自分の予想ではブロンコスvsカージナルスでカージナルスの優勝と踏んでいたが見事に外した。
SBも目が離せないが、DSも熱い。先日注文していたペトレンコのショスタコ全集が届いた。通して聴いたのはレニングラードにバビ・ヤール、それに11番くらいだが全体にリリカルで力押しせずスマートな印象。決してリズムは重くならない。。派手なところもバイオレンスや痛切さの中に爽快さ、痛快さをも感じさせる。バビヤールはソロのヴィノグラードフの丁寧な歌唱に好感が持てた。
もう少し馬力というか底鳴りするような重さ、思い入れが欲しい気もするが、ソ連型の共産主義がすでにノスタルジーとして語られる現在では致し方ない気もする。
オケはロイヤル・リヴァプールPO.。グローヴスのイギリスものを聴くと非力なオケ、という印象だったがマッケラスのベートーヴェンの交響曲全集あたりから機能性を獲得つつも、やはりそこはイギリスの地方オケ、アンサンブルが今一つという感じだったが、ペトレンコの手腕によるものなのかここに聴くロイリヴァは現代的なオケへとシフトしつつある。まるで脱皮直前の蝶々のよう。でも、奏者個人の技量や時折見せる粗いアンサンブルにはまだ昔の面影があって、昔を知る者にとってはホッとする。パーフェクトな演奏ではないところも、また良し? イギリスにはラトル/SBSOという先例もあることだし、このコンビの成長に期待したいところ。このショスタコは大きなインパクトがあったと思う。全体的には大健闘でしょう!
思い起こせば、西側初の全集であったハイティンクの録音も30年近く前のはなし。すっかりショスタコのスタンダードはムラヴィンスキーやコンドラシンからハイティンクに移ってしまった感じがする。その後もいくつもの交響曲全集が録音されたが、その中でも注目度の高かったゲルギとヤンソンスはポスト・ハイティンクになり損ねた感がある。なんだか温い演奏という評判は、じつは期待の裏返しであったと思う。少なくとも自分は、あの場所であの時代を生きた世代の指揮者がショスタコをどう演奏するのかという期待をもって聴いた。期待が大きかっただけにがっかりした、と今振り返って思う。まあ、ムラヴィンやコンドラシン、それにハイティンクを引きずっていた、ハイティンクに引きずられていたとも言える訳で、なんともご愁傷さまとしか言いようがない。
それに比べてペトレンコは共産主義が崩壊し始め(ソ連崩壊時は15歳!)の世代。若い分、前の二人ほど期待も大きくはないし、世間のショスタコの音楽に対する受け止め方も変わったように思う。タイミングがバッチシだったわけだ。
ペトレンコはハイティンクがムラヴィンやコンドラシンにとって代わったようにポスト・ハイティンクの先頭に立つ事ができるんじゃないか?と期待する次第。
NAXOS 8.501111 |
0 件のコメント:
コメントを投稿