2020年7月19日日曜日

カラヤンの命日 シベリウスなど、いろいろと

今週は粉瘤の切除の手術を受けたりしたものだから、あんまり体調も万全とは言えず。7針を縫う手術というか処置はどの程度のものかよくわからないが、結構しんどい。
手術を受けた翌日は大事を取って休み、水曜日には出勤してみたものの、木曜の朝には結構な出血があり、傷口が開いてしまったようなので、この日もお休みした。
今週5日間のうち、結局フルで仕事に行ったのは水曜と金曜のみという体たらく。
痛みの方は抗生剤と塗り薬と痛み止めでなんとか凌いでいる、といったところ。抜糸は来週の水曜日になるか、ダメなら土曜の予定。

そんな今週、ツイッターでは13日がマゼールとC・クライバーの命日、16日がカラヤンの命日ということで、盛り上がっていた。あんまり演奏家や音楽家の命日や誕生日に合わせて音楽を聴くことはしない方だが、七味も少し乗っかってみたりして。

マゼールとクライバーの命日には二人のベートーヴェンの7番を聴き比べ。
まずはマゼール/CLEの演奏。こちらは動的なエネルギーに注力しない演奏。リズムも重いが、内声部も丁寧に演奏していて第2楽章などは流石と思わせる。クライバーは今更、何を言う事もないのだけれど。全く自在に音楽を動かすなあ、と思った次第。
マゼールの方は音楽が流れていかない分、ちょっと引っかかりというか躓きというか気持ちがすんなりとは音楽に乗っていかないが、クライバーはもう、自動運転のクルマのように乗せられて、連れていかれる感じで快適。
興が乗って、MTTのベートーヴェンも続けて聴いた。7番ではなく3番。
コレがすこぶる良い演奏でびっくり。MTTのベートーヴェンは小編成の室内オケによる演奏のはしりと思うが、ピリオドアプローチは採らず、従来の演奏に依っている。録音も小編成オケを意識したもではないようなマルチマイクでオン気味。現在からみると世に出るのが早すぎてすべてにおいて中途半端な感じが否めない。が!
聴いていて、かなり良いんじゃないか?聴き進むうちにマイベスト3に入るくらいに素晴らしいと思えてくる。大編成向きの録音で小編成の演奏。刈り込まれた弦と管楽器のバランスも良く、適度な軽さ。キビキビと小気味よい音楽のドライヴ感は聴いていて爽快なもの。やるなMTT。MTT、その後もベートーヴェン全集は再録音しておらず、自信のほどが窺えるということか。

16日はカラヤンの命日。何気なくDGに録音したシベリウスを手に取ってみた。DGには4番から7番までの4曲しか録音していないが、EMIにはモノラル期にフィルハーモニアO.と、それにデジタル期に入ってBPh.とも録音しているが、音楽は峻厳さと同時にオケのクリスタルのような硬質な響きが60年代のカラヤン/BPh.らしい録音と思えて好きだ。
またまた、興が乗って続けて今度は渡邊暁雄/日本PO.の全集を取り出して聴いた。
コレがまた素晴らしい演奏。カラヤンのゴージャスとは言わないがクリスタルを思わせる美音を奢った音楽と比べると、一層素朴な、真摯な音楽に頭が自然と下がってくる。
この全集、渡邊暁雄が亡くなった時に発売されたもの。初めて買ったシベリウスの全集だった。
随分と長い間聴かないでいたが、こんなに素晴らしかったとは。反省。

今回はちょっと聴いた音楽が多すぎた。まとまりに欠ける内容はいつもの通り。
名曲はどんな解釈にもその魅力を失わない、ということ。裏を返せばどんな解釈にも耐えうるのが名曲。もう一つは聴いて合わない、イケてないと思っても時間をおいて聴くとその印象もまた、ガラリと変わる、という結論でした。

そうそう、youtubeでを見つけて、テンション爆アゲ。芥川也寸志の遺作。外山雄三/東京交響楽団による追悼演奏会のライヴ録音。昔エアチェックしてテープを持っていたのを処分してしまい、もう一度聴きたいと思っていたモノ。これもまた素晴らしいものでした。もう最後のCで号泣で御座います。










10 件のコメント:

  1. ふんりゅう、大変ですね。話しで痛さが伝わってくるようです。
    いろいろな指揮者を聴いていたという記事、昔は大物がいたのだと改めて思いました。MTTのベートーヴェン全集ほしいですね。録音状態はどうでしょうか。

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  2. ご心配頂き恐縮です。早く抜糸ができると良いのですが。歳をとったせいか治りが遅いですね。
    思いがけず時間が出来たので、あれこれ聴きました。MTTのベートーヴェン全集はセント・ルークスO.(3番のみ)とイギリス室内O.の小編成ですが、書きました通り、録音は小編成向きではない感じがします。音自体は特に不満の無いレベルです。78年から86年にかけての録音のようです。3000円くらいで出てますね。

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  3. 時間を置いてから聴くと印象が変わるというのは納得です。
    以前話題にした聖チェチーリア管のローマ三部作は、長らく聴いてなかったのですがこのブログでのやり取りをきっかけに聴き直して見たところ、こういう演奏もアリだなと思いました。
    まあ以前とは自分のシステム構成などもかなり変化しているので、違った印象なのはそれもあるのかと思います。
    たまには普段聴かないディスクを取り出して聴くのも大事ですね。

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    1. コメントありがとうございます。
      そうなんです。なので、あんまりCDなどつまんないから、といって処分できません。今週聴いた渡邊暁雄のシベリウスは学生時代に買ったものでかれこれ30年近く持っていますが、ほとんど聴いてなかったです。今回、改めて聴いて良いなあと思いました。まあ、直前に聴いたカラヤンとの対比というのもあるのかもしれませんが。
      だいぶオーディオシステムも出音が変化しているようですね。わずかな違い、変化も良い方向であれば嬉しいですね。

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  4. 幸せの黒い猫2020年7月19日 18:55

    7針縫う処置お疲れさまでした。
    その後の出血は少々心配ではありますね。
    ご無理なさらずお過ごしください。
    確かに暫く聴かなかったディスクを
    久しぶりに聴くと印象が違うと言う事は有りますね。
    プラスな方向も有りますしマイナスな方向のものも。
    昔好んで聴いてたのが音楽の趣向が変化して
    ご無沙汰になったのを久しぶりに聴くと
    なんで昔これ聴いてて楽しかったんだっけ?
    と首を傾げる物もあれば再び良く再生するようになるものも。
    とは言え自分のソフトの所有数は微々たるものですけどね。

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    1. 10年以上も聴いてないディスクなんてザラにあって、どうにかしようという気も起らず。これでも買うのを抑えてはいるのですが棚に収まらないディスクが部屋を侵食しております。近くのBOに持って行っても二束三文でも買い取ってくれるならまだよい方で、価格がつかないなんてこともクラシックでは多いですね。
      久しぶりに聴くと大概は良い方に印象が変わる事が多いです。
      縫ったところはだいぶ良い様です。水曜日に抜糸できると良いのですが。

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  5. 幸せの黒い猫2020年7月19日 20:01

    そうなんですか?
    自分の地域の印象だとクラシック、ジャズは
    結構値段は安くても付くイメージで
    古いPOPSは買い取り不可に成りやすいと感じてます。
    地域差が有るのでしょうかね?

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  6. どうなのでしょうね。クラシックなんかでも、廉価盤などは値段がつかなかったんじゃないかと記憶してます。以前は販売価格を反映した値付けと売値がついてましたが最近はデータ管理がされていて、それに基づいた値段がついているようですね。まあ、POPSはあんまり持っていないので何とも言えません。印象の域を出ません。

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  7. 幸せの黒い猫2020年7月19日 20:29

    自分の2018年の記事に
    https://ameblo.jp/triokt/entry-12492839587.html
    廉価版のクラシックCD3枚で150円の値段が付いたと言う
    記事が有りました。
    これはまともなレーベルの物でもない本当の廉価版です。
    これもあってクラシックは売れると言う印象があります。

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    1. 店舗や地域によっても違うのかもしれませんね。

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