さて、吉村昭の「蚤と爆弾」を読了。小説の形をとっているが主人公の曽根は大東亜戦争で731部隊を率いた石井四郎がモデルとなってる。タイトルの蚤は日本が戦時中に推し進めた生物戦の象徴。そして爆弾は日本の風船爆弾とアメリカが開発、広島と長崎に投下した原子爆弾を表している。「蚤と(風船)爆弾」または「蚤と(原子)爆弾」ということか。731部隊については森村誠一が81年に「悪魔の飽食」と題して発表したが吉村昭のそれは約15年早い、70年に「細菌」という題で発表されている。精緻で、誇張のない筆致で書かれた文章は取材の丁寧さが読み取れる。
何だか急にメンゲルベルクが聴きたくなって、ベートーヴェンの全集を引っ張り出して聴いている。3番以外は40年4月の連続演奏会の実況録音。3番はその半年後のテレフンケンの録音が使われている。最近になって4月の演奏を収めたディスクも出た。
久しぶりに聴くメンゲルベルクであるが、40年の録音としては比較的良好な音だろう。マスターは盤だろうテープということはあるまいが、スクラッチノイズなどあるにはあるが聴取に耐えられない感じはない。
現代におけるメンゲルベルクの扱いはキワモノに近い。極端なデフォルメを施した厚化粧の演奏を期待する感じがあるが、少なくともベートーヴェンについていうなら、ザッハリヒではないが割とスッキリとした演奏なのではないかと思う。テンポは総じてゆっくり。楽想の終わりで少しテンポを緩めるあたりは聴いていて上手いなあと思う。呼吸が自然で深く、抱擁力のある音楽が心地よい。
最近、エースコックのわかめラーメンのコマーシャルが復活。以前は石立鉄男が「お前はどこのワカメじゃ?」などと言っていたが今は柳沢慎吾が言っている。モノマネから駒である。このパターンとしては、ルパンの栗田貫一がある。
で、この三人を並べてみた。でも並べてみると全然似てない。
篠山紀信 |
石立鉄男 |
メンゲルベルク |
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