先のブログにも記したとおり、七味はこのピアニストについて名前を知っているに過ぎない。
プログラムのブラームスのソナタ第3番も聴いたことがない。ショパンのスケルツォは昔、ルービンシュタイン、今はポリーニのディスクで聴く程度。
今回はあえて予習などしない、予断を持たずにリサイタルに臨むことにした。
しかし、風の街柏崎。寒かった。駅前のホテルから5分ほど歩いて会場に向かったが風が身を切るほどに冷たかった。
客席は8~9割がた埋まっておりまずまずの入り。どちらかというと女性が多かったように思う。
まずはブラームス。最初の一音がまるで弦から放たれた矢のように2階席に飛んできた。しばらくの間息をするのを忘れてしまうほど。
力強く曇りのない打鍵、明晰な音。世界の第一線で活躍するピアニストとはこんなにも凄いものなのかと。
このソナタ3番は初期の作品というがしっかりとブラームスしているなかなか意欲的な作品と感じた。できればブラームス録音してくれないかなぁ~、欲を言えばこのアルフォーレで。
20分の休憩をはさんで後半のショパンはもう、なにも言うべきことはない堂々たる演奏。圧巻だった。普段、ショパンはあまり聴かないが、こんなショパンは聴いたことがないし、今後も聴ける機会はなかろう。
昨夜は譜面を用意しての演奏(いつもそうなのかはわからない)で譜面をめくりながらピアノを弾いていた。譜めくりの際の休止がまた、音楽に余韻を効果的に加えていたのではないか。
アンコールはマズルカから3曲。リラックスしたなんとも余韻溢れる演奏だった。
会場のアルフォーレも素晴らしい音響だった。聴いたのは2階席の3列目のやや右寄りで天井がすぐ上にあるような感じだったが音が籠るようなこともなく粒立ち良く耳に届く。客席数約1100席だが2階席もステージに近い感じがしたし、ステージ上の天井が高いことも音がよく届く要因ではないだろうか。
会場客席もとてもマナーがよく、ツィメルマンがステージに現れ軽く会釈をし、ピアノに向かうとスッと拍手が鳴りやむ。この拍手が鳴りやむ一瞬の響きには鳥肌が立った。そんなのは初めてだった。一気に出てくる音楽に集中しようとする観客の心が伝わってくるようだった。もちろん演奏が終われば惜しみない拍手を送る。
演奏者と会場が一体となったとても素敵なリサイタルだった。
アルフォーレ前景 |
演奏のすばらしさ、会場の雰囲気の良さが伝わってきました。すっきりとリフレッシュされたのではないでしょうか。
返信削除うらやましい!
返信削除今は無理です
Kazuさん
返信削除ありがとうございます。ツィメルマンの演奏もとても良かったのですが、観客の演奏される音楽に対する姿勢にいたく感動しました。
機会があればぜひ一緒に行きましょう。
雪だるまさん
返信削除ありがとうございます。
雪だるまさんも機会があれば是非!
お母さまの様子は如何ですか?同じ介護者として雪だるまさんの体調も気になるところです。
アンプは快調そのもの。音楽を楽しんでおります。
七味とうがらし さん
返信削除お気づかいありがとうございます。
母の調子は退院時病院で説明を受けた時点から見るとものすごく良好です。
この冬も無事乗り越えられそうです。
この調子を保つのが今の目標です。
多少眠いですが私の体調も良いです。
デイサービスの日に音楽を聴いていますがほとんど寝ています。
ぜひどこかの時点でお会いしたいと思っています。
雪だるま さん
返信削除お返事ありがとうございます。
お母さまの体調が良いというのは何よりですね。実は七味は自宅で母の介護していた際、うつになりました。今はすっかり復調しています。
介護する者の健康が何よりも介護される人の健康に大事、とその時身をもってわかった次第。決して無理はなさらないでください。
ぜひお会いしたいと思います。その時を楽しみにしております。
暖かかくなりつつありますが風邪など召さぬようご自愛ください。