2016年10月30日日曜日

O.Klemperer / NPO. Eine Kleine Nachtmusik

スピーカーの不調は今のところ再発せず。一体何だったのか?
機械に全く疎い七味。かなり狼狽えてしまった。
症状の再発に怯えながら音楽を聴く、というのはどうにも落ち着かない。そんな心配をよそに今日も音楽が部屋を満たしている。
最も心配なのがオーディオの故障あるあるその3、「保証期間が切れた途端、故障する」の発動である。

以前、夏の前だったかに、うな君にお願いして買ってきてもらったクレンペラーのモーツァルトBOX。今だにヘヴィローテーションです。全くもって聴き飽きません。その中でも、演奏も素晴らしいのだが、それ以上に目の覚めるような録音が素晴らしい一曲がアイネクライネ。64年、キングズウェイ・ホールでの録音。プロデューサーはピーター・アンドリィ、エンジニアがネヴィル・ボイリングのコンビ。
クレンペラーは56年にも録音していて、こちらはアビーロードで。レッグ&クリストファー・パーカーのコンビ。一般にはこちらの方が有名なのか。クレンペラーのアイネクライネといえば56年盤を指すようではある。56年盤は64年盤に比べて気力横溢、キビキビとした演奏。64年盤は56年盤に比べてテンポは遅くなっているもののこちらも気力に溢れ、弛緩は全く感じられず、甲乙つけがたい。録音は50年代EMI特有のやや寒色でオケ全体を見通すようなバランスだが高音域の抜け感が今一つ。アビーロードでの録音ということもあってか、残響も少なめ。
対する64年盤はなんといっても冒頭からスーッと伸びた高音域が印象的。EMIのキングズウェイ・ホールでの録音というと俯瞰的で、中央よりやや後方で聴いているような感じが多いが、このアイネクライネは編成が小さいこともあってか、やや前寄り眼前いっぱいにオケが展開するような録り方ながらホールの残響も適度に押さえられていている。
このBOXのアンドリィ&ボイリングのコンビによる録音は、レッグがEMIを離れて後、フィルハーモニアO.を解散。オケが団員による自主オケとなって活動し始めた64年以降のものばかり。ただアビーロードでのセッションばかりでキングズウェイ・ホールでのものは64年のアイネクライネだけのようである。
モーツァルト以外で、このコンビが手掛けたキングズウェイ・ホールでのセッションがあるのかどうか興味が湧く。手持ちのCDで調べてみたが、アンドリィ&ボイリングのコンビによるキングズウェイ・ホールでのセッションは残念ながら無かった。アンドリィの名前は散見されるが、ボイリングの名前が見つからないのはどうしたことなのか。謎である。


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