ということでマーラーのディスクです。ブーレーズはウィーンとシカゴとクリーヴランド、ベルリンのオケを振り分けて全集を完成した。確か5番か6番が最初に発売されたように記憶するけれど、どっちが最初だったかはっきりしない。ただ2曲ともオケがウィーンPO.だったので、このまま全曲をウィーンで録音するのかと期待(マゼール以来のVPOによる全集になるのかと期待)したが、この期待は良い意味で裏切られた形となった。その後のレコーディング順や発売の順番は忘れてしまったが確か比較的早くにシカゴとの9番が発売され、クリーヴランドとの7番・4番が続いたように思う。8番と10番、歌曲集はまだ持っていない。
今回、ブ氏の訃報に接してネットの反応をみているなかで、マーラーについて思いのほか好意的な意見が多くて驚いた。もっと批判的な意見が多いのではないかと思っていたが、意外だった。それでHMVのレヴューを見返してみた。こちらも意外なほどレヴュアー諸氏の評価は高かった。自分としてはもっと賛否両論相半ばする問題作なのだろうと勝手に思い込んでいたわけだ。
HMVのレヴューは5段階で星5つ~1つで表すようになっている。まあよくあるアンケートに倣うと星5つが「たいへん良い」4つが「まあまあ良い」3つが「ふつう」2つが「あまり良くない」1つが「悪い」といったところか。ホントは2、3、8番のレヴューが母数も多く良いのだが、ここはブーレーズに絞る意味で器楽のみ(4番はもちろん例外)の交響曲ということで1番、4~7番、9番を調べてみた。丁度ウィーン(5、6番)、シカゴ(1、9番)、クリーヴランド(4、7番)と共演するオケも上手くばらけた。
調べる前には大した理由もなくウィーンとの曲は星が厳しいのではと思っていたが実際は2曲とも星5つ~4つは80%以上を獲得していた。星3つ以下は11%(5番)と16.5%(6番)だった。
シカゴとの2曲の星5つ~4つは1番が100%。9番は83%だった。
クリーヴランドとの2曲(4番、7番)のうち4番は曲の規模が比較的小さいこともあってブーレーズの指揮や音楽作りにマッチしているように考えていた。7番は星5つ~4つが87%と割合が高いものの、4番は星5つ~4つが77%だが、星3つが22%とやや割合が高い。逆にメルヘン度が低いのが災いしたのかもしれない。裏返すと、みんなマーラーにはロマンやメルヘンを求めているということなんだろう。
結局、何が言いたいのかわからない感じになってしまいました。暇に任せての遊び、ということでご勘弁いただくとして、7番はブーレーズのマーラーのなかでも好きな演奏。ちょっと余所余所しい感じ(でも、けしてドライではなく)の演奏でクレンペラーの演奏とはテンポは異なるけれど同じニオイがすると思うのは自分だけか?
ブーレーズのいわゆるマーラーっぽくないスッキリ(でも、けしてドライではなく)演奏を聴くとマーラーっぽい、というかマーラーの音楽を構成している要素が何なのかが見えてくる。見えないものを引き算で見せてくれる。そこにあると判りにくいけれど、無いとわかる、そんな感じか?
ブーレーズのマーラーはそこに存在意義があるんじゃないだろうか?
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