2016年3月31日木曜日

「と盤」のしくじり

音楽、特にクラシック音楽関係の読み物(本)は売れ行きが芳しくないのは容易に想像できるのだが、見つけたときに買っておかないと入手が難しい。
でも結構高い。アイザック・スターンの伝記は4500円もする。買えねえよッ!ミヨーの本も中古で20000円だ。一度東京神田神保町で見つけてレジまでもっていって価格を聞いてスイマセンしたことがある。あの時の店主の(ケッ、冷やかしかよ的な)人を馬鹿にしたような眼はトラウマ。
さて、音楽を聴くのにガイド本が必要かどうかは置いといて、ちょっと懐かしいガイド本のご紹介。
90年代後半、自分がクラシック音楽を聴き始めて10年ほど経った96年に洋泉社から「クラシック名盤&裏名盤ガイド」という本が出た。その後97年「クラシックの聴き方が変わる本 テーマ別・名盤&裏名盤ガイド」が、98年「名指揮者120人のコレを聴け! 指揮者別・クラシック名盤&裏名盤ガイド」とシリーズ化され、相次いで出版された。結構評判がよかったのだろう。

洋泉社は当時、「トンデモ本の世界」という本(これもシリーズ化)を出していた。オカルトや超常現象から小説など、書いた本人は大真面目だが読み手からすると勘違いに思えたり、どこか抜けていて、突っ込みどころ満載という本を紹介するものだった。それをクラシック音楽の音盤に当て嵌めて論じたのがこのシリーズ。そういったCDや演奏を「トンデモ盤(と盤)」とか「トンデモ演奏」と呼んでいた。
「トンデモ盤(と盤)」「トンデモ演奏」とは「(演奏者)本人はまじめだが、演奏者の大ボケや、無知、カン違い、妄想などにより常識とはかけ離れたおかしなものになってしまった演奏のこと。演奏者が意図したものと異なる視点から聴いて楽しめるもの」ということらしい。要するに標準的な解釈や演奏から逸脱した面白い演奏ということか?

まあ、何をもって標準的な解釈、演奏というのかはさておき、時は輸入CDの全盛期。国内盤は新譜フルプライス3000円から2800円、廉価盤でも2000円ぐらいだったか。グラモフォンとデッカが1500円のCDを出したときは結構衝撃だったことを覚えている。同じころに徳間の1000円盤があったな。そのころの輸入CDは価格帯でフルプライス、ミドルプライス、バジェットプライスの3段階くらいに分かれていた。圧倒的に輸入盤のほうが安かった。ちなみに輸入盤でフルプライスはBIS、シャンドス、オルフェオなどで2500円前後。ミドルプライスはメジャーレーベルの廉価盤などで1750円くらいか。バジェットプライスはメジャー喰いのナクソスやアルテノヴァなどで1000円を切る900円台であったか。そのうちの狙い目はメジャーレーベルをはじめとする廉価盤の多いミドルプライス。往年の名指揮者のシリーズものが定評ある音質で多数リリースされた。指揮者に限っても国内盤ではお目に掛かれない指揮者の演奏に触れることも容易になった。多くの演奏家に触れることができるようになって結果、多様な解釈、演奏に触れることになったわけだ。ちょっとした黒船である。
そうすると価値観も変化してくる。従来、永遠の名盤を求めて音盤を買い求める、という姿勢から、変わった演奏、個性的な演奏、面白い演奏を裏名盤として、こんなのもアリなんじゃね的な聴き方やコレクションに価値がシフトしてきたように思う。

そんなこんなで「クラシック名盤&裏名盤ガイド」は当時、中堅~新進の32人の音楽評論家の共著。
現在でも名前をよく見る小沼純一や許光俊、片山素秀(現在は杜秀)に竹内貴久雄、中野和雄、盤鬼、平林直哉など錚々たる顔ぶれ。共通しているのは語り口が軽い(ソフト)なところぐらいでその批評のスタンスは多様だ。変わった演奏を徹底的に茶化すようなものもあれば新たな価値観を与えるような評論もある。
続編の2冊も同じ傾向。「テーマ別~」が一段とディープかつシニカルか。
チェリビダッケやヴァント、クレンペラーなどを持ち上げ、ロスバウト、シェルヘンにケーゲルなどに猟奇的演奏、指揮者として光を当てる一方、オーマンディやマズア、アバドなどを無知、凡庸、勘違いな演奏、指揮者として貶めるような書き方がされていると感じる。

この「名盤&裏名盤ガイド」シリーズ、クラシック音楽の新たな聴き方を提唱したことは画期的だったわけだがちょっとステレオタイプにすぎるように思う。20代~30代前半あたりのクラシック初心者から少し聴きかじってわかってきた人をターゲットにしていて、なんとか面白く読ませようするのはわかるし、確かに面白いのだがその分、極端な物言いが多い。刺激的な表現は強烈に刷り込まれる。今より血の気も多く「トンデモ盤」のような刺激を求めていた20代の自分にとってはまさにバイブルに等しかった。ゆえにいわゆる従来の価値観でいう名盤や凡庸とされた演奏家の演奏をツマンナイものとして忌避してきた。従来の名盤も良いけれど、こんな演奏もあるんだよ、色んな演奏があるんだという演奏の多様性を説くこのシリーズの趣旨に外れた聴き方をしていたわけ。
これはヘタこいたですよ~。しくじりました。あの時もっと名盤と呼ばれるものを聴いておけばよかった、と思うんです。40代になっていわゆるスタンダードな演奏をせっせと聴き、ようやくにバランスよく演奏の多様性を楽しめるようになってきたかな。マズアもオーマンディも聴きますよ~。

さて、あの頃バジェットプライスの雄だったナクソスも今では高く感じる。価格も少し上がっている。クラシックCDメジャーレーベルの統合が進み、BOXセットものが主流となり1枚あたり数百円と一層の価格低下が進んだ。うれしくもあるが、そうそう喜んでもいられない。CDを買うペースはそれほど変わらないのに、一度に買う枚数は増えるわけで、音楽の聴き方というか姿勢も変わるのではないかと思う。




2016年3月30日水曜日

type B

先日の娘に続いて妻がダウ~ン。まだ診断はついていないがほぼインフルだろうなあ。38℃の熱発があって、今は36℃台後半に下がっているがB型は熱があがらないこともあるようだ。検査キットでもマイナスだったそうだが身体がとてもだるいらしい。食欲もない。
わが家では「具合が悪くても食欲があれば大丈夫!」という食い意地の張った家族らしい考えがあるのだが食欲がないとなるとこれは一大事だ。
自分はというと、これが笑っちゃうくらい健康である。ホント笑っちゃうくらい。でも肩は相変わらず痛い。
申し訳ないのは、福岡から遊びに来ていた姪である。日曜の夕方に当地に来たものの、この3日間、娘の具合が悪くお出かけもできず、ろくなおもてなしもできなかった。妻がダウンしたことを福岡の姉に連絡。当初、姉は遅れて31日に此方にくる予定になっていたが、インフルを伝染してもなんだし来ないでもらうことにした。3日に姉と一緒に帰るはずだった姪も予定を繰り上げて、今日早速に福岡に帰した。駅に送るクルマの中でも寂しそうだった。いったい何をしに新潟まで来たんだろう?という思いで一杯だろう。イヤ、叔父さんも悲しいよ。ホント。本当に申し訳ない。夏にはこちらが行くよ。きっと。
あ、お小遣い多めに入れといたから買い物で憂さを晴らしてね。

そんなこんなで今日はお休みを頂いて姪の送迎と家事を少々。今年も4月1日は社の創立記念でお休み。しかも3連休だが、この調子でいくと5連休か?仕事は娘がダウンしたあと年度末・月末の業務は他のスタッフに迷惑の掛からないように既に済ませておいたので大丈夫だ。けれど家族の看病、ということになりそうだ。こうなると自分だけは何とか罹らないようにしなければ。

しかし今年のインフルは流行期が長い。冬の始めの頃はA型が流行っていたが現在はB型が流行中なのだそうだ。職場にもインフルに罹った方が多くなってきた。春先の寒暖の差で体力や免疫力が落ちやすいのが原因だろう。今日は暖かくて暖房いらず。この調子が続くといいなあ。

2016年3月27日日曜日

弦楽四重奏団の不思議

最近、左右チャンネルで音量に差がある症状が再発している。B&Wだったときにもあったので、やはりアンプより上流に原因があるのだろう。気づいたのはイタリアSQのモーツァルトを聴いている時だった。チェロの音色が左チャンネルに寄り過ぎて聴こえてきた。原因の究明もちょっと億劫なので、対症療法としてC36でモノに切り替えて、左右チャンネルのバランスつまみで調整し、MC2255のメーターとにらめっこしながらメーターの針が同じになるようにしている。がこれもかなりメンドイ。
かといって左右のバランスが悪いのも気持ち悪いし、音楽に集中できない。困った。

さて、そこでふと疑問に思ったのが弦楽四重奏団の奏者の並び。向かって左から第1・第2Vn.は良いとしても、ヴィオラとチェロの並びが各四重奏団で異なっている。
イタリアSQは左から第1・第2Vn.ときてヴィオラ、チェロだが、アマデウスSQはチェロ、ヴィオラの順。気になってほかの四重奏団の画像を検索して調べてみるとバラツキがある。
アルバン・ベルクSQはヴィオラ、チェロだし、エマーソンSQはチェロ、ヴィオラ。スメタナSQもチェロ、ヴィオラだ。ジュリアードSQもチェロ、ヴィオラだった。もう少し見てみるとハーゲンSQはヴィオラ、チェロ。メロスSQも同じ。でももしかしたらヴァイオリンの両翼配置ってのもあるのかも。
やっぱり流派があるんだろうか?ドイツ・オーストリア式とかフランス式とか。演奏の効果を狙ってのことだろうけど、どのような効果で、どのように違うのだろうか。いつ頃からこの形になったのだろう?
ちょっと気になった次第。どなたかご存知だろうか?

ここまで画像を貼ってきて思うのは、最近の四重奏団のジャケットには演奏の様子を写したものが少ない、ということ。エマーソンやハーゲンは並んで写っているのばっかりで、画像を探すのに結構苦労した。

イタリア弦楽四重奏団「 シューベルト:弦楽四重奏曲<死と乙女><ロザムンデ>」
イタリアSQ
アマデウスSQ
エマーソンSQ
スメタナSQ
HAGEN QUARTET / ハーゲン四重奏団 / MOZART:STREICHQUARTETTE K.589 & 590 / モーツァルト:弦楽四重奏曲第22・23番
ハーゲンSQ

2016年3月26日土曜日

FMレディオ~

最近、FMというかラジオが気になる。

ラジオを聴くのは運転中のカーステと寝るときのネットラジオ、それに職場で流れているのを横耳で聞きながらの仕事の時くらい。クラシックの番組は朝の通勤時のNHKFMの「クラシックカフェ」と「キラクラ」くらいで。音質もそれなり。もちろんノイズも多い。でも何だか聴いていて楽しい。基本何かしながらのながら聴き。その気楽さが良いのかも。

音楽を聴き始めた頃はディスクを買うほどお小遣いもなく、レコ芸の記事や各レコード会社の広告をみてヨダレを垂らしていた。まあ、今はネットをみながらやっぱりヨダレを垂らしているんだけれど。40代後半から上の世代ではじめからLPやCDをバンバン買えた人は少なかろう。自分も御多聞に漏れずエアチェックに血道を上げていた一人だ。持っている音源の8割近くはエアチェックしたカセットテープだったかもしれない。その頃欲しかったものの第1位がオートリバースのカセットデッキ、できたらダブルカセット。第2位が出始めたばかりのCDプレーヤーだったな。もちろん専用のアンテナなんて立てられるわけもなく(親にに一度お願いしたら怒られた)、でも実はテレビアンテナとFMアンテナは共用できたらしいことを知ったのはもうすっかりFMなんぞで音楽を聴かなくなった社会人になってから知るわけだが。アンテナも、テレビが地上デジタル波となった今も売っているんだね。当たり前か。
チューナーはいまでも中古で結構出ていて、値段も3万も出せばかなりイイものが買える。HF堂のHPを見ているとヤマハとケンウッドのものが一際めを引く。特にヤマハのCT-R1とCT-1000はシルバーフェイスが美しいし、ケンウッドKT1100DやL-03Tのブラックフェイスも懐かす。もうヨダレもの。
でも家でFMを聴く時間は今のところ無いだろうし。老後の楽しみとしておこうか。
当時は所謂FM誌もたくさん出ていた。レコパル、ステーション、fan。懐かしいねえ。レコ芸にヨダレを垂らし、FM誌の番組欄にそれこそ競馬新聞さながら赤ペンでチェックを入れてたっけなあ。主要3誌の中ではFMfanを愛読していた。fanはクラシック音楽関係の記事も多いし、装丁もLPのジャケットが表紙にあしらってあって大人な感じがしたものだ。すっかり処分してしまった。惜しいことをした。

明日日曜日には福岡に住んでいる姪が遊びに来る。と思っていたら娘が午後になって39度の熱発。インフルだね、コリャ。









2016年3月24日木曜日

Graduation モザイクSQ のWAM到着  アレ? この形、どこかで・・・

今日は娘の卒業式。
娘の通っている学校は自分の母校でもあるので、校舎に入ると懐かしモードが一気にオン。クラスメートの親御さんには自分の同級生もいてしばし旧交を温めていると何だか照れくさいやら恥ずかしい気持ちに。
にしても、体育館寒かった~!3月に入って一番の冷え込みか? 式の最中にはみぞれ混じりの雨が。体育館には大きなストーブが焚いてあったが、1時間半の式で身体はすっかり冷え切ってしまった。式のあとも娘は友達と写真などを撮ったり、PTA主催で担任の先生方を囲んでのお別れ会などがあってなかなか帰ることができなかった。
あ、泣きました泣きました。もう初っ端の卒業生入場の時からすでにウルウルと。立派に成長したなあ、と思ったらその途端です。あとは在校生、卒業生の「お別れのことば」の時。例の「頑張った運動会!」とか、「お兄さん、お姉さん、ありがとう」みたいなやつ。もう最初にバッハのG線上のアリアがBGMで流れてきて、コレはヤバい。泣きそうと思って、泣かないように面白いことを考えようとして不謹慎にも誰か間違えたら面白いだろうなぁ~、なんて思っていたら可笑しくて可笑しくて笑いそうに。途中笑いながら泣く、みたいになって感情がカオス。なんだかヘトヘトに。
で、そのあと在校生・卒業生がそれぞれ歌を歌ったところで号泣です。歌はズルいよ、歌はズルい。
校長先生はじめ担任の先生には本当に感謝しています。娘がここまで成長できたのも先生方のご指導のおかげ、と思っています。と書いてきてまたウルウル来ちゃってます。

さて1、最近室内楽が聴いていて楽しい。以前はあんまりおもしろいと思えなかったけれど、何でしょうか小回りが利くというのか痒いところに手が届く、はちょっと違うか。作曲者の等身大の姿が見えるような気がするのです。スピーカーを変えたことも一因か。タンノイに変えてから弾むような活き活きとした躍動感のようなものが音に出てくるようになって、これはB&Wでは感じなかったことなわけで。オケものも良いのですが室内楽は編成の小ささもあって、多少録音が悪くてもそれなり聴けるのでしょうね、きっと。
先日、イタリアSQとどちらにしようか迷って買わなかったモザイクSQのモーツァルトBOX。HMVに中古が出ていたのを昼休憩中にスマホで見かけた。すぐに売れちゃうだろうなと思いつつ急いで帰ってチェックすると手つかず。迷わずポチり。HF堂では9000円だったのがHMVでは5600円くらい。こちらのほうが適正価格かと思う。シューマンの室内楽曲と合わせて注文。届いたブツは程度も良く一安心。ピリオドアプローチらしい清澄で抒情的なモーツァルトかと。これからもう少し聴き込んでみます。あと、室内楽を聴くにあたって大変役に立っているのが「名曲ガイドシリーズ室内楽」の上下巻2冊。主要な楽曲を網羅していて聴くときの手引きとして大変重宝している。この本なくして室内楽の広い海は渡れない。

さて2、学校の怪談で一際目を引く物体が!
なんだか見たことのある形。タンノイのオートグラフじゃね?

というのはウソで、掃除用具入れなんでしょうけれど。怪談の踊り場のコーナーに収まっている形は正しくオートグラフです。まあ、心ときめいているのは自分だけだったでしょうね。

収まりの良い感じが素敵。
もちろん卒業式の写真も撮りました。




2016年3月19日土曜日

中古でバッハのカンタータを買ったらCDの帯がくっついてきたッ。

今週は随分と暖かかった。高田城百万人観桜会(たかだじょうひゃくまんにんかんおうかい)は4月1日からの開催。昨年は4月2日の開花だったが、今年はもう少し早い開花になりそうな予感。春はすぐそこまで来ている。

先日、仕事帰りに戸田ブ(ックス)上越店に寄ったところ、グッドタイムスさんの中古レコード・コーナーにリヒターのバッハのカンタータのCDが15枚ほど入荷していた。前にKazuさんのお宅でカンタータを聴かせていただいてから、いつかまとめて聴いてみたいと思っていたので、ネットや吉田秀和の本などをチェックして目ぼしそうなところを数枚買いこんだ。とはいえ全くのめくら撃ちで冒険に近いお買い物。でもHMVでチェックすると現在、リヒターのカンタータはまとまった形での入手は難しい模様。ということで、残念ながらお目当ての最も有名な147番はなかったが、〈5・56・180〉〈4・6・67〉〈70・140〉〈80・106〉とマニフィカト他を手に入れた。
カンタータを聴くのは初めてだけれど意外と聴きやすい。そういえば昔、吹奏楽やっていたときにバッハのコラールってたくさん練習させられたけどコレだったの?
あの時は何だか掴みどころのない感じだったけれども・・・。吉田秀和は「名曲300選」のなかで140、4、56番を推している。中でも4番冒頭の格調高く、厳しい音楽には打たれた~。国内盤なので歌詞対訳もついているが今は浸るように聴くのが良さそう。耳が慣れてきたらもう少し勉強してみよう。
録音は60年代後半~70年代後半になされたようで、年代が下るにつれ音も良く聴きやすくなるが、当時のDG録音の特徴である直接音多めのマルチマイク録音のせいかクッキリとした音像ながらやや平板な印象。中音域が厚い。合唱はやや混濁してハッキリしない感じ。

しかしこの中古盤、買ったすべてのディスクケースの背に両面テープで帯が張り付けてある。で、帯をそろそろと外すのだが、これがガッチリとくっついていて簡単には剥がせない。帯はボロボロ。仕方なく捨てる。ケースに残った糊成分はシール剥がしスプレーを染み込ませたティッシュでゴシゴシとふき取る。これでペタペタはしなくなる。ただ、シンナーの匂いは苦手だしいちいち剥がすのに結構な手間がかかる。前の持ち主さんの所業であろう。その旨表示もされていたが、あまりの強固な両面テープの粘着に辟易させられる。みなさんは帯をどうしておられるのだろう?
自分の場合、帯があれば折りたたんで解説書の中に入れ込んでしまうことが多いが、最近は捨ててしまうかな。LPの場合は外して中に入れてしまう。確かにこの歳になって老眼が進むと、背の文字が小さすぎて読めないことが多い。昔まだCDが出始めた頃の東芝EMI盤の背には日本語でデカデカと「クリュイタンス ビゼー アルルの女組曲」などと、しかも縦書きで書いてあって見やすいもののちょっとカッコ悪い感じがしたものだ。帯の文字は大きくて見やすくてよいのだけれどケースに帯を張り付けるのも手間だな。

快晴の朝、通勤中に見た焼山(焼岳)。噴煙?がたなびいていたので信号待ちの間に急いでパチリ。
火山はなんだかエネルギーの源、生命の源のように感じて(火の鳥の読み過ぎ?)気持ちを高ぶらせるものを持っていて、なにか引き付けられるな。噴火したらイヤだけど。



こんな形で留めてある
剥がしたところ シールが残ってます
一昨日(3/17)朝の焼岳
噴煙が見える





2016年3月10日木曜日

3.11  P.マニング & アーノンクール イタリアSQ / Haydn The Lark

明日は3.11。5年が経った。早いのか遅いのか感じ方は人それぞれだが。最近、もっと福島や東北のことを気にかけなきゃならんのじゃないかと思うことが多い。世の中オリンピックだの新幹線だの浮かれ過ぎじゃないか。そんな風に思える。自分も反省。

NFLのQB、ペイトン・マニングが引退を表明。SB前から引退が囁かれ、既定路線と報じられてはいたが、引退と聴くとやっぱりガックリと来た。今シーズンの全盛期と比べると明らかに衰えていた。といってもまだ十分にプレーできるし、ファンとしても、もっともっと観ていたい。でもSB制覇を成し遂げての引退というのはやっぱりマニングにとって一番良い終わり方なのだろう。あの憎らしいまでの正確なパスとディフェンスを手玉に取って翻弄する様が観られないのは寂しい限りだ。

アーノンクールの死去もマニング引退と同じくらいガックリ来た。昨年の引退発表のタイミングからして何か不可逆的な疾患を抱えていたと思わざるを得ない。ご冥福をお祈りします。

先日届いたばかりのイタリアSQのBOX。お目当てはモーツァルトのはずだったが、もう3日も「ひばり」「セレナーデ」「5度」ばかり聴いている。ハイドンがあまりにも素晴らしすぎて。とはいってもハイドンの弦楽四重奏曲を聴くのはこれがたぶん初めてなので比較はできないのだけれど。でもやっぱり良い。
デッカのイタリアSQのモーツァルトBOXはフィリップス盤に比べて高音域に潤いがなく、きつい音がするというレヴューがあって、複数のレヴュアーがそう言っている。マスタリングはおんなじものだろうからこのBOXもそういう傾向なんだと思って、買うのを躊躇していた。実際聴いてみると、そうとも思えるが、繰り返し聴くうちに気にならんくなった。

このイタリアSQ、不仲説がある。セカンドバイオリンの女性が他のメンバーと次々と結婚したため、あるメンバーは嫉妬に駆られて練習にピストルを持っていった、だの、虫垂炎だか何かの手術で休んでいたヴィオラ奏者を他の3人が勝手にクビにして新しいヴィオラ奏者を入れた。けれどもその奏者が飛行機恐怖症だったので、先にクビにした奏者を呼び戻そうとしたが、そのヴィオラ奏者が3人に謝罪文を要求し、他の3人はその要求を突っぱねたので解散した、とか。信ぴょう性はなんとも言えないがなんだかガッカリなエピソード。聴く気も失せかけた。でも考えてみると殺したいほど険悪であってもこのアンサンブル。プロ意識がすごい、ともいえる。そんなところに感心しつつ聴く「ひばり」は結構、オツだ。

四重奏曲初心者としてはやはりガイドとなるものが欲しい。そこで「日本の古書屋」というサイトでオンブックスの名曲ガイド・シリーズの「室内楽 上・下」を買った。「日本の古書屋」は全国古書籍商組合連合会のサイトで東京都古書籍商組合連合会が運営している。加盟してる古書屋さんの本がネットで買える。驚いたのは注文の翌日に、まだ支払い方法も確定しないうちに送ってきたこと。中には郵便振り込みの用紙が・・・。別に怒っているわけではなくて、何が驚いたってネットショッピングでは入金が先というのがデフォのところ、商品が先で入金が後、なところ。昔はそうだったなと。イマドキのネットショッピングが世知辛く思えるのはすでに当たり前になった、この入金が先というところだろう。モノが届く前に金を払うというのはなんだか損するじゃないかと構えてしまうし、ちゃんとブツは届くのかと不安にもなる。後払い方式、気分的に余裕が持てて、日本の古本屋、なんだか粋じゃん、と思える次第。

ところで、左から3人目は伊吹吾郎か?

DECCA 4788824
                          

2016年3月6日日曜日

春、それは物欲のシーズン

やってきました。物欲の季節。なんでしょう。毎年春になると何かが欲しくなる。言い訳させてもらえば季節がそうさせるのですよ。昨年もこの時期に物欲ブログ記事を書いている。読み返すとCDプレーヤーを買い換えたいと書いている。このときは結局萎んでしまった。一昨年は色々と買ったなあ。MCトランスにバキューム式のディスクスタビにパーソナルチェア。物欲全開であったな。
で、今年はというとちょっと控えめにCDであります。ま、昨年スピーカー買い換えちゃったしね。

大したことはないんだけれど、欲しいと思い悩んでいるCDが2組。
ちょっと前からモーツァルトの四重奏曲が気になっていて、全集では候補がいくつかある。定評のあるところではアマデウス、ハーゲン、イタリアあたりかと考えているが、実はコレがとっても欲しい。
モザイク弦楽四重奏団のモーツァルト5枚組。現在は廃盤で、これは中古で出ているもの。価格は9800円。元は5500円くらい。プレミアがついたとしてもちょっとお高い。ずっと以前から出ているもののいまだに買い手がついていない。モーツァルトの弦楽四重奏曲はこれまで聴いてこなかったのでどんな感じかはわからない。ジャケットを見てピンとくるものがあった。直観的に良さげな感じに思えたが、値段がアレです。このBOXは2003年発売のようなので、再発を期待しているのだけれどナイーヴというレーベルは再発しそうもない。以前中古で買ったミヨーのBOXもそうだった。もういっその事、誰かさっさと買ってくれないかな、なんてことを考えてます。
もう一つはイタリア弦楽四重奏団のデッカ、フィリップス&DG録音全集。37枚組。HMVのセール価格が10530円。こちらも気になっている。イタリアQのほぼすべてを網羅していていいのだけれど、気を入れて聴くかというとちょっと・・・。でもこのボリュームでこの値段はとっても魅力的。先日Kazuさんのお宅で聴かせていただいたウェーベルンも収められている。イタリアQはシューベルトをもっていて、凛とした佇まいが後期弦楽四重奏とマッチしていて好きな団体。


と、ここまでウジウジ、ネチネチと悩んでいたけれど、イタリアQのそれがアマゾンに中古で出ていたので、買ってしまいました。到着が楽しみです。
さて、ちゃんと聴き通せるかはわかりませんが、ね。

           モーツァルト:弦楽四重奏曲集 モーツァルト  CDクラシック 画像a

           


2016年3月5日土曜日

EQな毎日 オーウェル「動物農場」

先日のKazuさん邸訪問はとてもよい刺激に。改めてバークレイの調整を進めている。EQのカーヴをフラットになるように測定したものをもとに、できるだけカーヴはいじらず低音域を上げて、高音域は倍音成分を多く含む1KHz~1.25KHzを落さないようにして調整してみた。これまで耳痛のもとだった1KHz辺りの音もさほど苦にはならなくなったようだし、以前よりも音にふんわり漂う感じが出てきたように思う。ただ、軟な床と壁なので音が外に抜けてしまうこと、横長配置で側面の壁との距離があるせいで反射音が少ないことで、低音がなんだかもの足りない気もする。このあたりは今後の課題か。
正直、メンドくさいのだが、ああでもないこうでもないといろいろと試しているときが結構楽しい。ただ、これを始めてしまうと音楽よりも音が気になってしまう。よって、ほかのひとにはお薦めしない。

今年の目標の読書だが、月5~7冊ペースと自分としては順調だ。最近読んだのはオーウェルの「動物農場」。ロシア革命と社会主義的ファシズムを風刺した寓話。荘園農場の人間(=帝政、資本主義者)を追い出した動物たち。頭が良いとされる豚が動物たちを支配するが次第に堕落、腐敗して・・・、というお話。作中に登場する豚のナポレオンはスターリンに読み替えられるのだが、ナポレオンとはまた皮肉が効いている。オーウェルといえば「1984年」や「カタロニア賛歌」もある。以前に読んだが、また読み返してみようかな。
いまはコリンズとラピエールの「パリは燃えているか?」を読んでいる。こちらは第2次大戦中のパリ解放のドキュメンタリー。吉村昭なども好きでドキュメンタリーはよく読むジャンルだ。
しかし昔に比べると、文庫本の値段が高いのが玉に瑕。スマホに変えたのを機に電子書籍もいいかと考えたがやっぱり読書にはページを繰る、という動作がないと読んでいる気がしない。ディスプレイでは目が疲れやすいし、読むというよりは見ている感じしかしない気がする、のはやっぱり古い人間なんだろうなと思う。


                 動物農場 : 角川文庫(海外文学): ジョージ・オーウェル

                パリは燃えているか?〔新版〕 上

                パリは燃えているか?〔新版〕 下