2013年11月15日金曜日

O.klemperer/NPO AB9

寒い!
歳をとると寒暖の差がことのほか堪えるようになった。

今回はクレンペラーのブルックナーの9番である。これはいろいろと問題のある盤。
演奏は遅い。遅いことは全く構わないが、アンサンブルがかなり酷い。70年の録音。アンサンブルの精度には比較的うるさかったと思われるクレンペラーだがミスが散見される。それも構わない。
けれどもPO.NPO.との他のブルックナーの録音と比べても9番だけがいやにモッサリとしている。5番は所有していないのでわからないが4番・7番あたりは他の指揮者と比べても幾分スマートな演奏となっている。何があった?クレンペラー?
似たような現象はマーラーにもある。7番だ。あれも他の録音と比べると異質な印象を受ける。遅いと言われる(自分は全然思わないのだが)クレンペラーの代名詞的な録音だ。でも他の曲は比較的真っ当な演奏なのだ。ブルックナーの9番、それにマーラーの7番は本来のクレンペラーの解釈なのか疑問に思う。発売されるからには許諾を出したのだろうが本人的にはどうだったのだろうか?

一番の問題は録音なのかポスト・レコーディングの問題なのか録音のバランスがかなり不自然なこと。RIAAカーブではないのじゃないか。LPを聴くときはトーンコントロールの高音を少し上げ、低音を下げて聴いている。70年の録音でRIAAではないことはないと思うが、実際聴くときはこれがしっくりくる。CDではさらにおかしなことにLPのバランスとは明らかに異なるバランスで不自然さに拍車がかかる。加えてマスターテープに起因すると思われる音の揺れがひどい。LPとCDではLPの方がまだしも鑑賞に堪える音質だ。

さて、ここで問題になるのは、ちょっと前に発売された輸入盤のBOXセットに入っているブルックナーの9番の音質である。LPがあるから構わないように思うが、気になって仕方がない。買ってみてハズレだったら、と思うと・・・。心配である。



             ブルックナー:交響曲第9番(ノヴァーク版) クレンペラー / NPO [廃盤]


しばらくブログの更新が滞ってしまった。ここのところ音楽を聴こうという意欲が減退した感じだ。すこしづつ聴いていこうと思う。ブログもそれに合わせて書きたいと思う。宜しくお願いします。



4 件のコメント:

  1. ごめんください。
    クレンペラーは近寄りがたい、怖そうなイメージがあります。以前、七味さんから聴かせてもらったバッハなど、一切の妥協のない厳格なものでした。家にはモーツァルトの交響曲のCDがありまして、40番、さっき聴いていたのですが、バッハほどではないですが、やはりきちっとした演奏でした。ロマン的な雰囲気もあるのですが、あえてそれを抑えながら禁欲的に音楽を積み重ねていくような感じでした。
    クレンペラーは転んだり、小火で大やけどしたり、何度も死にかけたとか。そういった苦痛が音楽に反映しているというようなことを言っていた評論家の人もいました。
    よくわかりませんね。

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  2. 追伸です。
    寒いですね。今日は少し和らぎましたが…
    家に寝袋があり、それに入り椅子に座って音楽を聴いています。
    穏やかな天気が続くとよいですが。

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  3. kazuさん
    ご無沙汰しておりました。バタバタとした日常にちょっとゲンナリしていました。
    クレンペラーのモーツァルト、愉悦はないですが40.41番は堂々としてベートーヴェンへ繋がり、さらにその先、kazuさんのおっしゃるようにロマン派へ向かう予感のようなものを見せてくれます。
    クレンペラーのエピソードはどれも面白いです。伝記本も面白かったですよ。

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  4. kazuさん
    寝袋とはアウトドア風で風流ですね。
    今日(日曜日)は暖かいですね。我が家には断熱という言葉はないです。部屋はちょっと暑いくらいです。寒い日は本当に寒いですし風の強い日にはすきま風が容赦ないです。良く言えば季節感があるということでしょうか。
    寒かった先日、ついうっかりシベリウスを聴いてしまいました。シベリウスは寒い時期に聞くと背筋がゾクゾクとするくらい寒い感じがします。室温がグッと下がる気がします。ロシア・ソビエトものではそんなことないのですが。

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