2024年10月6日日曜日

懐かしいナクソスのCD 

ズデニュク・コシュラー。チェコの指揮者。あまり風采の上がらない感じで、田舎の伯父さんみたいな風貌をしているが丁寧な仕事をする職人肌の指揮者である。
Wikipediaによると95年に亡くなっている。67歳は指揮者としてはこれからという感じで残念過ぎる。
N響にも頻回に客演しており、テレビで観た記憶がある。80年代半ばにはコシュラーのほかにもノイマン、ビエロヴラーヴェクといったチェコの指揮者が良く客演していた。

昨日、うな君の地元のブッコフでコシュラーのCDとレコードを見つけたので買ってきた。
レコードはヤナーチェクのシンフォニエッタとタラス・ブーリバの組み合わせで日本コロムビアのPCM録音。CDはナクソスのベートーヴェンの英雄。
懐かしいのはナクソスの英雄。
コレ、学生の頃にバイト先の近くにあったディスカウントストアで買った記憶がある。90年くらいのこと。当時はCDはまだまだ高価。新譜は3500~3200円くらい。廉価盤もあったと思うが2400円か2200円くらいだったと思う。
そんな中、ディスカウントストアでもちょっと怪しい雰囲気のCDが売られ始めた。大体1000円くらい。演奏はカラヤンだったりするが発売はかなり怪しいところ。ジャケットも簡素なものだった。これらのCDは今でもブッコフの500円とか100円のコーナーで見かけることが出来る。
そんな中、登場したのがナクソス。まだ知られていない(悪く言えばマイナーな)演奏家や団体を起用してのリリース。白地に絵画のジャケットが定番で妖しさ満載。
試しに買った英雄のCDだが、つまらないと思って早々に処分したのではないかと思う。すっかり記憶の彼方へ。
それが昨日、不意に目も前に。でも覚えていなかった。
CDを再生しているうちに、そういえば・・・と。

ナクソスのCDで思い出すのが政治評論家の俵孝太郎が月1万円とボーナス月にもうちょっと上乗せしてCDライブラリーを完成させる、という指南書を出していた。
その中でそのライブラリーの中心に据えていたのがナクソスのCD(とVOXのCD)だった。
その頃はナクソスのCDは1枚900円から1000円くらい。クラシック音楽の百科全書的な位置づけがクラシックファンにも認知されつつあった時期と思う。

90年代中頃にはCDはフルプライス3000~2800円、ミッドプライス2300~2000円、バジェットプライス1500~1000円くらいという棲み分けが出来上がってナクソスは「バジェットプライスの雄」となった。
ウィッチが一番ナクソスのCDを買った時期は地元に出来た大型書店でナクソスの取り扱いをしていた頃で2010年前後かと。
その頃はナクソスも絶好調で初期に録音していた曲を再録音したり、様々なシリーズを展開していたし、かなりマイナーな作曲家にも焦点を当てて網羅的にCDをリリースしていた時期にあたる。
その本屋に行くたびにナクソスのCDを1枚、2枚と買っていたがその本屋も今は閉店し、そこからはナクソスのCDはほとんど買っていない。
価格も現在では1900円くらいとなってしまった。
以前は箸にも棒にも引っ掛からない演奏や録音だったり、興味のない演奏家や作曲家、ジャンルであったりして手にしそびれてしまって今になって後悔したり・・・。
今はその後悔を埋めるように中古盤漁りをしてるのよな。








8 件のコメント:

  1. 幸せの黒い猫2024年10月6日 12:42

    昔1000円でクラシックのCDが色々出てましたね。
    自分も何枚か買った経験がありますが
    全て処分しました。
    まあその頃は全くクラシックは知らなかったので
    指揮者や楽団を書いてあってもちんぷんかんぷんでした。

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    1. 怪しい感じのCDってありました。
      結局そういったCDは所有欲が満たされず手元に残らないんですよね。

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  2. NAXOSのコシュラーでドヴォルザークのスラブ舞曲を持っています。きりっと締まったなかなかの録音だと思います。聴くとすればノイマンよりこれになりそうです。NAXOSは他にも何枚か手持ちで好きなのがあります。今は1,900円だと手が出ませんね。

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    1. 扱っていた本屋が無くなりナクソスも買わなくなってしまいました。
      かなり枚数あると思うのですが、初期のナクソスはほとんど持っていません。
      スラヴ舞曲集お持ちですか。今度聴かせてください。
      地味ながら時折ハッとさせるような歌いまわしがあったりして良い演奏をしますよね。

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  3. 温泉へ行ってきてハイボール飲みながらコシュラーのスラブ舞曲聴いています。端正でいいですね。スロヴァキア・フィルは一生懸命です。
    NAXOSの手持ちでは、ブラジル風バッハやシシェドリンのカルメンが貴重です。演奏者はよく知りませんが、演奏、録音とも良いです。

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    1. 少しお酒を飲みながらのスラヴ舞曲なんて踊り出してしまいそう。
      シチェドリンのカルメンは持っています。あと初期のナクソスではエンリケ・バディスのローマ三部作とかラフマニノフとか。マイナーな作曲家も多くて、聴いてみようというときには便利ですね。T書店が無くなってしまったのは残念です。

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  4. こんにちは。いまのNAXOS盤の値段を見ると、驚き桃の木山椒の木です。安かったからこそ、見た目が安っぽくても買い集めたのですが。初期は安かろう悪かろう的なものもあってのショスタコーヴィチの交響曲(スロヴァーク指揮)などは、音が瘦せてて「これ、ほんとにオケ?」と思ったほどです。いまはせっせとオークションに出品していますが、売れ行きは悪いです(笑)。

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    1. はい、高いです。
      初期の頃は鼻クソスなんて馬鹿にしてましたが、今になると演奏者の渋いチョイスには唸らされます。
      スロヴァークのショスタコは聴いたことが無いのですがあの時代に全集を企画するのは凄いですね。

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