2020年9月20日日曜日

4連休も2日目 ヤマカズさん、やっぱり凄い

ジョン・ウィリアムズのCDと一緒に購入した山田一雄のディスク。N響とのマーラーの5番&モーツァルトのプラハ&ジュピター、都響他とのマーラーの8番、それに札響とのLvB全集。すべて一発ライブ録りのようなので、音質についてはあまり言う事はない。諦めている。

2枚組。N響とのマーラー5番&プラハは85年、NHKホール。スイトナーの代役での演奏。ジュピターは90年サントリーホールでの演奏。音の佇まいは明らかに90年のサントリーホールが上。85年のNHKホールはどうにも低音モコモコで高域の潤いに欠ける。リミッター掛かってる?その前年のマタチッチのブルックナー8番と比べても数段落ち。仕方なく、低域を絞り、、高域を持ち上げて聴いている。
演奏は何と言ったらよいだろう?マーラーは、何かオケに指揮者の意思・意図が十分には伝わらないようなもどかしさを感じる。2楽章に入って少し解れてくる兆しはあるのだが、結局最後まで解決しない感じで、ちょっと不完全燃焼。動画では演奏後も納得いってない感じのヤマカズさん、ではある。ヤマカズさんの指揮がわかりにくい、という事に加えて、元々スイトナーの代役ということだし、十分なリハーサルも出来なかったこともあるのかもしらん。
とにかく流れないマーラー。テンポが遅く、溜める溜める。耽美と言ってよいのか。懐古的な演奏。実演ではどうだったのか?
しかし、4楽章アダージェットはもう、絶品。聴いていてポーッとしてしまった。レニー/WPh.よりも数段エモーショナルか。それだけに続く終楽章の歓喜の爆発が今一つ、と思えてくる。
ジュピターは録音も良い。演奏はとてもエレガントで愉悦に満ちたもの。こんな演奏をN響から引き出すなんて、流石。今回のCDの中ではコレが一番の買い物か。

都響他との千人はフォーレのレクイエムとのカップリング。79年藤沢市民会館でのライブ録音。熱狂的な演奏というレヴューに釣られての購入。
確かに熱い演奏。火の玉みたい、いや火だるまか?
熱いは熱いが、録音・演奏共にかなり苦しい感じ。結構なキズ、演奏の崩れを良く持ち直したともいえる。奇跡。
千人の交響曲の日本初演者ということもあって期待が大きすぎたか。まあ、ヤマカズらしいといえばらしい演奏。もう少し聴き込みが必要かもしれない。

さて、札幌交響楽団とのベートーヴェン交響曲全集。1番のみ弟子の矢崎彦太郎による。まだ全曲聴けてはいないが、これは素晴らしい、と思える充実した演奏。演奏のキズも奇跡的に少ない。リハの時間を十分とれたのか?
堂々たるヤマカズのベートーヴェン。ヤマカズさんの人生を辿る、そんな演奏。このベートーヴェン・チクルスは元々、ミサソレとエグモント全曲を含む大規模なもので、エグモント全曲は山田一雄たっての希望だったようだが、91年の急逝で果たされることはなく、エグモントは1番と合わせて矢崎の指揮で、ミサソレは佐藤功太郎の指揮によって行われ完結した。
交響曲の演奏は7→3→2,5→4→8→6→9→(1)の順で行なわれている。9番のあとに1番なんて洒落てます。まあ、エグモントとの組み合わせもあってだと思いますが。

映像(こちらのブログも是非!)で、指揮姿を観たい指揮者(ゲルギエフなんかもそう!)だが、こうして山田一雄の演奏を聴くと、ヤマカズジャンプだとか、指揮台に置いた高級なメガネを踏んづけちゃったとか、指揮台(ステージ)から落っこちて指揮しながらステージに戻って来たというエピソードなんぞ些末な話で、真摯に、晩年までひたむきに音楽と音楽に向き合う姿が浮かんでくる。マーラーの5番などは演奏後に疲労困憊する様子が動画では認められる。
ただ、その苦労・努力があんまり結果に結実しないもどかしさ、みたいなものも感じてしまう。山田一雄の中にある究極の音楽の形、それを追い求めて止まない姿勢。永遠にその理想の音楽の形には追い付けないのだけれど、それでも演奏し続ける覚悟。そんなことを思ってしまう。
もし、ある楽団を長期的に指揮出来ていたのなら、また違った結果になったんではないかと。
そんなIFを云っても詮無いことではあるのだけれど。今更だけどヤマカズはカッコイイ人だった!











4 件のコメント:

  1. ベートーヴェン全集は山田さんのだったんですね。
    間違っていたらすみませんが、この方は「エール」で志村けんさんが演じていた小山田?さんのモデルだとか。小山田?さんは粘着質でで志村けんさん、好演でした。本当の山田さんはどうだったのでしょうかね。火だるまとは(笑い)粘っこいみたいですね。怖いもの見たさです。
    連休は後半に入りますが、今のところしたいことをして楽しんでいます。充実した時間を過ごされるように。

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    1. ついつい、ついでに買ってしまいましたが、なかなか良い演奏でした。もちろんピリオドアプローチではないですが、何か思いの丈をぶつけるような、がっしりしつつもエレガンスな演奏でした。エールの志村けんさんの役は山田耕作がモデルですね。
      あっという間に連休2日目が終了。後半も音楽聴きます。

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    2. 山田さんの件、申し訳ありません。失礼しました。
      暑さから解放された連休、なんだか楽しいですね。外の空気を吸いながら、音楽や本読んで過ごしたいですね。

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    3. いえいえ。
      やっぱり9月。涼しいです。七味には嬉しい季節となりました。

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