2020年3月7日土曜日

ベーム トリスタンとイゾルデ びわ湖 リング 神々の黄昏

お昼に予約していた歯医者へ。
先々週から左下顎が腫れていて、熱いもの・冷たいものが触るごとに激痛に見舞われている七味。先週の受診では噛み合わせの悪さを疑われて結構歯を削られ、様子を見てくださいといわれたものの、痛みは引かず、さらに一週間我慢する羽目に。
今日は、神経を抜いてもらった。
麻酔をして歯を削るわけだが最初は麻酔が全然効いていなくてドリルを当てた瞬間に激痛。その後麻酔を盛ってもらい無痛に。
口の中の治療ゆえ、しかも口内の感覚も定かではない状態。何をされているのかは想像するしかない。ただ、音がガツガツ・ゴリゴリと聴こえるので何かを削り取っているような感じ。結構長い時間ヤラレテいたように感じる。治療が終わってすっかりゲッツリしてしまった。
でも、あの痛みがウソのように無くなった。それだけでもあの治療中の痛み、苦痛に耐えた甲斐はあったというもの。

家に帰って、先日届いたCDからベームのトリスタンを聴く。最初の一音でノックアウト。素晴らしすぎる。66年の録音だが古さは全く感じない。なんならクライバー盤より良いかもしれない。
イゾルデ役のニルソンも凄いっす。
それにしてもベームの指揮の上手さよ。七味がクラシック音楽を聴き始めた頃、ベームはすでに亡くなっており、70年代後半にWPh,と来日した頃には学者然とした風貌もあり好々爺的な尊敬を集めていたように思う。ヴァント、チェリビ、スクロヴァチェフスキと続く巨匠崇拝のはしりだったと思う。
晩年のWPh.との演奏はオケの方が演奏を盛り立てるようなところもありこれはコレで名演で、もちろん好きなのだが、どこか”この爺さんのために一丁、やってやるか!”な感じがしないでもない。
しかし、このトリスタンは違った。録音当時は70歳くらいか。もうグイグイと音楽を引っ張っていく。歌手も素晴らしいのはもちろんだが、ベームの指揮が大きくものをいう。これがあったからこその晩年のアノ演奏なのだろう。
と、忘れてた!

びわ湖ホールのリングチクルス「神々の黄昏」のyoutubeライブ配信!13時から。
第1幕第1場には間に合った。
チケットは即日完売したものの、今回のコロナ騒動で無観客での上演に踏み切り、しかもそれをyoutube で無料ライブ配信するという。
急きょ決まったことで専用のカメラやマイクがあるわけでなし。固定カメラと付属のマイクでの放送のよう。画面も粗いが素晴らしい公演だった。スマホ片手にツイートしながら、見ながらの鑑賞は新鮮。約1万人が観ていたようだ。途中、寝落ちしたものの、第3幕には間に合った。七味もラストのブリュンヒルデの自己犠牲のところで涙腺が崩壊。
見事なカタルシス。
今回の舞台の演出・美術はワーグナーのト書きに沿った演出、らしい。ギービヒ家の窓から見えるライン川がびわ湖に見えたりもしたが、それも良しだ。
またプロジェクションマッピングを用いた場面転換や舞台背景の変化(雲の動きや川の流れが変わることで心情を表したり、次の場面を予感させる)も効果的で良かったと思う。

終幕後のカーテンコールは無音。観客のいない伽藍とした会場。本来なら盛大な拍手とブラボーの掛け声があったはず。なんともやるせない気も。画面のこちら側の1万人が拍手していたはずです。素晴らしかったです。
明日もキャストを変えての公演がライブ配信されるそう。




                     

4 件のコメント:

  1. おはようございます。お久しぶりです。七味さんもいろいろあって大変でしたね。私も生活環境(仕事環境)が変わって全然落ち着けない日々です。大阪で中断してしまった歯科治療にも行かなければならないのですが、めどが立ってません。やれやれです。って、愚痴ってすいませんでした。

    返信削除
  2. MUUSANさん おはようございます。
    治療した歯(歯茎)の痛みで目が覚めました。
    環境の変化は大変なのだろうなぁと思いつつ、拝見しています。愚痴?どんとこいです。

    返信削除
  3. 幸せの黒い猫2020年3月8日 12:31

    新型コロナウイルスで
    無観客ネット配信のイベントが多いですね。
    集団感染のリスクを考えると仕方ないでしょう。
    今月ジャズライブに行く予定で
    ライブはやるみたいですが
    万が一を考えて敢えてキャンセルして
    今回のライブは行くことを止める事にしました。
    ライブ、コンサートを中止される方
    続行される方それぞれ考えが有るでしょうが
    どちらも悩むところでしょう。
    病院も熱や咳の有る方は院内に入らず
    車で待機を求める所も有ったり
    本当に物々しいです。

    返信削除
  4. 今回のオペラの無観客上演とライブ配信は観ていて切なかったです。でも観れて良かったとも思います。
    オペラ観劇はライブハウスなどと違い、それほど感染リスクは高くない(観客と観客が密接に接することは少ないのと、声を出して歌ったりすることがない)と思うのですが、イベントの自粛・縮小ムードの中仕方ないという気もします。
    >車で待機
    コレはコロナに限らずインフルの際も行われる措置で、感染症が疑われる場合は普通かと思います。
    検査がされず重症化したり、いくつも医療機関を受診して感染を拡げてしまうケースが多いようですね。症状が4日間続いたら、というのはそんなに待てないですよね。中高年の感染者が感染を拡げている(クラスターを形成している)ケースが目につくなど、政府の対応とのちぐはぐさが気になるところです。

    返信削除