2015年1月24日土曜日

LB/NYP Sibelius Sym.3&7

NFLもSBまで中休み。

バーンスタインのシベリウス第3弾。3番と7番です。
こちらも1番、2番同様オークションで落札、といっても自分以外誰も入札せず、簡単に落とせた。これまでオークションでCDは落札してもLPは控えていたが、盤質、音質にあまりこだわらなければ問題なさそうとの感触。それでも2000円ぐらいまでか。

この3&7はイギリス盤。盤質はまあまあノイズが乗るが許容できる範囲。音質は正直イマイチ。まさしく当時のCBSの音そのもので、オンマイク気味な硬質で潤いの無い音だ。当初、とても歪みっぽい音がしていた。ビリつく感じだった。音がビリつく場合は多くの場合ターンテーブルの水平が取れていないことが多い。御多分に漏れず、わずかながら傾きが生じていたのでそれを修正。左右フロントの足の下に牛皮シートを1枚挟んだ。すると見事にビリつきが軽減し聴きやすくなった。

3番は自分の中では、シベリウスの交響曲中でターニングポイントとなった曲という認識。第3楽章の決然としたテーマはその後のシベリウスの進むべき方向性を示しているようで地味な扱いながら好きな曲だ。バーンスタインはそれを共感をもってストレートに表現している。7番はシベリウスの交響曲の集大成という位置づけ。こちらは比較的落ち着いたテンポで堂々たるドライブをみせている。
あまり左右に広がらない録音と相まって音楽は中央から上方に立ちのぼる感じ。残念なことにレンジが狭いようで良く言えば濃密、悪く言えばやや詰まった感じがあって今一つバーンスタインの音楽が伝わりにくい。想像だがCDのほうが音が広がっているのかも知れず、もう少し見通し良くきけるのではないかと思っている。

バーンスタインのシベリウスを聴いてのこれまでの感想ですが、正直期待しすぎたのか、少々物足りないです。悪くはないけれど何かが足りない。完成度としては60%ぐらいかと思う。しかしチャレンジという意味で評価されてよいのではないかと思うし、バーンスタインだから、とかアメリカのオケの演奏だからということだけで切り捨ててしまうのは勿体ない。この録音がなされた頃はカラヤンがいくつか録音していたけれど、全集としては北欧圏・英国以外ではマゼール/VPOぐらいしか(もしかしたらオーマンディがいれていたかもしれない)なかったのではないか。当時のCBSがバーンスタインの希望どおり録音させていた事情もあるけれど、バーンスタインの中のシベリウスの位置付けとか認識というのは当時、やっぱり画期的、革新的だっただろう。デッカのマゼール盤は録音の時期もそうだが、演奏・録音、それにマゼールの、というより(当時の)VPOのシベリウスという話題性もあって現在でも評価は高い。それも致し方ないか。
面白いのはVPOと録音したマゼールがPIT(ピッツバーグSO.)と再録音し、NYPと録音したバーンスタインが晩年、VPOと再録音に取り組んだこと。なにか因縁めいているように思うのは自分だけか。レニー、もしかしたらマゼールに対抗心があって・・・とか、なんてね。録音時期が結構接近しているのもアヤシイ。結局はただ単にセールスとしてVPOのネームバリューが高い、ということだろうけども。VPOとの全集が完成しなかったのは返すがえすも残念。

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