2019年11月4日月曜日

チェコ人は淡泊か否か?

先日、このブログにコメントを下さったクレモナさんから、チェコ系指揮者の「家路」のメロディはさっぱりとした演奏のように思うがどうか?といった主旨のコメントを頂いた。
果たして、どうか?ということで調べてみる。
調べるといってもCDのブックレットにある演奏時間をチェコ内外の何人かの指揮者で比べてみようというもの。
クレモナさんは”「家路」のメロディ”と仰っていて、「家路」限定でということのようなので楽章のタイムの比較はちょっと違う気がしないでもない。が、やってみることにしよう。どんな結果がでるか?

結果発表~!

1楽章
2楽章
3楽章
4楽章
総演奏時間
カラヤン   (85
958
23.5
1227
29.3
836
20.3
1125
26.9
4226
バーンスタイン
   (58
1100
25.5
1437
33.9
632
15.2
1058
25.4
4307

バーンスタイン
   (86
1229
24.9
1822
36.7
705
14.1
1210
24.3
4854
ジュリーニ(92
1010
21.7
1529
33.0
821
17.8
1254
27.5
4654
セル(59
839
21.9
1208
30.7
751
19.8
1055
27.6
3933
ターリヒ   (54
921
22.5
1242
30.6
806
19.5
1121
27.3
4130
アンチェル(61
905
21.1
1135
26.9
745
18.0
1434
33.9
4259
クーベリック
     (72)
927
22.3
1301
30.8
804
19.1
1147
27.8
4219
クーベリック
     (91)
907
22.0
1227
30.0
753
19.0
1204
29.1
4131

※楽章ごとの演奏時間の下の数字は総演奏時間におけるその楽章の演奏時間の占める割合です。演奏時間はブックレットに記載されているものを使用しています。


サンプルとした指揮者にも随分と偏りがあるし・・・。ノイマンいないし、この曲の代表的名盤ケルテスもナシ。
第2楽章の所要時間ではチェコ人の家路は淡泊、とははっきり申せないという結果と云えそうですが、最速のセルであっても楽章間のバランスは平均的。アンチェルただ一人が第2楽章と第4楽章のバランスが逆転しています。この辺りは発見でした。労多くして実り少なし、かなぁ~?

以上!

あ、お手持ちのディスクの楽章所要時間を教えて下されば計算いたしますです。

9 件のコメント:

  1. 幸せの黒い猫2019年11月4日 18:26

    数字が一杯で理系的な記事ですね。
    でも面白い比較ですね。
    とりあえず自分の持ってるレコードで
    ノイマン指揮のチェコフィルが
    9:19/12:17/8:17/11:14
    ケルテス指揮のウイーンフィルが
    9:40/11:45/7:35/11:05
    の表記がありました。
    でも録音年等は書かれてませんでした。

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  2. なかなか面白そうですね。
    当方の所有ディスクは、
    ・バッティストーニ/東京フィル(1楽章9分41秒、2楽章13分20秒、3楽章7分55秒、4楽章11分27秒)
    ・佐渡裕/ベルリン・ドイツ交響楽団(1楽章12分29秒、2楽章13分34秒、3楽章8分14秒、4楽章12分11秒)
    ・エリシュカ/東京佼成ウインドオーケストラ(1楽章9分40秒、2楽章12分48秒、3楽章8分33秒、4学賞12分32秒)
    以上の3枚をCDで持っています。
    他にLPでノイマン/チェコフィル、ケルテス/ウィーンフィルの2枚を盛ってます。
    それ程数は多くないですが、参考になればさいわいです。

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  3. 幸せの黒い猫さん ありがとうございます。
    ノイマン第1楽章9分19秒(22.7%)第2楽章12分17秒(29.9%)第3楽章 8分17秒(20.1%)第4楽章11分14秒(27.3%)Total 41分07秒
    ケルテス第1楽章9分40秒(24.1%)第2楽章11分45秒(29.3%)第3楽章7分35秒(18.9%)第4楽章11分05秒(27.7%)Total 40分05秒
    でした。
    ノイマンはカラヤン(85)に近い感じでしょうか。ケルテスはバーンスタインほどではないにしても第1楽章を比較的ゆっくりとしたテンポを取っていることがみて取れます。
    演奏時間だけがすべてではないですが、時折こんなことをやっております。これもクラシック音楽を聴く楽しみではあります。

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  4. 初めまして。
    自分の持ってるCDは
    バッティストーニ指揮の東京フィルハーモニー交響楽団が
    9:41/13:20/7:55/11:27
    佐渡裕指揮のベルリン・ドイツ交響楽団が
    12:29/13:34/8:14/12:11
    エリシュカ指揮の東京佼成ウインドオーケストラが
    9:40/12:48/8:33/12:32
    でした。
    LPではノイマン指揮のチェコフィルとケルテス指揮のウィーンフィルの2枚を持っています。
    決して多くはありませんが、参考になればさいわいです。

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  5. z-zaku2000さん
    始めまして。ありがとうございます。幸せの黒い猫さんのブログでコメント拝見しています。
    バッティストーニ第1楽章9分41秒(22.8%)第2楽章13分20秒(31.5%)第3楽章7分55秒(18.7%)第4楽章11分27秒(27.0%)Total 42分23秒
    佐渡 第1楽章12分29秒(26.9%)第2楽章13分34秒(29.2%)第3楽章8分14秒(17.7%)第4楽章12分11秒(26.2%)Total 46分28秒
    エリシュカ 第1楽章9分40秒(21.8%)第2楽章13分34秒(30.6%)第3楽章8分33秒(19.3%)第4楽章12分32秒(28.3%)Total44分19秒
    エリシュカは吹奏楽版でしょうか?オケ版は札幌交響楽団とのものが七味は持ってないのですが名盤と言われています。興味がお有りであれば是非聴いてみてください。ただ、残念なことにエリシュカさんは最近亡くなられてしまいました。
    佐渡の第1楽章は師匠バーンスタイン譲り。トータル46分もバーンスタインの弟子らしい演奏ですね。
    クラシックのことが多いですがよろしければまたいらしてください。

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    返信
    1. 仰るとおり吹奏楽版です。
      最近亡くなられてしまったので、彼が吹奏楽を指揮した最初で最後の演奏かと思われます。
      札幌交響楽団との演奏は機会があったら探して聴いてみようと思います。

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    2. 七味はこの吹奏楽版の存在を全く知りませんでした。ご紹介ありがとうございます。

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  6. 七味さんのブログは、凄いですね。私が、ちょっと、気になっていたことを言ったのに、沢山の方が、反応していただいて。「新世界より」の、第2楽章、「家路」のメロディの演奏の仕方が、指揮者によって違っていて(当然のことですが)、2、3聴いた、チェコ系の指揮者が、割とさっぱり演奏していたので、どうでしょうかと、尋ねたのが、始まりです。第2楽章の、演奏時間は、本当は、あまり関係がないのですが、皆様方、お手持ちのCDの、データを上げていただき、有難く思います。問題を投げかけた責任上、私も、手持ちのCD(一部ですが)のデータを、上げておきます。

    ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」(順不同)
             第1楽章 第2楽章 第3楽章 第4楽章
    ライナー/シカゴSO 8:47 12:27 7:33 10:28
    ケルテス/ウィーンPO 9:44 11:46 7:39 11:05
    カラヤン/ベルリンPO(58) 9:34 12:51 8:08 10:54
    広上/ノルショッピングSO 9:40 11:44 6:22 12:05
    フィッシャー/ブダペスト祝祭 11:25 11:21 7:21 10:55
    バーンスタイン/ニューヨーク 11:34 14:42 6:31 10:59
    シルヴェストリ/フランス国立放送O 8:48 13:26 7:57 10:44
    ビエロフラーヴェク/チェコPO(2013) 9:55 12:46 8:17 11:53
    アンチェル/ウィーンSO 9:00 9:40 7:25 10:58
    アンチェル/チェコPO 9:05 11:35 7:45 11:13
    ノイマン/チェコPO 9:34 13:31 8:15 11:19
    オーマンディ/ロンドンSO 9:11 13:21 7:37 11:40
    スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリン 11:46 11:19 7:50 10:49
    ヤンソンス/オスロPO 9:13 11:56 7:38 11:31
    クーベリック/ベルリンPO 9:32 13:04 8:08 11:51
    ノリントン/SWR      11:49 13:54 7:25 11:24
    ドホナーニ/クリーブランソO 9:15 11:48 7:50 11:41
    クレンペラー/PO      12:29 11:59 8:30 12:13
    ジュリーニ/コンセルトヘボウO 10:10 15:29 8:21 12:54
    プレートル/パリO       9:11 13:03 7:50 11:08

    七味さん指摘の、アンチェル/チェコPOの、第2楽章と、第4楽章の逆転は、第4楽章の所要時間が、もしかして、違っていないでしょうか?私のデータで、逆転現象が起こっているのは、広上/ノールショッピング、アンチェル/ウィーンSO、クレンペラー/POの3点でした。
    尚、「家路」のメロディの歌わせ方については、いいだしっぺの責任上、これから、手持ちのCDを試聴して、報告したいと思います。この旋律は、コールアングレという楽器で、演奏することになっていますが、これがまた、オーケストラによって、音色がまちまちなのです。これらも含めて、試聴します。いつまでと、お約束はできませんが、暇を見つけて、やってみます。

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  7. クレモナさん
    ありがとうございます。我ながらバカなことをやってしまった、と反省しきりです。
    ご指摘の通りアンチェルの第4楽章の演奏時間が違っておりました。正しくは11分13秒でした。14分-はカップリングの交響詩の時間でした。
    暇を見て訂正と頂いたデータを盛り込んで再掲できれば、、、いいなあ~(こちらもお約束はできませんが・・・)。クレンペラーはこういうのが結構あります。全体的に遅いテンポを基調としつつも緩徐楽章を速いテンポで演奏しているので、聴いていてだれませんね。クレンペラーマジック!
    ブログ画面右上に検索窓があります。キーワードを入れると関連するブログ記事が検索できるようになっています。よろしければ。

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