2014年8月31日日曜日

SEKAI NO OWARIではなく・・・

タイトルは娘の好きなロックバンド、というかまあロックバンド。音楽は聴いたことないけれど名前は知っている、という方もいることだろう。自分には良さがさっぱりわからないが、娘はいたくお気に召している様子。土曜日は新潟で音楽イベント“音楽と髭達2014”があり娘と妻は出かけて行った。早朝に。もちろんSEKAI NO OWARIが出演する。ということでこの週末はフリーの身に。昨日は長野へ行ってきた。もちろん中古CD・LPを求めての旅。獲物をざっと紹介すると、バルビローリのエルガーを3枚。それにKazuさんイチオシのディーリアス。LPはシノポリのラヴェル、レーグナーのミヨー、デュカス他、吹奏楽などなど。
長野市には中古ショップが2つある「アンサンブル」さんと「Goodtimes」さん。そのうちのアンサンブルさんが年内に閉店とのこと。残念。

今日は、SEKAI NO OWARIならぬ、世界の創造。世界の創造はフランスの作曲家ミヨーの作曲になるバレエ音楽。ミヨーはフランス6人組のひとりで、多作家。複調性、多調性を多用したことでも知られる。音楽は明るく楽天的で同じ6人組のオネゲルとは対照的か。世界の創造はジャズを取り入れて作曲されている。サキソフォーンのレガートでまったりと始まって、ご機嫌な中間部を経て再びまったり としたブルースで終わるこの曲。15~20分くらいの短いもの。5つの楽章からなるが続けて演奏される。もとは17人編成の小オケの曲だったが後にピアノ5重奏にも編曲されている。
この曲、イトコのうなぎ君から「ミヨーは見よう見真似で作曲を学んだ」というくだらないダジャレとともにレーグナー盤を聴かされたのが始まり。それ以来、ミヨーが好きになってしまった。ダジャレはノーセンキューだけれども、うな君にはセンキューと言っておこう。
世界の創造もレーグナー盤を初めとしてラトル盤、バーンスタイン盤など数種を集め聴いたが、やはり最初に聴いたレーグナー盤が良い。レーグナー盤は企画としては東ドイツのオケが演奏するフランス、スペインものだが、これがなかなか上手くハマっている。ラトルやバーンスタインのようにジャジィな雰囲気を押し出した勢いのある演奏ではやや一本調子になりがちなところをレーグナーはジャジィさを持ちながらも決して弾き飛ばさず落ち着いた雰囲気でもって聴かせる。録音もシルキーでいい。
この曲もそうだが最初に聴いた盤が今でも一番良い、好ましく聴こえる。曲も魅力的だけれどやはり演奏がいいことが大事なのだろう。

8月も今日で終わり。

                                


2014年8月23日土曜日

Delius 150th Anniversary edition.

いよいよ、甲子園も準決勝。新潟県民がこれほどまで浮かれ,興奮することもないだろう。なにせベスト4。いやがうえにも期待が高まるというものだ。神様~。ゼ・ヒ・ユ・ウ・ショ・ウ・サ・セ・テ・ク・ダ・サ・イ。オ・ネ・ガ・イ・シ・マ・ス。とってもいいコ達なんですよ~。お頼み申します~。
5年前の決勝戦まで勝ち進んだとき、これは県民のテンションはMAXであった。うん。その年の年末、NHKでは夏の甲子園、日本文理の全試合を再放送したくらいだからね。びっくりしたのは勝つうちに段々と選手の顔つきが「らしく」なってきていること。いい面構えだよ。自信に満ちた顔だ。さあ、あとはタフさがカギか?頑張れ文理!

さて、全く関係なく、ディーリアスです。いつ買ったか忘れさせてしまうディーリアスの力。生誕150周年記念だから2012年だったか。たしかデッカも記念のBOXを出していたと記憶している。そちらのほうが録音も良いだろうと思ったが、EMIのセットにしたのだった。決め手は古い録音が多かったこととビーチャム卿の録音が多く含まれていること。ディーリアスの音楽は曲によって(特に声楽曲)派手でとても色彩的。でも、全体としては淡いモス(こけ)やそっと庭に咲くすみれの淡い紫色を連想させる。なので、あまりレンジは広くなくて良かろうと。録音が古くても良かろうと。きっと、そのほうが似合うに違いないと確信したのだな。そして、何といってもビーチャム卿なんである。ディーリアス・ルネッサンスの功労者にして伝道師ビーチャム卿。ディーリアスと卿は自分のなかにあって切っても切れない組み合わせだ。楽壇の異端者であったディーリアスを擁護したのがビーチャム卿であった。なお買ってからわかったことだけれど、ビーチャム卿のスピーチも収録されていた!これはうれしいサプライズ。

ディーリアスを知ったのはレコ芸の連載されていた三浦淳史の「スクラムサイド」であった。海外の音楽事情を紹介する記事であったが、分けてもイギリスゆかりの音楽家について(その音楽家のエピソードやサイドストーリー)が平明かつさらりとした文体で 書かれていた。ジェントルでチャーミングなその文章はイギリス音楽とその演奏家を身近なものにしてくれたものだ。氏のディーリアスに対する熱の入れように音楽を聴き始めた自分は興味津々。自分が好んで聴く音楽をいま改めて眺めてみても、音楽を聴き始めた自分の道標となったことは間違いない。ビーチャムをはじめ、バルビローリ、デュプレ、ボールトにRVW、エルガー、ディーリアスは三浦淳史の記事で知ったし、まだ聴かぬその音楽に憧れたものだ。残念なことに、もう、こんなチャーミングな文章を書く人はいなくなってしまった。時代が違うんだな。いま、手元には「アフターアワーズ」という本がある。いまでも折に触れて目を通すことが多い一冊である。

EMIのディーリアスBOX、実はまだ18枚全部を聴き終えていない。まあね、気が向いたときに、ふと聴きたくなるのがディーリアス、なんじゃないかと思う次第であります。(と、最後は伊丹十三風に終わってみる)



2014年8月20日水曜日

E.Ansermet I.Stravinsky/The Soldier's Tale

お盆明けの初っ端から早退してしまった。寝不足に加え、朝から蒸し暑くひどく汗をかいた。そのせいか身体を冷やしてしまったようだ。ひどい不快感と下痢に見舞われてしまった。無理をせず早退させていただいた。高校野球は新潟代表の日本文理が5年ぶりの3回戦進出と大健闘。北信越勢の活躍が目立つ。

ストラヴィンスキーの兵士の物語(London SLC1946)。中古レコード屋で購入。この曲を初めて聴いた。もともとは朗読と演劇、バレエによる舞台作品とのことだが、アンセルメとスイスロマンドO.の演奏は交響組曲版で朗読がないもの。編成は小さくバイオリン、コントラバス、クラリネット、バスーン、トランペット、トロンボーンにパーカッションという編成。ハルサイから5年後の1918年、新古典主義時代初頭の作品。今年は第1次世界大戦開戦100周年にあたる。当時はまだ第1次世界大戦が続いていたはずで、大戦が創作のきっかけとなったはずだ。シンプルな編成ながら、そこはストラヴィンスキー。色彩感豊かな曲になっている。このLP、録音データの記載がないのではっきりしたことはわからないが、60年もしくは56年の録音のよう。BPOのコンマスとして有名なミシェル・シュワルベの名前がクレジットされている。

アンセルメは好きな指揮者のひとり。往年のデッカを代表する指揮者。指揮テクニックを云々する向きもあるが、半世紀にわたってスイスロマンドO.を率いていたのは伊達ではないと思う。情に流されることのない演奏が好きでコレクションしている。基本、バレエ音楽や近現代ものが得意だがブラームスの交響曲は隠れた名盤。得意といわれるハルサイやバルトークなどでもヨレてしまう部分が散見される。オケの技量不足、指揮者の統率力の低さを指摘するのは簡単だ。今の演奏スタイルよりはメロディアスに演奏され、妙な艶めかしさ、それと危うさ・脆さ、儚さがアンセルメの演奏にはあると思う。

例年、新潟勢は初戦敗退が多く、新潟県民の甲子園はお盆前に終わってしまうことが多い。5年前は決勝で惜しくも敗れ準優勝に終わった。今年はどうだろう。

2014年8月16日土曜日

S.Barber Vn.concerto K.Takezawa , L.Slatkin / SLSO.

昨日は久しぶりの同級会。とても楽しかった。あんなに楽しい飲み会はホント久しぶり。いわき市で頑張っている者や南三陸に出向している公務員などもいて、やはり3.11とその後の東北は身近なことだと痛感した。しかしみんな変わっていなかった。恩師は御年78歳だが、壮健で話しぶりも当時と同じでちょっとウルウルきてしまったよ。びっくりしたのは同級生だった女の子(当時はヤンキー風)が妻と同じ職場だったこと。エーッ、マジか?彼女曰く、お前にはもったいないヨメ、だそう。

バーバーのバイオリン協奏曲自分にとって大切な1曲。妻と交際中に行ったコンサートで聴いた曲。
今ほどメジャーではなかったデヴィット・ジンマンとボルチモアSO.とソリストはアン・アキコ・マイヤースだったな。冒頭のメロディアスな歌い出しに完全にノックアウト。思わず彼女の手を握っていたなあ。もう20年近く前の話。

CDは3種持っているが、今回は竹澤恭子とスラトキン/セントルイス響のものを。コンサートのあと早速にCDを購入。その時はギル・シャハムとプレヴィン/LSOのものだった。その後にこの竹澤盤、それからスターン盤を聴いた。竹澤盤はRCAの録音のシルキーな質感とバイオリンの音色がよく合っている。スラトキンとセントルイスのサポートもうまい。3種のなかでは一番気に入っている。2枚組で主要な協奏曲と交響曲の1番、弦楽のためのアダージョ、メデアを収録。弦楽のためのアダージョはミュンシュ/ボストン響の演奏でこれも優秀録音にして名演。


2014年8月13日水曜日

夏のJB

あるブログのコメントに、夏にブラームスを聴くのは鍋を食べるようなもの、といったことを書いてしまった。要は夏にブラームスって暑苦しいだろうに、聴いてられるかい!ってこと。送信した後、ちょっとした後悔の念が脳裏をよぎる。そのブログの主は大変な紳士、いや聖人で不躾なコメントにいちいち腹を立てるような方ではない(ここで軽くけん制してみる)が、返しのコメントで昨日は鍋を食べたと書いている。やってしまった!やっちまったよ・・・。まさか夏に鍋とは・・・。何鍋?石狩鍋?三平汁?とはさすがに聞けなかった。しかし、鍋といってもアツアツとは限らんではないか、冷たい鍋というものもあるんじゃネ?冷やし石狩鍋? ねえヨ!あるわけネー!

(お詫び*ここまでのくだりは小心者である筆者のアワアワした感情を敢えてこのような文体、表現を用いて表しています。全く他意はございません。)

ということで、今日は少し涼しいし、反省の意味を込めてJBを聴いてみることにした。曲はハイドンの主題による変奏曲。ザンデルリンク/ベルリン響の演奏。ハルモニアムンディ盤。とても自然な構え。力みのない演奏。
夏に聴くブラームス初級編といったところ。
おお!思った以上に良いではないか。なんだか温かいお茶を啜っている感じ。汗が引いていく感覚。

結論。暑気払いにいいかも、ブラームス。今度は1番に挑戦だ!



2014年8月10日日曜日

Issac Stern / LIfe in Music 3&4

先日、amazonを覗いてみたら先日紹介したスターンのBOXセットの3と4があった。早速妻にお伺いを立てたところ、ボーナスも出たんだし(買っても)いいよ、ということで注文。今日、届いた。このBOXシリーズ、発売は96年頃でCDショップの通販サイトでは廃盤になって久しい。自分も一時中古ショップで探したけれど見つかってもちょっと手の出ない値段であった。今回amazonでも新品と中古品の出品があったが中古品はかなり強気な値段だった。今回買った新品はそれぞれが12枚組で3500円ほど。昨今の廉価BOXからするとやや高いけれどそれぞれのCDがちゃんとケースに入っているのもいい。ただしパッケージに難がある。ケースの上のほうにシールがペタリと貼られている。ちょっと前までよく見られたが最近では少なくなったけれど。このシールを剥がすのが一苦労。たいてい失敗して糊がケースについてしまう。ペタペタしていて気持ちワルイ。仕方なく溶剤系のシール剥がしで糊を取る、この作業もメンドクサイ。

今日はブラームスのソナタとベートーヴェンのピアノTRIOを聴いた。ブラームスは名盤の誉れ高い演奏。録音は60年のステレオ録音で、スターン40歳の時の演奏。自分はシェリングとルービンシュタインの演奏を良く聴いているが、シェリングの抒情的なアプローチとは異なり、男性的で太く安定感のある美音とテクニックでj縁取りもくっきりと聴かせる演奏。ザーキンのピアノも粒立ち良く端正だ。
「大公」はイストミンのピアノ、ローズのチェロ。冒頭のピアノ、続いてチェロ、バイオリンと主題を受け渡す箇所を聴いただけで「やられた~」「ムフ~」となってしまった。ゴージャス感がハンパないです。気品溢れる凜とした姿がイメージされる演奏となっている。まさに耳福。

さて、2セット計24枚のCD。おとなの夏休みの宿題である。夏休み無いけど。



2014年8月9日土曜日

Issac Stern / Life in Music 2 ~大事にしているレコード3

大事にしているレコードと言いつつ、CDの話。
最近、HMVのサイトにスターンのブラームス集の広告が載った。う~ん、欲しい! 欲しいがかなりの曲が所有ディスクと被ってしまうなあ。
ブラームスの協奏曲をスターンは2種、オーマンディとメータ指揮で残している。録音は古いけれども60年代、オーマンディ盤のほうがよい。今回のBOXはメータ盤。ちょっとがっかり。
スターンは好きなバイオリニスト。亡くなってそろそろ13年になる。スターンの亡くなった2001年9月22日は9.11の直後でもあり、それほど大きく報道されることもなかったが後で知ったときは結構落ち込んだ。
残念なことに、これまでスターンの録音がまとまって出たことはない。人気がないのだろう。決して華のある演奏家ではないけれど、あのハイフェッツも嫉妬したという卓越したテクニックと美音の持ち主。ユダヤ系故、いろいろと揶揄する向きも一部にはある。スターン最大の功績は何といってもパールマン、ズーカーマン、マ、ミンツ、そしてMIDORIといった現在一線で活躍する多くの弦楽器奏者を見出し、育てたことだろう。

タイトルのCDは確か、存命中に発売されたのではなかったか。4つのBOXに分かれており、分売もされていたと記憶している。バッハからバーンスタインまでの協奏曲、室内楽、ソロが網羅されている。ジャケットのデザインも当時の写真とバイオリンの組み合わせられ雰囲気がいい。自分が持っているのは2つ目のBOXで、近現代の協奏曲を集めたもの。ペンデレツキやデュティユーなどは確かスターンの委嘱作品だったと思う。円熟期を迎えた80年代の演奏も良いが、60年台の 壮年期、40歳ころの演奏が勢いがあり、絶頂期のスターンが聴ける。スターンのテクニックは60歳を迎えた80年代もあまり衰えなかったが、壮年期のスターンはもっと凄みのある演奏を聴かせていたように思う。ビシッと張った美音は決してヨレず、小細工なしにバリバリと弾きこなしていても気品を失わない演奏は聴いていて爽快ですらある。
今なら、もっと安くなりそうなんだけどなあ。SACDとは言わないので良質なリマスタリングでまとめてだしてくれないかなあ。


                                   Stern;Life in Music 2

2014年8月2日土曜日

Burt Bacharach South American Getaway 12 Cellisten der Berliner PHIL.

自分の好きな作曲家にバート・バカラックがいる。POPS畑のひとではあるが、音楽教育はミヨー、マルティヌー、ヘンリー・カウエルから受けている。
ディオンヌ・ワーウィックやカーペンターズに作詞家のハル・デヴィッドと組んで楽曲を提供したことでも有名だ。代表曲は枚挙に暇がないがカーペンターズのClose To You(邦題:遥かな影)がもっとも知られているだろうか。自分はやはりディオンヌが歌ったものが好きだ。I Say Little Prayer,I'll Never Fall In Love Again など…。どれもキュートで素敵だ。

サウス・アメリカン・ゲッタウェイは映画「明日に向かって撃て!」のなかの1曲。この映画の主題歌「雨に濡れても」のほうが良く知られているだろうか。
ほかには「007カジノ・ロワイヤル」のサントラ盤。映画の方はイアン・フレミングの原作ながら原作のエッセンスはわずかでシリアスな007シリーズとはまったく別もののコメディ映画。3人のジェームス・ボンドが登場し、最後はカジノ・ロワイヤルで大騒ぎするというハチャメチャなもの。サントラ盤は曲も秀逸ながら、ジャケットのデザインも当時を反映してサイケデリックで、これも秀逸。.