先日、BSプレミアムのベルリン・フィル ジルベスター・コンサート2013の中継のなかでハチャトゥリャンのガイーヌ組曲を演奏していた。このコンサート、以前は大晦日の深夜というか元旦の午前1時頃からライブで放映していたがここ何年かは字幕などを付けてこの時期に放映している。
BPOとハチャトゥリャン、なかなかお目に掛かれない組み合わせ。土俗性は後退しているが、さすがベルリンフィル。これほどシンフォニックに響くガイーヌは聴いたことがない。楽団員も楽しそうに弾いていた。
若い若いと思っていたラトルのだいぶ老けた印象。貫禄がついたといった方が良いか。以前のような曲の隅々までコントロールしないと気が済まない感じはあるが同時に余裕みたいなものも出てきたように思った。
メインはラン・ランとのプロコのピアノコンチェルト第3番。まさに機能美の極致。ラン・ランの3番は以前アムステルダムコンセルトへボウO.の150周年ガラコンサートで3楽章の演奏を見たがこれも今回同様テクニックは抜群だった。涼しい顔で弾ききる様は痛快ではあるが、何か底が浅いというか、それだけじゃないよなあ~、プロコってという感じ。
さて、ガイーヌは組曲版が多い。作曲者の自演盤というのもイイけれど、自分はマーキュリーのドラティ盤をよく聴いている。録音は古いがホールの大きさがよく判る録音。ホール側面の反射音がよく捉えられていて空気感もよく出ているので自分はオーディオチェックに良く使っている。オケはロンドン響。60年、ワトフォードタウン・ホール。c/wはスクロヴァチェフスキのショスタコーヴィチの5番。こちらは若きミスターSのスリムな演奏。ややデッドな録音となっている。
ちなみに、このCD、国内盤は未聴ながら、マーキュリーのCDの傾向として国内盤は輸入盤に比べ音のフォーカスがやや甘く、ベールを1枚かけたかんじの音質のようだ。輸入CDはオリジナルのプロデューサー、ウィルマ・コザート・ファインが監修していることライナーに明記されている。最終的な音質についてコザートが決定しているのだろう。国内盤にはそのような表記がない。このあたりが音質の違いを生んでいるように思われる。それでも国内盤だけを聴いたなら十分に良い音だとは思う。
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