ベームは凄い。いや、ベームとウィーンPOのコンビはやはり凄い、といった方が良いか。西遊記のお釈迦様よろしく掌の上でウィーンPOを自在に操っている。この頃のベームにはまだそれだけの力があった。後年、自在に操っているつもりのベームと操られるているように振る舞ったVPO。決して否定的な意味ではない。自分は以前、両者の関係を“コンビ芸”と評した事があるが、これはどちらかが欠けても成り立たないからだ。
英雄の生涯が録音された76年ごろはベームの気力も充実しており、まさに両者の蜜月の時期かと思う。それだけに両者の呼吸はぴったりと合っているのだろう。互いが求め、目指すところが完全に一致している。まるでアイススケートのペアの演技を見ているような錯覚を覚える。録音もまろやかにブレンドされホールの雰囲気がよく表されている。ジャケットも良い。
これはベームとウィーンPOの栄光の記録。残されるべくして残った名盤だと思う。
晩年、衰えも目立ち、十分にオーケストラを統制できなくなったベームをVPOはそれでも支え、盛り立てた。
このような関係を築けた両者は幸せだったことだろう。
ベームで一番印象に残っているのが、七味さんのお宅で聴かせてもらったモーツァルトのレクイエム。凄まじい演奏でした。自分も何枚かベームのCDを持っていますが、悲しいことに真剣に聴いてないので、申し訳ありません。今度、聴きたいと思います。
返信削除アナログ再生で味と深みのあるウィーンフィル。R・シュトラウスは最高でしょうね。
今度、お願いします。
こちらこそ、今度お伺いします。宜しくお願いします。
返信削除ベームは以前から聴いていましたがそれほど熱心には聴いていませんでした。ここ2年ほどでしょうか。とても気になる指揮者の一人です。