2017年2月23日木曜日

スクロヴァチェフスキの死

スクロヴァチェフスキが亡くなった。

昨年の秋、ミネソタ管のTwitterだったかに、スクロヴァチェフスキが脳卒中に倒れ、手術を受けたという記事が載った。
今年に入って、読売日響のHPの演奏会プログラムを見ていると指揮者未定・調整中という演奏会が散見され、曲目を見るとブルックナーだったので、スクロヴァチェフスキが指揮するはずの演奏会だなと推測できた。

脳卒中の「卒中」とは「突然当たる」の意で、突然病気になるということ。大きく脳梗塞と脳出血に分類されるが、スクロヴァチェフスキの脳卒中がどちらであるかは分からない。
脳梗塞は脳の血管が詰まり、詰まった血管が酸素や栄養を送っていた脳細胞が壊死してしまうもので、基本的には手術はしない。ただ、広範な脳梗塞(この場合、心原性であることが多い)の場合、脳が腫れあがってしまい、脳の圧力が上昇することがあり、開頭して除圧することがある。
脳出血は、脳の血管が破れ、脳内に血の塊ができる。以前は手術で血腫を除去することもあったが、手術はどんな手術であれリスクがあるので、近年はよほど大きな血腫の場合でなければ(手術を)回避する傾向にある。
つまり、スクロヴァチェフスキの脳卒中は脳梗塞であれ脳出血であれ、重度であったのだろう。
たしか、93歳。相当なお歳。軽微な脳卒中であったとしても復帰は困難だったのではないか。
今回、亡くなった原因については公表されていないようだが、重度な脳卒中の場合、誤嚥性肺炎を起こすことがあり、個人的にはそうなのではないかと思う。

スクロヴァチェフスキはステレオ初期からルービンシュタインのショパンのコンチェルトやマーキュリーのメンデルスゾーンやショスタコの5番など残しているが、注目を集めたのは何と言ってもブルックナーの交響曲全集だろう。隅々まで神経の行き届いた、微に入り細を穿つという表現がぴったり。やや線は細いと言わざるを得ないが、それでも当時、チェリビやヴァント、それにティントナーと並んでブルックナー演奏を牽引していたのは間違いない。
スラリとした指揮姿に短い指揮棒。分厚い眼鏡の奥の鋭い眼光。まことに印象的であった。

謹んでご冥福を祈ります。



2 件のコメント:

  1. HMVのHPには「脳梗塞」と書いてあったが本当かしら?
    今日の読売新聞朝刊には鈴木清順と同じ扱いの大きさで載っていた。こちらも「ミスターS」だな。
    南無阿弥陀仏、じゃないか、アーメンだな。

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  2. ミネソタ管のツイッターではstroke(脳卒中)となってた。まあ、脳梗塞かしらん。ミネアポリスで亡くなったようだ。ミネソタ州は五大湖の畔。ミネアポリスはそれでも内陸。緯度はシカゴよりも高い。
    鈴木清順の追悼で映画やってくれんかしら?

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