LPO GM Sym.9 追悼 宇野功芳

雨は降らないものの、蒸し暑くなって来た。もういつでも梅雨入りしてもよさそうな天気。またあのジメジメ、ムシムシとした季節が来るかと思うと滅入ってしまう。

昼間は心地よい風に吹かれながらヤナーチェクの弦楽四重奏曲を聴いて微睡んだが、夜は何を聴こうかと棚を見て目に留まったのが、テンシュテットのマーラーの9番。
その前に皆さまのブログをチェックと思ってネットを見ていると音楽評論家の宇野功芳が亡くなったという記事が。
そうか・・・。レコ芸の月評から降りたと聞いていたので、そう遠くないうちにこの日が来る予感はあった。あの飾らない、人間臭い評論が読めないのかと思うと泣けてきた。クラシック音楽を聴き始めた頃は本当にお世話になった。いろいろ言われてはいるが初心者のガイド役としては最適の人だったと思う。星新一よろしく一度は通る道であったと今は思う。ご冥福をお祈りする。半年ほど前に宇野功芳について書いた記事はこちら

さて、テンシュテットのマーラーの9番。EMI。79年アビーロードスタジオでの録音。
テンシュテットのマーラーは正直、あまり聴かない。嫌いではないが聴くとぐったり疲れてしまう。テンシュテットの熱にやられてしまう、と云ってもよい。鉛を飲まされたような身体の重さを感じる。飲んだことないけど。聴きとおすのが苦痛なんである。
テンシュテットのマーラーは彼の代名詞。自分にとってテンシュテットといえばマーラー。彼のマーラー以外のディスクといって、持っているのはブラームスの1番に、「ハーリヤーノシュ」「キージェ中尉」「新世界」とチョン・キョンファの伴奏でベートーヴェンの協奏曲くらい。

テンシュテットのマーラー、一言で云えば「歪」だ。録音もイマイチで、それこそ「歪」んでいるが、そうではなく演奏が何だかちぐはぐな印象が拭えない。形振り構わず、それこそ全身全霊、すべてをぶつける体当たり演奏。何に何をぶつけているのか判らんが。71歳で死んでしまうのもわかるような気がする。もし90歳まで生きていたとして、果たしてどんな演奏をしただろうか?こんな演奏はできまい。テンシュテットは逝くべきして逝った。宇野功芳も・・・。そんな気がしてならない。


2016年6月11日土曜日

梅雨の前に

妻は今週末、東京に。ジャニーズのライブがあるそうで。2daysだそう。娘は来週の定期考査のために試験勉強中、のハズ。
一昨日、しとしとと雨が降ったのでてっきり越後も梅雨入りなのかと思ったが、その後は快晴。日差しは強いが風が心地よく、「あー、こんな日は絶好の布団干し日和だよな~」と思いつつ仕事。
で、今日念願かなって布団を干した。ふかふかの布団が楽しみ。しかし干した布団の匂いって何なのだろう。あの独特の匂い。40半ばのおっさんの匂いなのかしら。オエーッ。
おっさんの匂いといえば最近、男性用のデオドラント効果の高いボディソープだとか、シャンプーだとかをよく見かける。世の中、消臭ばかりだ。そんな自分も職場は女性が多いので、それなりに気を使っているが、如何せん非常な汗かきなので、仕事中はもうどうしてみようもない。ハンカチで滴り落ちる汗を拭うのが関の山。汗臭くてゴメン。
オエーッ、な話はそのくらいにして、アンプのボリュームはを8時45分(普段は11時30分くらい)ほどにして、今日も窓を解放してのホグウッドのヴィヴァルディBOXからチェロ協奏曲を。心の中を爽やかな風が吹き抜けるように心地よい響きがする。

夕方からはクリップス/ACOのモーツァルト後期交響曲BOXを。編成が少し大きいので窓を閉めてボリュームもアップ。中でもリンツは素晴らしい演奏。クリップスはルックスもイマイチな感じで知名度、人気ともに今一つではあるが、このモーツァルトは音楽の流れが自然で折り目正しい。
再評価が待たれる指揮者の一人かと思う。

梅雨に入る前に布団が干せてよかったよ。オーディオ的には梅雨は厳しい季節。スピーカーのコーン紙が重くなって鳴りにくくなる。バークレイ2は初梅雨。どうなることやら。

2016年6月8日水曜日

GM Sym.8 Maazel/PO. etc 

蒸し暑いですな。我が家のリスニングルームは断熱材なしなので、暑さモロですわ。
ここんところ音楽あんまり聴いてなかったので、ちょっとヘヴィなのをということでマーラーの8番を。
「千人の交響曲」の異名を持つこの曲。そのあまりに大きな編成の割には室内楽的とでも言いましょうか、7割がたは粛々と音楽が進んで、ここぞ!というところでドカーン。面白い曲ですわ。

さて、数ある8番のディスクからマゼールとフィルハーモニアO.他の演奏を聴いた。
このシリーズ、録音的音質的には及第点にいくかどうかというもの。それでも十分聴けるんですが。あんまり上が伸びない。特にタンノイに変えてからはその傾向が大。今ドキのスピーカーに合わせた作りなんでしょうかね。少し高音強調で聴きます。
演奏は、遅い。かなり遅い。ハエが止まりそうな感じで遅い。第1部が30分18秒、第2部は67分43秒。ブーレーズ/SBが23分44秒の61分32秒ですから第1部だけで6分半、第2部でも約6分も長い。都合12分の差!恐るべし。さすがにダレるところもあるよ。このテンポの設定ではさすがに全編に亘って緊張感を持続させるのは困難だろう。曲自体もちょっとフワフワしたところもあって集中、とか凝縮というよりは拡大、拡散という方向ですから呆けた感じもアリでしょうね。マゼールもそんなところを狙ったのだろうと。
このディスクが届いてすぐに聴いた印象では、あまりの遅さに全くついていけず、拒否反応を示したが、今こうして聴いてみるとこの遅さが麻薬的に痺れるから不思議だ。テンポが遅いため、音がねっとりと肌に纏わり付く感じがして、それが今日の蒸し暑さにマッチしてクセになりそう。

来月の13日でマゼールが亡くなって2年となる。

SIG CD358

2016年6月4日土曜日

涼風の中、解放感に浸る音

いや~、ようやくの週松。もとい、週末。女子に人気のアニメ「おそ松さん」。ウチの娘もすっかり嵌まっている。
かっぱ祭り、出番は夕方からということで音楽を聴いて過ごそうかと思っていたら妻が「電気屋さんが来るから宜しく~」と言い置いて仕事へ。娘の部屋と客間のエアコンの交換、設置に来るとのこと。工事音がうるさく音楽どころではない、と思いつつも窓を開けて音楽を聴く。涼風吹くなかシューベルトの「ます」を聴く。

部屋の模様替えをして、窓の前が開けたこともあって窓が開けやすい。空気の入れ替えにもよかろう。窓を開けて大音量でオーディオ、では近所迷惑になるのでボリュームをぐっと絞ってのリスニングで専ら室内楽やピアノ曲、ということになる。小音量で外部音(鳥のさえずりや自動車の走行音や生活雑音など)も盛大なれど、これがすこぶる気持ちいい。
この気持ちよさ、単に窓の解放からくる解放感だけではないようだ。聴こえる音に圧迫感がない。音量を絞っているので微妙ではあるが。リスニングポイント後方の窓と左チャンネルのスピーカー後方の戸が開いている。そこから音は外に抜けていく。要は吸音と同じ効果なのだろう。
同じ吸音効果といっても吸音材による吸音では吸音されやすい周波数帯域があるようだが、窓の解放では音がそのまま抜けていくので全帯域が吸音されるのと同じなのではないか?
築40数年のボロ家2階の軟な床と壁、天井、断熱材なし防振・防音効果ゼロの部屋であって、元々音はダダ漏れに近いものがあるが、それでも窓を閉めて閉鎖された部屋ではやはり反射音が多いのだろう。
以前住んでいた郡山のマンションはカチンカチンの床で防音・防振対策がなされた部屋であった。あの頃はそれほど部屋の音響特性に注意を払ってはいなかったが、それでも不快な癖のある響きが音に乗っていた。その部屋で会話するだけで変な感じがしたものだ。

自然の風が入るリスニングルームなんていいなあ~とも思うがそこはやはりある程度の音量で聴きたいところ。理想はやはり石井式リスニングルームということになるのか?石井式では理想の残響特性を得られる吸音面積は部屋の総内面積の15~22%としている。部屋の窓を開けただけではこれには足りないだろうが、部屋の反射音は確実に減っていることだろう。
家の改築(新築は無理無理)、リスニングルーム新設なんてできるわけもなく・・・。
時折こうして窓を開けて音楽を聴くのが関の山か。

今日、九州、四国、中国地方が梅雨入りしたと聞く。またあのジメジメ・ムシムシした季節が来るかと思うと気が滅入るなあ。


2016年6月2日木曜日

かっぱ!

今週はかっぱ祭り。なんでも、七味の住む地区にはかっぱ伝説があるそうだ。聞いたことないけど。
で、軒先に好物のキュウリを吊るしておくと、かっぱがやって来てそのキュウリにかっぱ祭りメイン会場の屋台で使える割引券を刺していってくれるんだそうだ。なかなか親切な奴だな。かっぱ。
このかっぱ祭り、今年で30回を迎える。花火も上がるようだ。

キュウリがおいしい季節になってきた。生味噌を付けて齧るもよし、塩で板擦りしてもよし。なかでも七味は辛子漬けがよろしい。口に放り込んだ時のツンと鼻に抜ける辛味。これがビールによく合う。昔はそれこそ粉辛子を買って塩、砂糖など調合して漬けたものだが今はブレンドされた辛子漬けの素が売っている。我が家では夏の間これを切らさない。ただ、塩分が多いかな。

このところ、1時間ほどしか音楽が聴けない。CD1枚分。今日もクレンペラーのモーツァルト。堂々としたドライヴながら軽ろみもあり厳しさもあり、というモーツァルト。さすがだ。

もし、もしですよ。今、今すぐノアの箱舟ならぬCDの棚舟にモーツァルトの35、36、38番を積み込まなければならない、としたら自分は迷わずクレンペラーを放り込む。絶対・・・、多分。最近、そんな妄想をしています。