2016年4月9日土曜日

不謹慎にも・・・ 「と盤」のしくじりの続きとユーザーレヴュー

今日はご近所のお葬式に参列してきた。
実はお葬式がとても苦手だ。まあ得意、って人がいるのかどうか知らないが。何が苦手ってお線香の匂いが苦手で鼻が痛くなるのと、あの厳粛な雰囲気がダメだ。元来、人がたくさんいるところにはあまり行きたくない性分。ここ数年、お葬式に参列する機会が多くなって困っている。亡くなった方やそのご遺族には大変お世話になったわけだし悼む気持ちはもちろん、ある。だけどアノ雰囲気がね・・・。式の途中で冷や汗に軽いめまい。気分が悪くなることもしばしば。これってトラウマ?でも途中で退席するわけにもいかず苦痛の時間が長い。
で、お葬式を無事にやり過ごす方法として、お寺さんの読経に耳を傾ける、ことをしている。

※以下は宗教に全く無知な人が書いています。用語など正しい記述かどうかは疑問です。
今日のお葬式は真言宗で執り行われた。真言宗は密教系だったかと思うが、他の宗派と比べて鳴り物が豊富で不謹慎と思いつつも面白い。おッ今日は密教系か、楽しそう、なんてネ。不謹慎だよねえ。鳴り物も何かちゃんとした意味があってのことなのだろう。鉦を叩いたりシンバルみたいなのをシャンシャンと擦り合わせたり、独鈷でお数珠を擦るとか、何か棒で机のものを叩くとか。密教系はまるで現代音楽のよう。特に独鈷でお数珠を擦る音はウインドチャイムのようにとても澄んだ音がしていて好きだ。

さて、以前の記事、「と盤」のしくじりに関連して評論家の話を補足しる。
その記事で紹介した「クラシック名盤&裏名盤ガイド」シリーズは当時新進~中堅の音楽評論家の共著であるが、その後のクラシック音楽CDの国内盤市場の縮小によって音楽評論家の活動の場は減っていることだろう。書ける媒体がなければ評論という行為が成り立たないのは自明のこと。合わせてネットの隆盛によって一般の音楽ファンやユーザーがブログ、ネットショップのレヴュー欄や掲示板を使ってレヴューを書くようになると、音楽や演奏の批評において評論家の必要性はなくなりつつあるように思う。音楽や演奏の批評を生業としている評論家はあまり乱暴なことも書けないだろうし何かと制約もあるだろうが一般のファンやユーザーに超えてはいけない一線は基本的にない。自由に書ける。書き手が読み手になり、読み手が書き手ともなる。そこには上下の関係はなくなり、横のつながりが出来上がる。そうなると評論家の需要は一層なくなる。2chでは評論家自体が評論の対象となって揶揄されたり話のオカズにされている。音楽関係の雑誌はまったく買わなくなったおかげで、現在活躍中の音楽評論家が書いた文章を目にする機会はない。Cdの購入にあたって参考にするのは皆さんのブログやショップのユーザーレヴューがほとんど。皆さんはどうしているのかしら? ユーザーレヴューをしがらみのない自身の意見の率直な表明とするならば購入の参考にするなら非常に有用だ。でもちょっとがっかりしたりカチンと何か心にひっかかるものも散見される。

こんなことをつらつらと書いたのもちょっと前に、あるショップのユーザーレヴューを読んでいて気になるレヴューを見つけたから。
それはこんなレヴューが発端。少し長いが引用する。ある交響曲のレヴュー。レヴュアーの名前は伏せますね。
終楽章はまさに特撮モノ。空中戦です。ウルトラマンAを思い出してしましました。(中略)勝利を鼓舞してはいません。むしろ勝利は善なのか?という無感情が漂います。超獣はヤプールによって変化させられた人間なのです。死の瞬間に人間の心を取り戻すのです。(中略)全集の他の演奏に比べて少しばかり音が軽いのが残念です。
このレヴュアーはこの演奏をウルトラマンの怪獣(超獣)に譬えています。なかなか斬新で、自分には理解できないところもありますが面白いですし人それぞれどのように感じようと構わないと思っています。このCDを持っていますが実際、軽い(笑)。全集全体が軽い、と思う。書いた人は20代後半~30代前半くらいかなあ。
で、これを受けての別のレヴュアーが書いたのが下のやつ。長いうえに一部伏せてあります。ご容赦を。
大変素晴らしい演奏だと思う。音質も決して悪くない。最良である。(中略)その曲の評価を決めるのは聴き手個々の受取り方ではないだろうか?少なくとも、私は政治的なことについてコメントしたくない。また、私の前にコメントした人物がウルトラマン云々と書いているが、彼は芸術に恐らく携わったことのない人間なのだろう。そういう「軽い」人間が神聖な「クラシック音楽」を「軽い」とか特撮ドラマのヒーローに例えるなど言語道断だ。私はアマチュア芸術家だが、オーケストラで第1ヴァイオリンを弾いている。この楽曲を演奏した時の感動を想起せずにはいられない。○○指揮の○○交響楽団は大変完璧かつ感動的な演奏をしている。是非、このディスクを聴くことをお薦めしたい。

このレヴューを読んで、非常にカチンときた。特に赤い文字のところ。何でしょう?とても鼻につくんです。傲慢な物言いがひっかかったんでしょうね。
二ヤリとしたのは、この人がクラシック音楽を「神聖」なものと思っているところ。どう思おうと自由ですが、そんなにクラシック音楽は尊く、犯しがたく清らかで穢れないものなのか?そんなに清らかなもんじゃないように思いますがね。私は。

自分も傲慢な物言いをしていないかと自戒も含めて書いてみた次第。この記事も個人攻撃になるのではという不安はあるが。でもどうしても言いたかった書きたかったのよ。皆さまのご意見を頂戴できれば幸いです。


4 件のコメント:

  1. こんにちは。先回の変なコメントすみませんでした。
    記事、面白く読みました。私もほぼ同じように思います。
    赤字のところはね~ 率直な怒り方が面白いと思いました。

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  2. こんにちは
    ありがとうございます。今日は暖かいですね。午後からはビールをやりながら音楽を聴きます。
    このブログに限らず、謙虚に行きたいものです。はい。

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  3. こんばんは。私も葬式は苦手です。最近はほとんどが椅子席なのでまだいいのですが、座布団に座るというのが全く駄目です。正座を長くしているとなぜか足の裏がつります(しびれは当然ありますし)。椅子席でも、あの窮屈な空間が苦手です。

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  4. MUUSAN
    お久しぶりです。お葬式で苦手といえば鐘の音も耳がどうかなるんじゃないかってくらいの音ですね。最近はホールで執り行われることが多くなって正座が減りましたね。といっても自分はずっと胡坐でした。

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