2016年11月24日木曜日

Antal Dorati / Minneapolis SO. PIT 1812 Festival Overture

今日、関東では初雪。11月の初雪は54年振り、積雪は明治8年の観測以来初めてらしい。こちらも雪こそ降らなかったものの、今年一番と思える冷え込みようでホッカイロを2つ背負っての仕事であった、かかった。
こんな寒い日はチャイコフスキーに限る。ということで1812年を。
いやー、笑ってしまうね。スゴイ迫力。馬鹿馬鹿しいところがまた良い。

とはいえ、このマーキュリーの録音は大したものだ。それほどたくさんの1812年を聴いているわけではないが、なかなか演奏と録音が両立したものは少ない。テラークの代名詞的な同曲ではあるが、そのテラークのカンゼルはいささかダレ気味で、締まりのない演奏に感じられた。
その点、このドラティ盤はピシッと締まった演奏、迫力ある大砲と鐘が見事に両立していて好きだ。
それにライナーが充実。使用した大砲や鐘の由来や録音の様子が細かく記されていて、マーキュリー録音陣の録音に対する自負というか矜持が窺えるところも良い。
ライナーにはプロデューサーであった、ウィルマ・コザート・ファインがCD化にあたって3chマスターから2chへのトラックダウン(ライナーにはconversionと記されている)を監修した、という記載があったり、オリジナルマスターのみを使用している旨記載があるなど、情報もしっかりとしていてとても仕事が丁寧であるところにも好感がもてる。

ドラティは晩年、デッカに多くの録音を残したが、それらのほとんどはマーキュリー時代の焼き直しに過ぎない。
自分がクラシック音楽を聴き始めた中学生の頃、初めて買った「春の祭典」はデッカのドラティ/デトロイト盤だった。当時は録音も良かったし、演奏も好きだった。デッカのドラティを円熟と呼んでも良いのかもしれないが、マーキュリー時代のキレッキレのドラティの演奏を知ってしまうとね。
自分は壮年期のドラティが好っきー。

Mercry 434 360-2

下段に、CD化に際してウィルマ・コザート・ファインが監修していること、
オリジナルマスターのみを使ってCDにトランスファーしたという記載がある。

2 件のコメント:

  1. 七味とうがらしさん、こんにちは。
    雪の日以来、関東もめっきり肌寒くなりました。そろそろ新潟は本格的に寒いでしょうね。
    そして「1812年」聴かれましたか!ドラティの指揮も良いですし、マーキュリーの録音スタッフの気合が伝わってくる良い録音ですね。ここまでやってくれるとうれしくなって、ちょっと笑っちゃいます。

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  2. ばけぺんさん こんにちは。
    昨日は一段と冷え込みました。そろそろクルマのタイヤ交換をしなければなりません。
    ドラティのキレのある演奏がマーキュリーの優秀録音で一段と映えますよね。低音が下まで伸びているのですが、帯域間のバランスが良く、上手くまとまってるのが驚きですね。

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