2020年2月24日月曜日

リスニングルームの伝送特性

連休も最終日ですが、暇なので忘備録も兼ねてEQのことを書きます。

我が家ではデジタルEQによるリスニングルームの伝送特性の補正を行っています。使用しているベリンガーDEQ2496にはオートイコライジング(AEQ)機能があり、好みのカーヴを指定するとピンクノイズをマイクで拾って測定し、補正してくれるのです。この時、七味は全帯域がフラットになるように指定しています(画像1)。
この時、左右のチャンネルをそれぞれを測定・補正します。
左右それぞれの伝送特性を別々に測定・補正することで結果、定位が良くなるのです。
カーヴ上、●(反転していて白色)が左チャンネル、〇(中が黒色)が右チャンネルとなります。

フラットになるように測定・補正した結果が画像2になります。画像2を上下に反転させてみますと、フラットになるようにしたときの部屋の伝送特性が得られます(画像3)。
ここで得られたカーヴを基に、好みのカーヴを作ります(画像4)。
さらにパラメトリックEQ(PEQ)で中音域を中心に削るようにしています。
クラシック音楽を中心に聴いている七味にとっては低音域から高音域へ緩やかに右肩下がりのカーヴとなるようにしています。
実際に聴いてみますと、EQカーヴは1000Hz以降の高音域がだら下がりですが、PEQで中音域を削っていることもあってか張り出しは十分と感じられます。
測定すると、左右でかなり差があることと周波数で左右が逆転しているのが判ります。特に160Hzと200Hzでは左右が逆転しているのに加えて、右チャンネルで15dBほど開きがありますがコレはあまり気にしないでいます。大事なのは左右で逆転の方。七味はコレが定位の乱れに繋がると考えています。
最後に、好みに設定したカーヴ(画像4)ですが、こうして見比べてみるとザックリとではありますがAEQで測定・補正した結果(画像2)と似ていることに気が付きました。あくまでザックリという話ですが。
よく全帯域をフラットなるように再生、ということを耳(目)にしますが実際、画像2の状態で聴く音楽はギラついた感じで長い時間聴き続けることは七味には困難です。0dBより持ち上がっている周波数帯は無理に持ち上げていることもあって不自然さがありますね。そんなわけでフラット再生、七味はちょっと賛成しかねる、という立場です。


画像1 
AEQの設定。フラット(0dB)となるように設定する。

画像2
フラットとなるように補正した結果。
20Hzと20kHzの上昇はマイクの特性(音が十分に拾えてない)の結果と思われる。

画像3
画像2を上下反転したもの。文字が反転していて見づらいが100Hz付近と630Hz・800Hz付近にピークがある
2000Hzより上の帯域が高いのはSPの特性とも一致している

画像4
測定・補正結果(画像2)を基に作ったEQカーヴ。100Hzと800Hz付近を削り、2000Hzから上を緩やかに下げている



4 件のコメント:

  1. 幸せの黒い猫2020年2月24日 16:30

    機器の癖も有るので
    完全なフラット再生は難しいと言うより
    イコライザーで補正して機器が本来
    レベルの低い部分を持ち上げて
    レベルの高い部分を削ると
    機器の再生に無理が掛かって返って
    歪み成分が出る気はします。
    我が家のシステムはトンコンもないのですが
    スイープ信号を再生すると
    かなり音の強弱が発生しますし
    ピンクノイズを再生してスマホの
    周波数チェッカーで見るとガタガタです。
    イコライザーは興味はありますが
    プリメインアンプでは使えないので
    我慢です。

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  2. 幸せの黒い猫さん
    ピークを叩いてディップは弄らないというのが基本と聞きます。
    我が家の場合、ノンEQのではやはり100Hz周辺と1000Hzの下あたりがうるさく感じます。これは測定結果からも明らかです。
    CDPとDAC間にEQを挟む、という手もありますがレコードはどうする?ってなっちゃいますね。フォノEQとアンプの間だと2台必要になっちゃいますね。プリOutメインInやプロセッサ出入力があればそこに、という手もあるでしょうか?ケンウッドのアンプの構成が判らないで言ってますが。
    とんちんかんなこと言ってたらスルーしてください。

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  3. 幸せの黒い猫2020年2月24日 17:46

    L-A1はシンプル設計で
    プリ、メイン分離機能も
    プロセッサー出入力も有りません。
    バランスもトンコンもない
    無い無い尽くしの1台です。
    プリアンプを追加してその間に
    挟むと言う荒業しか無いです。
    100Hz辺りはソフトで意図的に
    持ち上げて録音されてる事が多い部分だと思うので
    この辺りが元々持ち上がってると
    大変な事に成りやすいですよね。
    1k前後も耳が敏感な領域なので
    難しいですよね。

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  4. 100Hzあたりのエネルギーが大きいと聴感上、もこもことした印象になりますね。以前、EQでの調整で行き詰ったときダメ元で下げた時の見通しの良い音は忘れられないブレイクスルーともいえる出来事でした。1000Hzのちょっと下の帯域は仰るように人間の聴力特性でも良く聴こえる帯域ですし、楽曲も基本、その帯域は厚くなりやすいですね。そこを下げると、1000Hz以上の帯域に広がりや艶感が出てくる感じですね。
    LA-1、ものすごいシンプルな構成なのですね。正直驚きました。

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