暑い。因みに新潟弁では暑っちぇー(あっちぇー)という。涼しいは新潟弁でも涼しい…、だと思う。自信ないけれど。
ラフマニノフのシンフォニック・ダンスはアメリカ亡命後、晩年の作品。確か遺作だったと記憶している。スヴェトラーノフとソビエト国立SO.のLPは高校生の頃に買ったもの。他にもマゼールやラトル盤が当時は入手可能だったと思うが、こちらはメロディアの廉価盤。その頃上越市の直江津にあった世界レコードというお店で買った。この店のレコード袋はカラヤンの横顔がプリントされていた。今になってとっておけば良かったなと思う。でも著作権や肖像権はどうだったのだろう?この店も既に無い。この世界レコード、レシートが次回の割引券になっていた。2800円のレシートを持っていくと1割、割引してもらえた。これもうれしかったなあ。期限はなかったと記憶している。今考えるとなかなかの太っ腹であった。この店の店長はTさんといって小柄で一見、冴えない感じのおじさんであったがクラシック音楽の知識もさることながら、LPのキズの修復なども上手く何度かお世話になった。市民吹奏楽団の団長もされ、近隣の音楽好きの中高生などから一目置かれる存在だった。
閉店後は仕事を変わられてしまい、お会いすることもなくなってしまった。
今、ネットでこの世界レコードを検索すると店名が災いし、世界記録やワールドレコードとなってしまい検索できなかった。七味、青春の思い出で、でした。
シンフォニック・ダンス、交響的舞曲にはラフマニノフの代名詞ともいえる「怒りの日」のモチーフが用いられている。曲想もラフマニノフらしくドラマティックかつモダンだ。終曲が特にカッコイイ。
スヴェトラーノフの演奏はこの曲を強靭な意志でパワフルにドライブし尽くした名演だ。欧米のオケや指揮者にはないゴリッとした感触が堪らない。
スヴェトラーノフ盤は72年の録音。弦がとても艶やか。当時のメロディアの録音技術の高さが伺われる。といってもモスクワでのセッションに限った話。レニングラードでのセッションはホールの関係なのか機材なのかはわからないけれどモスクワのそれとは一段、落ちるように思う。しかしそれもアナログ末期からデジタルへの移行期には体制の硬化とともに欧米に大きく水をあけられてしまった。メロディアは録音が悪いというのが通説だが、玉石混淆というのが正しいかもしれない。ムラヴィンスキー/レニングラードO.のウィーンライヴで評判を大きく落としたのも要因かと思う。もう一つ、日本では日本ビクターが発売元になっていたが日本ビクターのリマスタリングが丁寧だったことも良い結果をもたらしたように思う(xrcdを聴くと良く判ります)。といっても参考となる盤が手元に少なく、推測や個人的な印象でしかないのだけれども。
このLP、一時期、CD化されているだろうかと血眼になって探したけれども見つけることは叶わなかった。LPが聴けるようになってからは探すこともしていなかったが現在はRegisというレーベルから出ているようだ。よかった。このまま埋もれさすのはもったいない1枚である。ちなみに後年キャニオンに再録音されたものは入手しやすい。こちらも好録音で名演。甲乙つけがたし。
なつかしいなあ!
返信削除このジャケ見ると、吹雪と受験勉強を思い出します(夏なのに)
当時はカセットにダビングしたよねえ。レベル調整とか、時間足りるかとか心配しながらねえ。でもそのおかげでLPは良い状態を保っています。
返信削除ホント、このLPに限らず、LPのジャケットはあの頃を思い出させてくれます。
Tさん、どうしているかなあ。