2022年5月15日日曜日

群響第578回定期公演

もうね、実際にこの目でこの演奏を観れただけで幸せ。これに尽きます。

群響の定期演奏会にお邪魔するのは井上道義とのショスタコの10番以来。過去の記事を見ると2016年の5月となっているからもう6年も前のこと。その当時は群馬音楽センターが会場だったが、今回は高崎芸術劇場という新しいホール。高崎駅からは徒歩5分くらい(群馬音楽センターは20分ほど)で駅からプロムナードで直結という立地の良さ。今回はこれに助けられた。
ホール内は赤味がかった感じで、これは柏崎のアルフォーレに似ている。最近のホールの流行りなのかも。

演目は今年生誕150年のRVW。プログラムの3曲すべてがRVWというアニバーサリーにしても意欲的なプログラム。
元チューバ吹きとしてはチューバ協奏曲も楽しみであったがメインに据えられた交響曲第9番が一番のご馳走。前半は交響曲第5番というこちらも十分メインとなりうる一曲。
会場はほぼ埋まっており、恒例の渡辺和彦さんによるプレトークあり。しかし、興奮しきっていたウィッチはあんまり頭に入ってこなかった。

指揮の大友マエストロは以前音楽監督を務められていた。現在群響は音楽監督を置いていないようで、23年4月より常任指揮者に就任する飯森範親をアドヴァイザーに迎えているよう。大友マエストロの指揮を実際に観るというのも初めてだったが立ち居振る舞いがとてもジェントル。端正な指揮ぶりも良し。
オケは14型(Cbは7)。このコントラバスが1本多いのが両交響曲では効いていたのではないかと思う。
5番はコロナやウクライナでの戦闘といった時節柄、深い祈りと慰めに満ちた演奏。冒頭はまだオケが音楽を掴みきれていない感じで少し探り探りという感じであったが楽章が進むにつれて次第に指揮に導かれて音楽に入り込んでゆく様は観ていて感動、ついつい落涙。
チューバ協奏曲はアマチュアのチューバ吹き憧れの一曲。この曲を知ったのは社会人になってからだけど、仲間がソロ譜を持っていてよく吹いていたっけ。ウィッチも少し吹いてはみたものの全く歯が立たなかった覚えがある。
この曲は聴けるだけでいいと思っていたが、ソロの首席チューバ奏者松下さんの上手いこと。特に第2楽章ロマンツァはホント良いものを聴かせて頂きました。
つい独奏のチューバにばかり耳(目?)が行ってしまいがちだが、オケも合わせるのは結構難しそうな曲と思った次第。
第2楽章の終わり頃に客席でスマホの着信音が鳴り出すハプニング(自分の席の3~4列前あたりと思われる)。それほど大きな音で無かったが、弱奏部分でステージにも聴こえたのではないかと思う。20秒ほど鳴り続け、音楽と合わせるように止まった。
メインの9番はサクソフォンが3本(アルト2、テナー1)、フリューゲルホルン、ハープ2台、チェレスタ、ゴング、チャイム、ティンパニも1台追加で入る、CDで聴いているだけでは分からない結構大きい(変則的?)な編成にまず驚き。
サクソフォンが終始効いていたと思う。ジャズ風なところもあり、なんか重力が無くなるような、どこにいるんだろうというような不思議な浮遊感がある。フリューゲルホルンのソロも良かった。
今回は万難を排して、一階の中央後方という良席を確保。ほぼセンターで聴くことが出来たこともあって、管楽器・打楽器のマッシブな直接音がしっかり届いて迫力も申し分なかった。
ミステリアスで内省的な音楽で少々とっつきにくい感じがしていたが実演を聴いてみると楽器の動きがよくわかって良かった。理解が進んだかというと何とも言えないが一段と好きになったのは確か。

たぶん、RVWの交響曲を実演で聴くなんてことはこの先あるまい。次は没後100年かと思っても2058年ではウィッチは生きてはいまい。

終演後、急ぎ駅に向かう。18時台の新幹線にはギリギリのタイミング。が、駅に着くと新幹線が1時間強の遅延という。遅れていた17時台のにタイミングよく乗れて予定より1時間以上も早く帰ることが出来た。
今回もやさぐれさんと駅で合流。あまりお話しできなかったが感謝です。




4 件のコメント:

  1. 幸せの黒い猫2022年5月15日 12:39

    昨日行かれてるなと思いつつ過ごしてました。
    良い一時のようで良かったですね。
    やっぱりセンターで聴きたいですし
    良い席が取れて何よりです。
    新幹線での往復なら疲労も少なそうですね。
    とは言えコンサートにマナーモードにしない方って
    困ったちゃんですね。

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    1. 幸せの黒い猫さん
      ありがとうございます。結構ざわつきましたね。これは自分も気を付けなければならないです。

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  2. お疲れさまでした。というか、よかったですね。
    RVWはほとんど知らないのですが、記事からコンサートの雰囲気が伝わってきます。やっぱり生演奏はいいですね。
    高崎は新潟市開催より楽なのではないでしょうか。新潟県は不便ですね。

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    1. ありがとうございます。
      他の曲も聴いてみたいですが、なかなか難しそう。今年は第九をどうにか聴いてみたいなあと考えてます。
      上越からだと不思議と他県のほうが行きやすいという、ね。まあ開演時間も良かった、というのもありますね。

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