昼に飲んだビールが効いて午睡を貪ったのち、急に何だか暴力的な音楽が聴きたくなってショスタコーヴィチの交響曲第4番を聴いた。
聴いたのは、DGのチョン・ミュンフン/PHI盤。所有する4番のディスクのうちで最も録音は良い。録音が良すぎて以前のシステムではうまく再生できなかった。久しぶりに聴いたが、やっぱり録音は優秀。スマート&クールに過ぎ、曲の持つ音響の圧みたいなものが足りない気もしていたが、これはこれで良いと思える。
チョン・ミュンフンとPHIのショスタコーヴィチはこれだけだが、全集完成の意図はあったのかなかったのか。記憶している限りではコッホにザールブリュッケンと14番を録れていたし、バスチーユとはマクベス夫人も録音している。調べてみるとCSO Resoundに5番があった。
しかし、フィラデルフィアの箆棒な上手さと言ったらない。全く破綻がない。フィラデルフィアのショスタコーヴィチというと、オーマンディの時代に結構まとまった録音がRCAとCBSに残されてる。ムーティの5番だけEMIに録音している。あとはヤンソンスが何番だったか?11番だったか。オーマンディの4番もなかなか見通し良い演奏で好きだ。
チョン・ミュンフンは師匠筋にあたるジュリーニよろしく、あまり録音には熱心ではないようで、レパートリーは膨大であろうが、その中から納得いくものを厳選して録音しているのかリリースは少ない。まああんまり熱心に追っかけているわけではないが、最近はソウルのオケとの録音が多いのか?とも思ったが調べてみるとSKDとのディスクがちらほらとある。
フィラデルフィアに限らず、ショスタコーヴィチをもっと録音して欲しかった。
この交響曲第4番はショスタコーヴィチの交響曲の中でも13番と並んで曰く付きの曲。
ウィキペディアによると1936年、初演の直前になって作曲者によって演奏撤回されている。当時のプラウダ批判によって、粛清を恐れた作曲者による演奏撤回といわれている。25年後、コンドラシンによってようやく初演されたが、その時すでに総譜は紛失しており、パート譜から復元されたスコアをもとにしているという。
ということは36年時と25年後の初演時では音楽が違っている可能性が高い。何かの本で全くの別物、という話を読んだことがある(忘却)。
36年の時点で、当時ソビエトを訪れていたクレンペラーがピアノ演奏を聴いて是非、南米での演奏会で取り上げたいと希望したという話もあり、36年の初演(未遂)時は一体どのような音楽だったのか気になる。ミステリアスさでは15番と双璧か。
総譜が紛失、というがどこかから出てこないものか。ある時、フッと楽譜が出てくるなんてのはクラシック音楽ではよくあることだし。
今日は夕飯に鮭大根を作った。ちょっと塩っぱい(失敗)作。晩酌のアテには最高。
あっという間に休日も終わり。ちょっと気が重いが明日から仕事頑張ろう。
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普段は荒巻鮭のアラで作るが、 売ってなかったので、カマで代用。 味噌仕立て。 |
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DG 447 759-2 |